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デスゲで俺は最強スライム  作者: まめ太
第五章 ウォー ゲーム
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第六話 革命Ⅰ

 お手柔らかに、なんていうガチガチの処女を相手に、疲れ果てた夜を過ごして翌日。

 早々にこっち陣営全員集めて、説明会及び作戦会議第二回。


 説得は必要なかった。俺とサザンクロスの幹部連中が良しとするなら、他の連中はそれに従うという体制が自然に出来上がっていたからだ。細かな折衝を経て、作戦立案、シミュレート、細部のすり合わせを終えたのはその日のうちだ。スピード決定。


 皆がいい加減、動かぬ現状にじれていたし、丁度良い機会だったのかもしれない。

 多少のリスクも承知の上で、全面的に、俺達に任せると言ってくれた。


 そんで。


 作戦決行。

 第一次ゲーム内戦争勃発。


 示し合せ、こっちの連中が一斉にチーム表記を赤にスイッチ。大規模戦闘時の仕様だ。赤表記同士は味方認識で攻撃が当たっても無効になる。同士討ち防止は主に、レイドボス戦で使用される。転じて、PVP集団戦でも使われるんだ。


 本来、赤と青とオレンジがあるんだが、向こうに通達する必要もない、俺達の陣営は赤だと知らしめるだけ。

 こっち陣営全員の頭上に赤い旗のマークが灯るはずだ。


 向こうの連中は、これを付けてない奴等全員ってことだ。一度スイッチするとリーダーの指示が無い限り解除出来ない仕組みだから、もし、攻撃を恐れてスイッチする奴が居たら、裏切り者扱いされる、当然にな。

 攻撃出来ないってことだからな。


 裏切りを促すためにも、向こう陣営にはこのシステムの使用機会を与えてはならない。通達の時間を与えないために、敵陣突入ギリギリまで、このスイッチは入れない算段で臨む。


 小手先の細工は一切なし、正面突破のみでルシフェル陣営800に殴り込みだ。


「景虎、頼んだわよ、あんた一人の働き次第なんだから!」

 解かってるよ、姐さん。一騎当千の働きをすりゃ、200からのお釣りがくるぜ。


 俺からすれば、コンシューマーのゲームみたいなもんだ。街のエネミーを蹴散らすのと何も変わらないさ。


 俺を先頭に200の軍勢が一気に駆け出す。頭上の旗が赤で統一された。

 目指すは敵陣、まずは目障りな封鎖障壁をぶち壊してやるとしますか。


「か、景虎だ!」

「うわ! アイツ等、突っ込んでくる気か!?」

「誰か! 伝令! 戦争仕掛けてきやがった!!」


 喚く声が、伝令を呼ぶ声が、こちらの怒号と折り重なる。

 さすがにルシフェルのヤロウも、戦争の気配は察知していたらしい、伝令を用意してやがった。

 それでも何もしなかったのは、侮りか? 策略か?


 封鎖障壁は、木工スキルで作ったテーブルやら家具やら色々が積まれたものだ。

 邪魔くせぇ!


「おらよ!」

 双剣をサブウェポンのナックルとチェンジ、渾身のパワーで積まれたバリケードを粉砕した。

 手製の見張り台ごと吹っ飛んだプレイヤーが、そのまま地面に叩きつけられて転がる。


「降伏するなら手荒な真似はしないわ! 抵抗するなら死になさい!」

 物干し竿と呼ばれる長大な太刀を突きつけて、エカテリーナが恫喝した。


「こっちへ寝返りな! 早期に裏切るなら、幹部待遇で迎えてやるぜ!」

 ネロが大嘘をついた。構やしねぇけど。煽り文句なんざ信じる野郎が馬鹿なんだ。


 けど、そういう馬鹿が大量に寝返ることになる。向こうに恩義はないって連中だ。主に搾取されていた者たち。

 それでも数の劣勢はひっくり返らない、この期に及んでなお、様子見に徹する奴等は多い。表面上は応戦するに見せかけて、多くのプレイヤーは状況の解析を最優先だ、しゃにむに掛かっては来ない姿勢に伺える。


「くそ! 押し返せ、チート連中の好きにさせるな!」

「景虎だ! ヤツさえ封じりゃ、他の奴等はただの雑魚だ!」


 中堅から上位連中は抵抗する気満々。そりゃ、たっぷりとうまい汁を吸ってきたもんな。

 今さら、ひっくり返されるなんざ、嫌だろうさ。


 両軍激突、乱戦に突入した。


 俺は手当たり次第、行き会うを幸いと殺してまわる。軽く双剣でなで斬りにするだけだ、それだけでほとんどのプレイヤーは声も上げずに消えちまう。


 作戦通り、こっちは盾を中心に結集陣を張り、守りに専念する。俺が遊撃に回り、近付く敵を片っ端からPKした。

 様子見の連中は数に入れなくて済む、実数としては両軍互角ってところだ。


 みーっけ♪

 ほーら、お前らを探してたんだよぉ、俺はぁ。


 なつきのチームの例の四人だ。俺は有言実行の男。三度殺すという誓いは忘れちゃいないぜ。


「景虎! てめぇ、俺らが相手だ!」

 勇敢だなぁ、お前ら。好感度上昇したぞ。その勇気を賞賛して、きっちり三度ずつ殺してやろう。


 まず、一回!

 俺は顔で判断して、胴切りするか、頭かち割るか決める!

 お前らは文句なしだ! 頭かち割って殺す!


「ぎゃ!」

「ぐえ!」

「うが!」


 ご丁寧に三人がそれぞれ個性を発揮した断末魔で締め括って逝った。

 途中で怖気づいて逃げ出した四人目も、ブーメランで飛んでった剣を背に突き立て、倒れながら消えた。

 ふはははは、愉快だ。


 雪崩れるように俺に向かって来る連中をものの数秒で切り刻み、自軍の盾陣営を窺う。

 最前列に盾が幾重に並び、防御に徹する。その後ろに戦士職、さらに後ろで魔法職が引っ切り無しと回復を掛けまくっている。

 踏ん張ってろよ、お前ら。


「くそ、コイツ等、堅い!」

「う、うわ! 景虎!」

 ほい、邪魔するぜ。盾が守りを固める自軍に押し寄せてる敵プレイヤーの、背後から襲いかかる。

 がら空きの背中を撫でてくだけの簡単なお仕事。


「景虎だー! 殺されたら、バグるぞー!!」

 手筈通り、誰かが叫ぶ。もち、俺の陣営の策略だ。


「一撃で死んでくぞ……! あいつ、攻撃力幾つなんだ!?」

「う、わ、怖ぇぇ! アイツ、攻撃もチートなのか!? リアルでショック死すんじゃんか!」

「逃げろ! 逃げろぉ!!」


 俺が防御、攻撃ともにチートだってのは、一部以外には伏せられていたらしい。徒になったな、ルシフェル。

 パニックが起きれば、あとは崩壊するだけだ。


「よし! 散開して追撃に移るぞ!!」

 盾を指揮するネロが号令を下すと同時に、固まっていた自軍プレイヤーが攻撃に転じた。


「降伏しろ! こっちに付けば悪いようにはしない! 武器を収めろ、チーム表記をONにしろ! 景虎の標的になりたくないならな!」

 同時に降伏勧告も忘れずに、だ。


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