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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第2章 ティアジピター編 ~ナレカとカレナの世界への侵略者~
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第80話 カレナの世界への来訪者達


 私は皆の飲み物を片づけて応接室を出た。


「チーフ、解析にはもう少し時間がかかりそうです。今のところは何も分かってません」


私が居室に戻ると、ユウキが状況を報告しにきた。


「了解。まぁ、大したことは分からないんじゃないかな。

とはいえ、犯人に目星はついてるから、そこから仮説を立てるしかないかな」


「え?犯人に分かってるんですか?」


ユウキは驚いて私を見てきた。


「推測だけどね。ここ最近、巷を騒がせてんの一人しかいないじゃん。

問題はどうやったか、なんだよね」


「はぁ……。なぜ、先ほど皆にその事を言わなかったんです?」


ユウキは解せないという表情で私に聞いてきた。


「だって証拠がないし、瑞希ちゃんもいたしね」


リバティアスダイヴの事情知らない人に話していい内容じゃない。


「あ、チーフ、ナレカさんがいらっしゃいました」


今度はナレカか。また面倒事持ってきたのかね。この話はいったんここで終わりだね。


私はリバティアスダイヴにログインした。



◇リバティアスダイヴ◇


「はぁ、休み明け早々になんですか?」


私はログインするなり見知った顔を見てぼやいた。


「もう! そんな嫌そうな顔しないでよ。こっちの状況伝えに来てあげたの!

宰相は帝国の出徴兵になったから、彼に聞いておきたいことがあるなら今の内だね。

もっとも ”概ね” アンタの想定通りの経緯だったけど」


 宰相への尋問は一通り終わったようだ。

帝国の兵隊集めにまんまと使われたのね。島流しに丁度良かったか。


「はいはい、ありがとうございます。”概ね”、ですね。

では、想定と違う部分について教えて貰えますか?」


他意はないんだろうけど引っかかった。


「え? うーん、強いて言うなら頑なにアタシ達がヌシを痛めつけたと言ってるね。

警告程度で済ませるつもりだったって」


「なるほど、やはりその件は調べる必要がありますね。ヌシはまだ生きてるんですよね?

ちょっと会いにいきましょうか」


かなりのダメージを負っていると思うが動ける程度には回復してるだろう。


「生きてるかもしれないけど、どうして?」


「こっち側で起きてる事件と関係があるかもしれないんです」


「どんな事件? 蟲の件とは別?」


ナレカは起きている事件に興味を示した。

私は先ほどギンジ達の身に起きた凶暴化の事件について話した。


「そんなことが。そっちの世界で人が突然暴れ出すってことって滅多にないの?」


そんなこと頻繁にある訳ないだろ。文明人なんだぞ。怖いわ。


「普通ないでしょ。酔っぱらってたか、精神異常者か、ドラッグの類か……

はたまたマインドコントロールでもされない限り突然理性を失うなんてことないですよ。

リアルリバティアスだってそうでしょ」


「あ、うん、そうだよね。なるほど、今回はマインドコントロールを疑ってるってことね。

だけど証拠はあるの?」


「ないので、同じように暴走したヌシに会おうという話をしてるんです」


ナレカは「あ~」と声を漏らした。概ね察してくれた様だ。


「ヌシに会ったところで会話できるか分からないよ?

あれだけ痛めつけちゃったんだから、こっちに恨み持ってるだろうし」


痛めつけちゃったって、致命傷与えたのお前だろ、

とツッコミたかったが取りあえず我慢した。


「私等が出来なくても宰相と王妃は出来ますよね、多分?

恨みとかそこら辺、うまく取り持ってもらえませんかね?」


「あのさぁ、宰相はともかく、王妃にそのノリで頼める訳ないでしょ。

アンタ生意気な小娘とか王妃に言われてるんだから気を付けなよ」


ナレカは呆れた声で答えた。小娘って年齢でもないんだけどな。


「エルフにとっては私も小娘ですかね。じゃあ向こうの作法教えて下さいよ。

王妃には他にも頼みたいことがあるから、媚び売っておかないといけないので」


「奇遇ね。アタシも王妃に直訴しようと思ってることがあるのよ」


ナレカも同意した。多分同じ様なことを考えてるんだろう。


「だとすると、頼まれ事の一つや二つ片づけないといけないかもしれませんね」


「そ、じゃあ、これからリバティアス行く?」


行こうと思ったが、道楽社長に自重しろと言われたばかりだったな。


「ユウキ、今行ったら怒られるかな?」


「まぁ、間違いなく……」


「何? 来れないの?」


そもそも、異世界にそんなホイホイ出入りして良いものではない気がする。


「じゃ、万能鏡で通話できるか王妃に聞いてみるよ。

ちょっと王妃と話するには失礼な気もするけど」


ナレカ本体は王妃のところへ向かって話を始めた様だ。


「え? ちょっ――」


 話を初めてからしばらくして、急にナレカが慌て始めた。

多分、王妃の機嫌を損ねたんだろう。あー面倒くさい。


「あのー、ナレカさん? どうしました?」


ナレカが慌てている傍で転移魔方陣が光り出し、何者かが転移してきた。


――おっと、これはたまげた。


「聞きたいことがあるなら、直接来い馬鹿者」


「嘘~。来ちゃったんですか? というか、よく私がカレナだって分かりましたね」


私は情けない声を出してしまった。向こうではナルカの姿だったのに分かるらしい。

そして、その場にいたユウキが慌てて膝を付いていた。


「見れば分かるという話をしておったのは、うぬだろう?忘れたのか。

ふむ、部下は作法の分かっている男の様だな。うぬ、名はなんという?」


「はっ、申し遅れました。ユウキと申します。

この仮初めの世界の維持管理をしている者です。

カレナの数々の無礼、重ねて謝罪申し上げます」


私は笑いそうになった。何やってんのコイツ。


「ユウキ、それは型にはまりすぎじゃない?」


「アンタがフランク過ぎなんだって」


速攻でナレカにツッコミを食らった。


「それでですね、一応こちらは気を使ってるんですよ。

世界を、次元を越える行為を軽々しくやって良いものなのか、仮に次元の管理者的な者がいるとしたら、目を付けられてるんじゃないかって」


禁忌に触れてるのではないかという心配をこれでもしているんだけど。


「チーフこそ型にはまりすぎでは?」


「そんな者がいると信じておるのか? リアリストだと思うておったのだがな」


余計な心配だと言わんばかりの反応をされてしまった。

なんだよ皆して。こっちは真面目に答えたのに。


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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