初めての狩り!
ゲームによって攻撃方法は違うので(クリックやキーボードか等)あえてそこは書いていませんが、ご了承願います。
「ハイ。ここが“狩場”よ」
ピクに案内され着いた場所は先程いた場所とは違いカタツムリや緑色をしたスライムの様な生物がウヨウヨとしていた。
「これが敵かぁ」
「じゃあ早速貴方に“狩り”をしてもらうわ。……で攻撃よ」
少年はピクの指示通りにモンスターに対して攻撃を行なった。
少年の分身とも言うべき銃剣士の“マリモ”は初期装備の枝状の武器をモンスターに向けて振るう。
『2D』攻撃したモンスターの頭上に赤い数字が現れた。
「今の数字が貴方がモンスターに与えたダメージよ」
同時にピクが説明する。
今度は怒ったモンスターがマリモに体当たりを仕掛けた。
『2D』すると青い文字でマリモの頭上に数字が表示された。今度は説明されなくても分かる。自分が受けたダメージなのだろう。
ピクは先程の数字について予想通りの説明をした。
「モンスターを沢山倒せばレベルが上がるわ。レベルが上がらないと装備出来ない武器があるから気を付けてね。
……じゃあ、私が教える事はもうないかな。選別に“コレ”を上げるから頑張ってね」
ピクはアイテムを渡すと何処かに去って行った。
「ふぃ説明は終わりか……さて、と」
「ああっ〜と待ったぁ!」
大急ぎでピクが戻って来た。
「この島の名前は“ビギナーアイランド”て言うんだけど、この島には“レベル5”までしかいられないの。レベル5を過ぎたら“フォースアイランド”て島に強制送還されちゃうから気を付けてね」
それを告げるとピクは再び霧に紛れるかの様に消えて行った。
「……よし、今度こそ説明は終わりだ。まずは……“狩り”でもしてみるか」
マリモは近くにいたカタツムリに攻撃をしかける。怒ったカタツムリはマリモに体当たりをしようとするが、少年の巧みな操作でマリモは体当たりを避けて更に追撃を加える。
カタツムリは目に涙を浮かべながら土に還った。カタツムリの死骸は残らなかったが、代わりにコインとカタツムリの殼が落ちていた。
「よっし、この調子で行くぜ」
少年の操るマリモは次々とその場にいるモンスターを倒して行く。そして丁度10匹目を倒した時、マリモの頭上に
『レベルアップ!』
と表示された。これは説明しなくても分かるだろう……とにかく今より強くなったのだ。ダメージは全て回復しHPは最大値が少し増えた。
マリモは『レベル1』になったのだ。だが、HPが増えた事以外特別変わった事は無い。少年はまだ1だから、と大して気には止めていなかった。
しかしこれが、大半のネトゲにある“罠”であることを少年はまだ理解していなかった。
「さぁガンガン行くぜ!」
マリモは片っ端からモンスターを狩りまくる。アクションゲームになれている少年はこの程度の反撃は軽く避けられるようで、ダメージを受けずに狩っていく。
『レベルアップ!』
暫く狩り続け再びレベルが上がった。だがやはり先程と変わりは無い。HPは増えたが与えるダメージや受けるダメージは変化しない。
「ちょっと飽きたな……奥へ行ってみるか」
少年は今いる草原の様な場所の奥へと突き進んだ。
ヴォーヴォー、バシュンバシュン、グギャアア!
少年が奥へと足を踏み入れると、様々な音が入り混じって聞こえてきた。
画面を見ると先程とは違う、小さな人型モンスターが大勢生息していて、その中の一匹がマリモに向かって来ていた。
カタツムリやスライムに比べると動きが速い、だが少年は焦らずに襲いかかるモンスターに攻撃をする。
『1D』モンスターの頭上から数字が表示される。モンスターは反撃に、手で持っていた棍棒でマリモを叩き付けた。
『5D』
「ゲ、さっきのより強いぞ」
マリモはモンスターに向かって攻撃を続けるが、此方の体力の減りが速く、少々焦っていた。
「くっそぉぉ!」
マリモの攻撃でついに棍棒を持ったモンスターは土に還った。
「ふぅ〜……て、うおわわ!」
安心するのもつかの間、更に二匹のモンスターがマリモに向かって来た。既にHPゲージが赤く光っているマリモには絶対絶命だ。
しかし、そんな時モンスター達の後方から矢が飛んで来た。
見事にヒットした矢にモンスターは怒り、ターゲットをマリモから変更して後ろを振り向いた。その瞬間更に二匹のモンスターに向かってそれぞれ二本づつ矢が飛んで来て、
『7D、7D』
『7D、7D』
二匹のモンスターを一瞬で鎮めた。
少年は矢の飛んで来た方向をジッと見つめる。すると矢を装備したキャラクターが走って来た。
『やぁ、危ない所でしたね』
これがアナザーライフでの少年の初めての出会いだった。
ご意見、感想、疑問お待ちしております。
やっと説明が終わったので、これからやっと書きたかった事が書けます。