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その8
エー、ウッソー、ホントー?……って口には絶対に出さない驚き方を密かに心の中でしてみたりする。一村長が経営できるような店じゃないよ、こりゃ。ドンだけ金もってんだろうか。これは村の依頼と言うより村長個人の頼みかも知れないな。魔法協会に依頼するなんて、ふつう個人ではしないものだけど。
僕は店の奥へと通された。従業員の村長に対する敬意は尋常ではない。まるで神様を敬うような礼儀っぷりだ。人のいい只のオジサンにしか見えないんだがなぁ。でも村をこれだけ発展させてるんだから、当然かも知れない。僕と村長は一番奥の小部屋の中へ入っていった。