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その38
「どういうことですか」年長隊員が今度は僕を詰問する。「ちょっと待って下さい。確認します」僕は魔霊黒衣に合図をする。衣は地面から飛び立ち、僕の体に装着された。続いて僕は短い呪文を唱える。そうするとローブの上に袖が現れた。一同、またもや呆然。今度は村長に見せた時の様な細い袖ではない。
袖は、根本は細いが先に行くほど幅が広がっている。横から眺めると三角形に見えるだろう。しかも袖といっても手を出す部分はなく、いわば袋状の袖である。僕はヘタリ込んでいる門番の側頭部に両袖をあてた。こうする事により、記憶関係の魔法痕跡をたどる事が出来る。「何てこった。記憶残渣すらない」




