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「それじゃあおばさん達は3人でそこの百貨店よってから帰るから

後は若い2人でね」

全員でオシャレなカフェを出ると私と達也さんを残して仲良くなったおば様方はショッピングへと行ってしまった

お見合いって言うよりはおば様方のお茶会みたいだったからね

てか



終わったああああああああああ

はぁ…疲れた…こんなに疲れたと言うか虚しくなったの久しぶりだよ

今日は絶対に早く寝よう




「はぁ…」



「あの…心暖さん?」

あっ終わったけどまだ終わってなかった

達也さんとお別れしてなかった

気を抜きすぎた




「ごめんなさいボーっとして」

どうですか

普通に返せてるでしょ

もう全てが虚しくなったので普通に話せるようになりましたよ

緊張とか照れとか一切もう無いです

色んな意味で私は無い人間ですので




「いえ…それより気分でも悪いんですか?

途中から顔色が良くなかったですし」

心配そうな表情で様子を伺ってくる



ああ…本当に私とは違うんだな

もうお見合い終わったのに心配してくれて

この人は本当にカッコイイな

見た目だけじゃなくて中身も全てカッコイイよ




「いえ大丈夫です

すみません心配してもらって

それにお見合いもすみませんでした

でもありがとうございました

お会いできて良かったです」

多分今日初めて見せる笑顔でお詫びとお礼を言った

確かに虚しい事ばっかりだったけど最後に会えて良かったと思えたから

完全なる自己満ですけどね!!




「…いえ俺も会えて本当に良かったです」

そう言って達也さんはまた笑顔を見せてくれる

もうおばさんも居ないのに嘘を付く達也さんに

真面目だなと思い少し笑ってしまう

それと同時に嘘だと分かっていても少し嬉しかった




「それじゃあ私そこの駅からなので」



「えっ!?」

私が別れを告げようとした時達也さんから驚きの様な声が漏れた




「どうかしましたか?」



「いやその…てっきりこれから何処か行くものだと思っていたので…」

顔を少し赤くし頭をかきながら照れたようにあははと笑う達也さん

守りたいこの笑顔(2回目)



てか真面目なんですね

もうおばさんも居ないからこんな事しなくていいのに

別れるまでちゃんと演じるとは

そこもイケメン要素なんですね




「大丈夫ですよもうおばさんも居ないですから

それに折角のお休みですし達也さんの好きなように過ごしてください」



「え?はあ…」

何故か達也さんはキョトンとした表情を見せる

守りたいこの笑顔(3回目)

いやこれは笑顔ではない

でもなんか可愛いキュンとしました

最後にキュンキュンさせて頂きありがとうございます

干物女の乙女心が復活しそうです




「今日は本当にありがとうございました

それじゃあ…」



「ちょっと待って下さい!!」

頭を下げてその場を去ろうとすると呼び止められた




「あの…心暖さんは今から何か用事あったりしますか?」



「いえ特に」

帰って不貞腐れて寝るだけですとは言えませんよね




「じゃあ一緒に映画見に行きませんか?

すぐ傍に映画館ありますし」



「…え?」

達也さんの言葉を理解するには少し時間がかかりました

ってええ!?今私誘われましたよね!?映画に誘われましたよね!?

マジですか!!えっデートですよねそれ!!私の人生初デートですよ!!



…はい一瞬のトキメキありがとうございます

今日私は疲れているんです

一々社交辞令でテンション上げ下げしてると余計に疲れるからもう止めよう

冷静にいこう




「そんな気を使わなくていいですよ

お見合いも終わりましたから

だからもう達也さんの好きなようにしてください」



「気を使ってる訳じゃないんだけどな

それに俺がしたいことですよ」

あーそう言えば趣味が映画鑑賞って言ってたよね

でもあんまり見に行けてないって言ってた

確かにしたいことですね

だからって私を誘わなくても

あれか?1人じゃ映画見に行きたくない派かな?

私は全然お一人様で行けるんですけどねもうお一人様歴24年なんで

てかそれならチョチョイとナンパでもすればいいのに

達也さんなら1発ですよ

あーもしかして硬派なのかしら

もう欠点無さ過ぎやしませんか?




「心暖さん?」



「あの誘って頂いて嬉しいですけど

私なんかとじゃなくても」



「俺とは…嫌ですかね」



「え!?いやそんな事ありません!!絶対に!!」

私の言い方が悪かったのかショックを受けたような表情を見せる

私はそれを見た瞬間に全力で達也さんの言葉を否定した

嫌な訳がない!!こんなイケメンと映画を見れるなんて嬉しいに決まってるじゃないですか!!

私からしたらご褒美ですよ!!




「ふっありがとうございます

それじゃあ行きましょう?」



「…はい」

どう断ればいいか分からずOKしてしまった

ストレートにナンパしてきたらどうですかとか言うのはさすがに無理じゃないですか

この語彙力の無さ泣けるね

そんなこんなで私にとってご褒美、達也さんにとって罰ゲームみたいな時間を過ごすことに決まりました

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