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変貌した者たち(レビジュ視点)

 侯爵の独立は俺の予想を超えて、不利になろうとしていた。

 侯爵の支援を密かにしていたカリシュタが急に及び腰になったのだ。


 理由は簡単で、あの女奴隷が国境の町で、カリシュタの国王夫妻は他国に呪われていると流布したのだ。


 流布されたカリシュタは侯爵の支援よりも国内の防備をしたくなったのだろう。


 そして、女奴隷の手足をもいで連れてくると豪語していたクワトロは丸焦げの死体になって戻ってきた。


 その炎から、エルスピオの手のものであるカオリヤが裏切ったのは明白だ。


 俺は舌打ちをして、王都から戻ってきたエルスピオに詰め寄った。

「おい、どういうことだ! 影たちには逆らったら体の激痛が走る呪いをかけていたのだろう!?」

「その痛みに耐えて裏切ったのでしょう」

 奴は淡々と言った。


 俺は腸が煮えくり返りそうなのだ。

 遠くからはかすかな女の叫び声が聞こえる。


 俺は思わず尋ねていた。

「この声はなんだ?」

「あぁ、最近、飼い始めたペットですよ」

「はあ、ペット?」


 エルスピオに案内されて向かったのは地下牢だ。

 牢の中で、鎖に繋がれていたのは八重歯と角が生えた鬼のような女がいた。


 だが、その顔はどこかで見たことがある。

「セリーヌ王妃か」

「今では憎しみに支配された単なる鬼ですよ」

「人を化物に変えたのか?」


「高度な術式ですが、不可能ではないのです」

 そう言ったエルスピオは今度は黒く焼けたクワトロの死体の元へと向かった。


 手に持っていた赤い剣を突き刺し、何かの液体をかけた。何事かを唱えると、クワトロの体が邪悪な色に包まれる。


 そして、次には死体が起き上がった。

 俺は驚きで思わず息を呑んだ。


 クワトロはうわ言のような無意味な単語を呟くばかりだが、少し時間が立つと、

「アノ……クソ女メ゙ー」


 俺は背中がゾクリと震えた。


 エルスピオは何事もなかったかのように、

「生き返ったわけではありません。死体に残った残留思念に魔力を与えただけですよ」

 それから、クワトロに向かって、

「お前が恨んでいる人間を殺してきなさい」

 

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