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友人な伯爵家

テッテッレー、投稿出来ました!

 目の前で馬車らしい車輪の音を轟かせながら、停車した高級そうな馬車から、降りた執事服の老人が話しかけてくる。


「私くしめは、バレット家に家令を務めているニースと申します。奥様方の意向にてお迎えにあがりました。ミズキ様、ルチル殿、お荷物は私がお運びしますので、どうぞ馬車にお乗りください」


 この執事のルースさん、迫力と言うか気迫って言うのか、なんか凄く圧倒される感じがする。絶体武術とか獲得してそうだ。だが、迎えに来てくれたのは大変ありがたいな。


「ありがとうございますニースさん。今日の買い物はここまでって事でいいかなルチル」


 俺がニースさんに対して、感謝の意を述べると少し不思議そうな表情をしたが、まっいっか。


「そうですね、色々楽しめましたし、お屋敷の皆さんにのお土産を買いましたから、私は大丈夫ですよ」


「それじゃあニースさん、お願いします」


 ニースさんがそっと音を立てずに馬車の扉を開いてくれた。


「どうぞ」


 馬車にルチルと入ると、中には大きめの備え付けふかふかソファーが向かい合う形でおいてあり、壁のへこみにはティーセットまであった。


 ソファーに座ったら、外から出発いたしますとニースさんの声のした後に馬車が動きだしたのだが、まったくと言って良いほど揺れがないな、驚きである。


「行きに乗った馬車も凄かったけど、この馬車もお金かかってそう」


「ええ、流石バレット家でございますね」


「ねえルチル。実は、よくバレット家の事知らないんだよね。知っている事と言えば夫人が母様の友人ってくらいなんだ。バレット家にて教えてくれる?」


 わかりましたと言ってから説明をしてくれた。


「まず、この国の階級制度の爵位はご存知ですか」


「えっと、王族から公爵、辺境伯、伯爵、子爵に男爵、準男爵で騎士って順番だよ」


「そうです、バレット家は伯爵に当たります。奥様の実家が伯爵家でしてその頃からのご友人がバレット家の奥様、クレス様です。同じ学舎で勉強もしたことがあると聞きます」


 なるほど、この国は何かと爵位にこだわる奴とかいるからなー。同じ爵位の友達なら何も言われないし良かったのだろう。しかし、学舎ってのが気になるな。


「ねえねえ、学舎ってどんなところに行ったの?」


「えっと、確か魔法学園イグニスと聞きました。魔法学園の身分の高いの方が多く通う科に属していたらしいです」


 イグニスってどこかで聞いた事があるような、、、そうだ!リンセットが行くって言っていた所だ。まさかこんな所で出るとは思わなかった。


 貴族が行くくらいなのだからどんな学園か気になる。だが、俺には冒険者になるって言う理想が~。


 脳内で学園と冒険者を天秤にかけていたら、馬車が止まり扉がノックされた。外からニースさんの声が聞こえてくる。


「ご到着いたしましたミズキ様」


 馬車の中から外が見えるようになっている窓、ちなみに水晶を特殊加工してできているらしい。から見ると公爵家にも負けない大きさのバレット家所有のお屋敷があった。


「あっうん、今降りるね」


 ニースさんに言葉を返すとそっと扉を開けてくれる。


「どうぞ、足元にお気を付けください、奥様方お待ちになっております。お荷物は後程、お運びいたしますので。屋敷の中へ、、、奥様方!」


 ニースさんが言いかけている時に、屋敷の扉が開いて数人の使用人を横に備えさせた母様とバレット夫人がやってきた。そして母様は両手を軽く広げている、母様がこの体制になるときは大抵抱きついてきてのサインである。


 自分から抱きつくなんて、恥ずかしいからやりたくないが、やらないと母様が拗ねるんだよね。俺は小走りで母様に近づいて抱きつく。


「ただいま戻りました母様!」


「お帰りなさいミズキ、町は楽しめたかしら。後でお話し聞かせてね?」


 母様が片目をウインクしながら、抱きしめてくれる。


 母様は小柄な童顔で俺と同じ髪の色をした18歳といっても通りそうな美少女だから抱きしめは嬉しいが俺の身体がもたぬ、、、擦り切れそうな理性を振り絞り、母様に返事をする。


「はい、とっても楽しめました!ベルニアの町はとっても良い所です」


「嬉しい事を言ってくれるわね。この街を治めている伯爵夫人として鼻が高いわ。気に入ったのなら家の子になる?」


 母様に横にいる濡れ烏色の自慢の髪を流している、母様とは同い年に見えない大人の色気を漂わせる美女のクレスさんが嬉しそうに声をだす。


「ちょっとクレス!ミズキはあげないわよ。だって家の子で私と同じ髪の色になったのは、ミズキだけなのだもの。それにこんなに可愛いのよ」


 説明すると俺以外の兄妹達は父様と同じ明るめな茶色の髪をしている。


「冗談よハルミラ、ほら外にいるのもなんだし屋敷の中に入りましょ」


 と苦笑しながら手を振るクリスさん。まったくあまり母様をからかわないでほしい、さっきから渡すまいと抱きつきがきつくなっているのに気付いてください。あと母様、口には出しませんが俺は男です!


 む~と唸りながら、母様はクレスさんの後をついていく為に俺を解放しついていくのかと思ったら母様は俺の方を振り向く。


「ミズキ、惑わされちゃ駄目、、、クレスは魔性の女よ、、、」


「ねえハルミラ、貴方は何言ってんのよ、、、」


 俺の目線に合わせ人差し指をたてながら母様が忠告してくる。


 その後ろでは呆れた顔をしながらクレスさんが待っていた。俺が自分を見ているのに気付いたのか、クレスさんは、うふと効果音がつきそうな笑顔をする。


 なんなんですか一体、、、








 楽しいと時間が過ぎるのも早く屋敷の中で、今日の事や普段の事を話していると屋敷の外は真っ暗になっており、一つ分かった事と言えば母様はクレスさんといる時は自然体でいられる事を発見した。


「話しているうちに居座り過ぎてしまったわね。日帰りのはずだったのだけれども、明日の水の日になってしまいそう」


 この世界にも一週間に似た風習があり、風、火、水、木、土の五日間が繰り返されている。


「部屋ならあるから泊まっていってくれても構わないわよ。ヴィルハート家には家から早馬を出してしらせておくわね。ニース!」


「はい、奥様」


 横で控えていたニースさんは返事をすると部屋から出て行く。そしてクリスさんがさてっと言った後、部屋を案内してくれることになった。


 長い廊下の突き当たりに案内され、部屋のドアが開けられる。ここが来客専用の部屋らしい。


「この部屋とミズキ君の部屋に使用人の部屋を用意しておくわ、確か10人だったから5人ずつの大部屋で平気かしら」


 そんなに用意してくれるのか、こちらとしては断る事はないな、、、っと危ない肝心な事を忘れていた。


「あっあの」


「どうしたのミズキ君?」


「部屋なのですが使用人のうち二人は女性なので男性の部屋と別にした方がいいかと」


 少し驚いた顔をした後、それもそうねと納得すると使用人には3部屋泊めてくれることになった。


「男と一緒の部屋だなんて心配で寝られないものね。使用人の事を考えるなんて偉いわよ」


「ふふ、どうよ私のミズキ。まだ子供だけどもそこら辺の貴族のどら息子より優秀でしょ」


 誇らしげな母様にまたも苦笑しながら頷くと夜食になったら呼ぶ事を伝え、母様とはそこで別れ、俺の泊まる部屋を案内してくれることになった。


 廊下を歩くが高そうな絨毯が敷かれている事もあってコツコツとした靴の音はしない。しかし、今の俺としては何かしら音があって欲しいものだ。


 何故なら俺って結構緊張とかしちゃうのよね、そしてクリスさんと二人っきりである。なんて言葉をかけていいのか分からな過ぎる。


 クリスさんは俺から声をかけて欲しいのかちらちらとこっちを見るを何回もしてくる。


 いいよ、やってやんよ。俺だってできるって事を見してやるぜ!


「あの、、、クリスさんって母様と一緒にイグニスに行っていたと聞きました。魔法学園イグニスがどのような所か教えて貰ってもかまいませんか?」


 クリスさんはやっときたかと考えてそうな表情をしながら教えてくれる。


「そうねー、イグニスは色々な科に分かれてるって事はしってるかしら?」


「いえ、イグニスについては何も知りません、、、」


「なら一から説明するわね。大きく分かれて三つの科があるわ。まず一つが高位の身分の貴族達が通う儀礼科、ここは何を勉強しても自由よ、魔法や剣術などね。次に魔法科、身分に拘らず平民でも魔法を勉強したいと思った子が入るわね。もちろん入るのにテストとか受けて上位の人だけだけれども、最後に武双科、魔法はあくまで補助程度、体の鍛錬や戦闘の仕方を学ぶの、ここも身分は関係ないわ。」


「教えていただきありがとうございます」


 ちゃんと頭を下げてお礼する。


「しっかりしているわね。でも魔法学園について聞くなんてミズキ君は通いたいのかしら、まあ大体貴族は皆通う事になっているからミズキ君も12歳から通う事になるわよ、、、、どうしたのミズキ君?」


 衝撃の真実、、、『俺、通う事になってるってよ!』おいおい、映画で通用しそうなタイトルの完成である。驚きすぎて開いた口がふさがらない。


 そんな俺をクレスさんは心配している。


 教えて貰ったお礼に本当の事を話すべきか、話さないべきか、、、うーん悩むな。でもクレスさんなら大丈夫かな。


「えっと、今から言う事は内緒にしてもらっても構いませんか?」


「大丈夫よ約束は守るわ」


 歩くのをやめ廊下の途中で立ち止まる。よし信じよう。


「実は、、、、冒険者になりたいんです」

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