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雑魚い男にからまれた

 まーちゃんへ


 朝になったので、私は王子様に呼ばれて訓練場で魔法の的になっています。

 えっと、飛んでくる火の魔法から逃げ回るっていう仕事です。


 時々、服や髪が焦げたり、燃えたりするけど、いつも通り。

 これが、今の私のモーニングルーティンです。


 お腹が空いてフラフラだけど、なんとかなるんだよね。


 あ、視る魔法が近づいてきてる。


 あれ、王子の魔法が途切れたよ。

 ああ。視る魔法が王子の射程に入ったからか。


「大丈夫かい?」


 今、なんか言ってるのが視る魔法の人ね。


 目に視えないものが視えるから、なんもない場所に声をかけたりするんだ。


 キモいね、この人。

 あ、あれだ、霊能力者と一緒だ。


 じゃあ、キモくはないのかな。


「僕は君に話しかけてるんだよ」


 男の人は私の肩を掴んだ。


「?」


 ああ、そっか。

 お陰でなんか食べれそう。

 どんなプレイする男の人かは知らないけれど、臭くはなさそう。


「えっと、一時間五千円でホテル代はお兄さんが出してね」

「違うよ」


 じゃあ、早くあっち行けよ。

 クソ貧乏が。


 王子様が男の人のそばまで走ってきた。


「オリヴィエ王! 危険ですよ! その奴隷は僕の魔法の練習相手だったんですよ」

「そうかい。すまなかった。あのさ、この子を僕に譲ってくれないかな。お金なら払うから」


 あ、男の人のほうが好きな人なのか。

 じゃあ、余計話しかけんな。


 男の人は私を見て、

「それはもっと違うんだよ」


 また、視えない何かに話してる。うぜえ、こいつ。


 王子様が、

「オリヴィエ王。その女奴隷が何か失礼なことでも」

「いや。彼女は僕に失礼なことは一切していないよ。だから、譲ってくれないかな。言い値で払うよ」


 お金も持ってない男に絡まれるなんて最悪。

 まーちゃん、早く帰りたいね。


 突然、男の人が私の右手を握った。

 私は急いで振り払って、スカートでよく拭いた。


 やめろし!

 右手はまーちゃんと繋ぐ用の大事なお手々なの!


「あ、ごめんごめん」

 男の人はそう言いながら、ポケットからハンカチを取り出して、私の右手を拭き出した。


 やめろ。

 これ以上汚すな!

 未成年買おうとしたって、通報するぞ!


 あー、面倒くせー。

 もう帰ろう。


 どうせ、何してもぶたれて怒鳴られるんだから。

 どうせぶたれて怒鳴られたら、それで終わるんだし。


 こんなことがあったから、今日もいもなしだろうな。

 一日一いも健康生活も途中途中で途切れるんだよね。


 男の人は今度は私の左手を掴んだ。

 金もねー雑魚のくせに、ッザケンな。


 人がたくさん集まってきた。


 こういう時はあれを言わなくちゃね。


 見ろ!人がゴミのようだ!


 まーちゃんの大佐の真似すごい似てたの思い出しちゃったよ。

 人前でも、人が多いと言っちゃうんだもん。


 それが放送された金曜の夜に、テレビのある家に押しかけて、夜中まで輝け大佐選手権をやったの懐かしいな。

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