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その23
隊員の一人は呆然と立ち尽くし、もう一人は後ずさりして今にも逃げ出す格好だ。ザマァないねぇ。おっ、年長者の隊員はさすがに少しはマシだぞ。といっても、腰の剣に手をかけて固まっているけどね。黒い玉が近づくに連れ、だいたいの大きさがわかってくる。直径2メートル程度。一部装飾も見えている。
ゴム鞠の様にポーンポーンと跳ねて近づく黒い球。「おのれ、化け物」年長の隊員が声を振り絞る。若い隊員達の手前、精一杯の見栄だろう。いや、立派立派。暗闇で突然アレに対峙してこの行動。さすが王立警備隊。さっきの無礼もチャラにしてあげたい気分だよ。しかしマジで切りつけられてはたまらない。




