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その9
残った服を着て僕は階段を下る。昇りと違い余り体力を消耗しない。季節も春だから寒さに震える事もない。僕って本当に運がいい。この能天気さも僕の欠点か。いや、楽天的と言ってほしいね。これから起こる事を明日シャオーヌにどう話すか、とっても楽しみだ。妄想の部分はモチ、オミットするけどね。
魔霊黒衣を脱いで表を歩くのは久しぶりだ。解放感と物足りなさが同居した気分。体を吹き抜ける夜風が心地よい。長い階段を降り僕は宿屋へ戻った。フロントに行って受け付け嬢に申し出る。「すいません。ローブを盗まれちゃったんですけど」「え?それは高価な物なのですか」「えぇ、国一つ買えるほどの」




