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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第2章 ティアジピター編 ~ナレカとカレナの世界への侵略者~
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第77話 ナレカ達と宰相の処遇


◇リアルリバティアス◇


 アタシ、ジンギ、キズミ、そして帝国軍は王妃より王宮に招かれた。

今度は地下牢ではなく、謁見の間に案内してくれた様でよかった。


「ナレカ、ジンギ、キズミだったか。よくぞ参った。

まずは先日些細な行き違いから窮屈な思いをさせたことを詫びよう。

宰相の企み見抜けなかった妾も未熟であった」


城内にざわめいた。王妃が謝罪をする様な場面は滅多にない。

ここにカレナがいなくてよかった。絶対なんか煽ってきそう。


「どうかお気になさらないでください。ヌシを傷つけたことは事実ですし」


ヌシの話はあえて出さない方がよかったかな。アタシは話してから後悔した。


「こちらも特に気にしておりません。未熟だったのは我々も同じですので」


クラウドからも痛み分けの様な回答をした。

周りの帝国軍の部下達は不服そうだけど、クラウドに睨まれて黙っていた。


「さて、その宰相ですが、もう処罰を下してしまったのでしょうか?」


「いや、保留にしておる。うぬ等より彼奴に聞きたいこともあろうからな。

それにあれでも国のために尽くして来た男。うぬ等の言い分もあろうが、処刑はせぬ」


どうやら宰相は生かしておくらしい。


「はぁ? こっちは死にかけたんだけど?」


「リマ、やめなさい。我々が口を出すことではありません」


怒ったリマをクラウドが制止した。

アンタ死にかけたっけ? ヌシと戦った時ぐらいじゃない?


「もし、彼の処遇にお困りの様なら、我々に引き取らせていただけないでしょうか」


城内がまたざわついた。帝国軍に連れて行くと言うことは……。


「ふむ、出徴兵としてか? 節操がないな。とは言え、悪くない申し出だな。

彼奴も上級女神術を使える身、戦力にはなろうて」


王妃は提案に乗るつもりの様だ。

生かしておいたとしても城内に魔獣を持ち込む様な奴だ。

宰相の地位を剥奪して一般兵として置いておくのも危険な気がするし、

この国から追い出したいというのが本心か。


「決まりですね。無論、帝国軍人の誇りにかけて

捨て駒にするような真似はしないことをお約束いたします」


帝国軍が引き取ったら、ティアジピターとはもう関係ないだろうに、律儀な人だ。


「では、宰相をここへ連れて参れ」


 王妃の指示で手錠を付けられた宰相がやってきた。

さすがに憔悴している様だが、戦力になるのだろうか。


「来たか宰相。少しは頭が冷えたか?」


「……」


宰相は黙っている。目は泳いでいない。ある程度覚悟は決まっているようだ。


「宰相、うぬの処遇が今決まったところだ。出徴兵として、帝国に行ってもらう。

帝国のため尽力せよ。それは間接的に我が国のためともなろう」


「承知……いたしました」


「だが、その前に我が国での罪を精算してもらわねばならぬ。

今までの行いについて、洗いざらい話してもらうぞ」


宰相は暫く目を瞑った後、静かに目を開いた。


「アンタ、アタシ等の手下になるんだからね。企みとか今のうちにゲロっときなさいよ」


リマが高圧的な態度で宰相に警告した。

企みってコイツが言っても、過去の悪行考えるとあんまり説得力ないんだけどな。


「お前、自分もやらかしたこと、忘れてるだろ?」


アタシが言いたかったことをジンギが代弁した。リマが思いっきり睨んできた。


「リマ、話が進まないので、静かにしてください」


クラウドがリマを諫めた。何だかずっとこのやり取りやってるなぁ。


「ところで、ナレカ君、カレナさんを呼ばなくても?

別世界の人間とは言え彼女にも一応聞く権利があると思いまして」


「ちょっと療養するらしいので、万能鏡で録画だけさせてください。

ただ、基本的に彼女は他世界の政治には干渉しない方針です」


というかゲームのことしか考えてないから興味がないんだけど。


「療養? 大丈夫なのですか?」


クラウドは心配そうな表情でアタシに確認してきた。


「はい、疲労困憊してるので、休むということなので、命に別状はないでしょう」


「ふむ、精神体で異世界からやってきて、なおかつ別人の体を長く使ってたとなれば、

精神疲労は免れられぬ。向こうでも前例がないのだろう?」


王妃が補足を入れてくれた。

その通りだ。カレナ以外で向こうから来た者は私の知る限りではいない。


「よい、あの生意気な小娘から変に茶々を入れられても困るしな」


生意気な小娘に関しては同意。リマも「そーだそーだ」と言っている。

クラウドは目を閉じて首を左右に振って、やれやれ、のジェスチャーをしていた。


「さて、話が逸れてしまいましたね。僕からいくつか質問をさせていただきます。

まず、魔族のサールテと取引をした。これは間違いないですね?」


「……左様」


クラウドの問いに宰相は短く肯定した。


「それでは、王妃、きっかけを確認したいのですが、

ティアジピターに大規模な魔獣の進行があったことは間違いないですね?」


「あった。うぬ等も知っての通りデモンリザード1000体を含む魔獣の進行だ」


王妃もこれを肯定した。さらに王妃は宮殿の外から見える町の一画を指さした。

廃墟の様に見える箇所がある。


「あの辺りが進行を許した区画だ。復興はまだ終わっておらぬ。

これも知ってると思うが、デモンリザード共は途中で進行を止め、川へ戻ったのだ。

ティアマーズへ進行していたことを知ったのは、暫くしてからだった」


「つまり進行の途中でサールテから取引が持ちかけられたということですね」


サールテがきたのは、アタシ達が順調にデモンオーガを討伐していったからだろう。


「左様。ことの顛末は、あの異世界の女が言った通りだ」


これ以上話すことはないと言わんばかり態度だ。


「宰相、何故妾に相談しなかった? 妾が信用できぬか?」


「奴が来たのは進行の真っ只中だった。勿論悩んだが、その隙に妻は殺された。

そして、お前の決断が遅いからだと言われたのだ。即決するしかありますまい」


どうやら余裕がなかったみたいだね。容易に想像はつく。


「それで? アタシ達を執拗に狙った理由はなんです? 人間だからですか?

ティアマーズが健在で新しい騎士団がどうのという噂もあったでしょうに」


しかし、だからと言ってアタシ達を狙う理由にはならないだろう。

やはり確執とやらのせいだろうか。


「確執もそうだが、そもそも臆病な王政のティアマーズだぞ?

そんなもの民を安心させるための信憑性のない与太話と思っていたよ。

だから、生き残りがいて、さらにここまで来たということは、相当の憎悪と執念を持ってきたのだろうと想像するだろう?」


酷い言われようだけど、余所から見るとそういう評価なんだね。

でも、この人も頭は良いいんだろうけど、思いこみが激しいね。


「では、ヌシの件ですが――」


「あれも先に話をしたとおりだ。警告をするように指示しただけだ。

船長にも適当にやり過ごす様に伝えていたはずだ。逆に聞きたい。

なぜ、あそこまで痛めつけた?」


これだけは、どうも話が噛み合わない。


「いや、ヌシは明確に敵意と殺意を剥き出しにして襲ってきました。

これは何か別の要因がありそうですね。ひとまず聞きたいことは以上です」


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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