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その1
やっと村の入り口が見える所まできた。村の酒場で今回の依頼者と会う事になっているんだけど、間に合いそうだ。ローテルの代理って事は手紙で知らせてあるはずだけど、話、ちゃんと通ってるかなぁ……、心配。あれっ、向こうから誰か来るぞ。
すれ違ったのは背の高い男だった。帽子で耳を隠してたけど、ありゃエルフだな。でも、おかしいなぁ、あの出で立ちはどう見ても塗装屋だぞ。エルフがやる商売じゃないんだけどなぁ。おっと、村の入り口だ。身分証明書を出しとかなきゃ……。ただでさえ魔法使いは胡散臭い目で見られるから……。