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その6
ふれこみ通り素晴らしい絶景だ。村の灯はゴージャスに輝いているし、警備のためか遺跡付近の明かりも煌々と焚かれている。ただ村長の娘を誘拐したというリゴース族の集落だけは見えない。やはり遺跡を守り続ける閉ざされた地味な部族なのか。少し不安になる。
旅の疲れか、はたまた調子に乗って夕食を食べ過ぎたのか、僕はだんだん眠くなってきた。それにホントちょうどいい湯加減なんだよね。……いま一人なんで言っちゃうか……。「あぁ、極楽極楽」こんな爺むさい台詞、他人の前じゃ絶対言えないよなぁ。そんなお気楽な僕にトラブルが忍び寄る……。




