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その43
記憶残差を全て消し去るなんて、並大抵の術者ではない。魔法アイテムを使ったにしてもそれを操る事自体、熟練が必要だしね。その手だれ術者が僕のローブを盗ませたのだ。しかし何故?当然、魔霊黒衣の価値を知っている奴に違いない。うーん、でもおかしいなぁ。それじゃぁ、つじつまが合わないよ。
魔霊黒衣の存在を知っている者自体、非常に少ない。となると真犯人はこのローブの価値を知っていて、なおかつ門番に話しかけても不自然ではない者という事になってしまう。つまり事前にローブの価値を知り、僕が門番と別れた僅かな時間で彼に魔法をかけたわけだ。そんな偶然が有り得るのだろうか……。




