欲望の代償(レビジュ視点)
俺はダルジャン城へと向かった。
女奴隷と騎士団のせいで侯爵の兵は百人に減り、城の守護に回すしかない状況となっている。
そして、王の軍は到着し、カリシュタ軍との戦闘。
兵が少なくなり、ダルジャン侯爵は手も足も出なくなり、王の入市を許してしまった。
だが、城ではエルスピオが涼しい顔をしている。
俺はやつに尋ねた。
「侯爵はどうしている?」
「うるさかったので、酒を飲ませて眠らせました。今なら、部屋で高いびきですよ」
今、奴は呪いに使うという赤い刀身の剣の手入れをしている。
俺は不快感を露わにし、
「王はダルジャン市内へと入ったぞ」
「連れてきなさい」
エルスピオが奥に声を欠けると、檻に入れられセリーヌ王妃が連れてこられた。
命令し、庭へと檻を運ぶ。
王妃は檻の中で、「オリヴィエを! 奴隷を! 殺させろ!」と叫んでいる。
もう化物とかしたこの女には理性が残っていない。
エルスピオは宥めるように乾いた笑いを口元に浮かべ、
「さあ、行きなさい。お前の望みを果たすのです」
そう言って、檻を開けた。
王妃は空を飛び、一目散に去っていった。
俺は唖然として、王妃を見送った。
「さあ、次です。念には念を入れないといけませんので」
「念?」
「えぇ。ルーンブルクの信仰を根こそぎ破壊したオリヴィエ王へ復讐を果たしたいのです」
エルスピオは赤い剣を見つめ言った。
「何をするつもりだ?」
その瞬間、俺の腹が刺し貫かれた。
「あなたはルーンブルク王の私生児だそうですね。多少、格と質は劣るが、ルーンブルクの信仰では王族の至高の血を持って呪うことこそが至上」
俺は痛みでその場に座り込む。
痛みで呻き声しか出ない。
エルスピオは、
「特大の呪いをかけるためには、黒樹が必要なのですが、こちらもヴァレンヌに破壊されてしまったのですよ。全く。奴らは我々の信仰を蔑ろにする犯罪者だ」
それから、呪いの文言を唱えた。
「さあ、私の呪よ、王の元へと行き、今度こそ、奴を殺しなさい。王女よ、あなたに入る邪魔のせいで呪いもかき消せないでしょう」
そう言って、ほくそ笑んだ。




