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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第2章 ティアジピター編 ~ナレカとカレナの世界への侵略者~
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第72話 カレナと道楽社長の考え


「ようやく静かになりおったか。さて――」


王妃は周囲を見渡した。皆疲れた表情をして王妃を見つめている。


「話したいことは山ほどあろうが、後日改めての方がよさそうだな。

目下すぐに対応してやった方がよさそうなのは、カレナとやらか?」


王妃はナルカの方を見て答えた。


「あー、やっぱり分かるんですね。すみませんが、さすがに帰りたいですね」


やっぱり?どういう意味だろう。


「尋問室……があった場所であろう? 自由に入って構わん」


王妃は事情を承知している様で、地下の出入りを許可した。

壊されてることも勿論承知しているようだ。


「王妃、カレナさんについてご存じだったのですか?」


クラウドは王妃が自然な対応をしているため、不思議に思い、問いかけた。


「いや、多分見て分かるんですよね? 広域分析なんて高魔法も存在する世界ですからね。

本来の肉体とは違う意識が入ってるだとか、この世界にはない異質な魔力か魂だとか、エルフクラスなら、そういうので個人を見分けるくらい容易にできそうじゃないですか?

ちなみに私はどんな色なんですかねぇ?」


王妃が答える前にカレナがベラベラと口を挟んできた。


「概ねその通りだが、癇に障る小娘だな。うぬの世界の人間は皆こんな賢しいのか?」


「非礼をお詫びいたします王妃。向こうの世界の人々の名誉のために申し上げますが、

彼女が特別無礼なだけです。いいからアンタは早く帰りなよ」


アタシは王妃に頭を下げた。カレナは舌打ちをしていた。


「え~、人を巻き込んどいて、さっさと帰れって、どっちが無礼なんですかね。

言われなくても帰りますよ。では、クラウドさん、ごきげんよう」


カレナは捨て台詞の様な物言いで、宮殿の地下へ入っていった。


「あれが異界交信の成果か? 賢者会は阿呆しかおらんのかと思うたが、

それに救われた我等もまた阿保であったか」


「ははは……」


アタシは乾いた笑いを返した。この人、以外と口悪いなぁ。

確かに成功率の低い賭けをやってるのは阿呆かもしれないけど。


「では、我々も宿場にいったん戻りましょうか」


「隊長、宰相はどうするのです? この場で裁くべきでは?」


帝国軍はクラウドを引き留め、宰相に女神銃を向けた。


「ほう?懐柔されていた貴方達にそんな権利があるとでも?」


クラウドは隊員に冷ややかな視線を送りながら、銃を下すよう指示した。

隊員は黙って従うしかなかった。


「安心せい、今日は宰相には何もせん。独房には入ってもらうがな」


宰相は特に抵抗する素振りも見せず兵士に連れらて行った。


「全く酷い目に合ったわよぅ! まさか宰相がこのようなことを……」


「尋問官、うぬには謹慎を命ずる。調子に乗りすぎだ」


「ひっ、そんな……」


尋問官も兵士に連れられてトボトボと城に戻って行った。


「じゃ、アタシ等も戻ろっか」


「あー、さすがに疲れたよ。ここに来てから禄に休めてないからね。

人間には生きづらい国だね全く」


キズミは嫌みったらしく嘆いたが、皆スルーしていた。


 アタシ達は宿舎に戻って一息付くことができた。

どうやら騎士団達は何もされていないようで、よかった。

疲れていたアタシ達はすぐに眠ってしまった。



◇リバティアスダイヴ◇


 やっと、やっと、戻ってこれた。

付近を見渡したが、誰もいないようだ。出迎えぐらいないもんかね?


ブゥゥゥン


なんてぼやいていたら誰かが転移してきた。


「カレナチーフ、無事なのかい?」


「えっ、道楽社長!? お疲れさまです。どうかしました?」


ログインしてきたのは道楽社長だった。本当にキャラ作ってたんだ。

少々焦ってる様だったが、どうしたんだろう。


「どうかしました?じゃないよ。数日昏睡状態なんだから、焦ったよ」


あ~それもそうか。数日向こうにいたんだもんね。

ゲーム内で事故でも起きたのかと思ったんだろう。


「すみません。こんなに長いこと出かけることになるとは思わなくて」


さて、どこまで話したものか。


ピピピピッ


今度はユウキからチャットだ。


「チーフ、無事ですか? 一応大枠の事情は道楽社長に話しました。

さすがに今回の件は隠し通せませんでしたので」


仕方がないか。いい印象は受けなかっただろうな。


「道楽社長、黙っていたことは謝罪します。ただ、私はこの通りピンピンしてますし、リバティの成長には非常によい状況です。どうかプロジェクトの凍結は待ってもらえませんか?」


「チーフ……」


ユウキは何か言おうとしたが、黙ったままだ。


「何より向こうの世界の人、というか、ナレカさんのため、かな?」


道楽社長は静かに聞いてきた。この中途半端な状況では終われないのも事実だ。


「ナレカさんは物のついでで――、

あ! いや、そうです。向こうの人たちの助けになりたいのです!」


「チーフ……」


ユウキは呆れた声でまた私の名前を呟いた。


「ふむ、リバティにもかなり愛着が湧いているようだね。状況は承知しているよ。

隠していたことに関してはまあいいさ。僕も隠していることはいくつもあるからね」


どういう意味だろう?私達に関係あることで隠し事があるのかな。


「ただ、大事な社員を危険にさらすことはできない。今後向こうに行くことは極力控えてくれ。

カレナ君もすぐに精密検査を受けるんだ。その後、休暇をあげるから、3日は休むこと。いいね」


「あ、はい、分かりました」


ここは素直に従っておくべきだろう。じゃないと後が怖い。


ブゥゥゥン


(道楽社長、お待ち下さい)


リバティが姿を現した。社長に何を言うつもりなんだろうか。


「やぁ、リバティ。確かに何だか活き活きとしてるね。どうしたんだい?」


道楽社長はリバティに笑顔で対応した。


(チーフですが、おっしゃる通り数日向こう側に行っていた状況ですので、こちらでもデータ欠損がないか確認してから、ログアウトさせていただけないでしょうか?)


「要するに”こちら側”での精密検査をするということだね?断る理由はないよ」


道楽社長はリバティの申し出を了承した。欠損ってなによ。


(ありがとうございます。承知いたしました)


「寝たいんだけど」


(すぐ終わりますから、ちょっと付き合って下さい!)


はいはい。


リバティの押しに負けて私は検査を受けた。

私の体を覆う光のリングが上から下にゆっくり降りていった。


「どうなの?というかデータの欠損とか起きててもどうしようもないと思うけど」


(リアルリバティアスに行く前のデータとで少々差分が出てるようですので、調査します)


何それ怖い……何か記憶がぶっ飛んだりしてるの?


「長いこと向こうにいるとヤバかったの?」


(分からないから検査してるんですよ。向こうでの実体験が反映されてるのは確かです。

ダメージを負っている訳ではないようですので、大丈夫だとは思いますが)


はっきりしない感じが気持ち悪いけど、リバティが向こう側のデータなんて持ってる訳ないんだから仕方ないよね


「まあ、じゃあ取りあえず解析は任せるとしてログアウトしていいかな?」


(はい、お疲れ様でした)


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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