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その32
「あ、ハイハイ」いつもお袋に「ハイは一回」と言われているのをすっかり忘れてそう答える。「で、彼が犯人だと確信したので、ローブに命令して彼を包み込んだのです」「ローブに命令?」一番年若の隊員がボッソリつぶやく。「えぇ、こんな風に」僕が右手を頭の上で回転させると、ローブが反応する。
僕の合図で既に服の形に戻った魔霊黒衣が、頭上をクルクルと飛び回る。これには一同唖然。こんな初歩の魔法にこれだけ感激されると、ちょっと恥ずかしい気分になってくるなぁ。「あとは皆さんがご覧になった通り、彼をここまで運んできたのです」これで納得してくれたかなぁ。僕は彼らを見回した。




