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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第2章 ティアジピター編 ~ナレカとカレナの世界への侵略者~
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第71話 カレナとベラカスの再会


「うぬは、あれを知っておるのか?」


「はい。蟲は火属性が比較的効くので、このまま行きましょう。鎌に気を付けて」


王妃の問いに短く答えて戦闘を続行する。

戦術は変わらず、火属性の神術付与をかけて斬り込む。


「畜生! 厄介事ばっかり持ってきて!」


リマは愚痴を言いながら火の上級女神術の充填詠唱を始めた。


「総員、リマに蟲を近づけるな!」


「化け物め、これでも食らえ!」


帝国軍は女神術のカートリッジを使ってローフレアを定期的に発射して弾幕を張った。


キシャァァァァ

ザクッ!


「ぐあっ!」


 デモンオーガやデモンリザードはある程度戦闘データがあるが、蟲はデータがない。

消耗しているところに初めての敵で、皆苦戦している。犠牲も出始めた。


「もうちょっとシミュレーション結果共有しとけば良かったですね。

チャリティーソードの皆がいれば楽に片づけられるんだけどなぁ。リマさん、まだー?」


「うるせえな! 集中できねぇだろ! 後ちょっとだって」


リマは怒りながら詠唱を続けている。


「くっ、やはり初見の相手だと手こずりますか。

我々もカレナさんに映像を見せてもらっただけですからね」


キシャァァァァ!


「リマ!」


蜘蛛の魔蟲がリマに向かって糸を吐いた。

防御の術が間に合わずアタシは咄嗟に身を乗り出した。


ベチャッ!


「ナレカ君!」


「ったく、アンタに仮なんか作りたくないっつーの。爆炎!それは女神の憤怒」


リマの目の前に巨大な魔法陣が展開され、炎の固まりが現れた。


「おら、死にたくなかったら離れろ! ハイフレア!」


ボゥワッ! ドゴォォォォン!


キシャァァァァ!


魔蟲の大半が燃え尽きた。


「な、なぜ、彼等は奴に対処できるのだ?」


ティアジピターの兵達は信じられないという表情で見つめている。


「さて、そろそろ終いかね?」


キズミは辺りを見渡しながら呟いた。

確かに敵は減ってきているが、まだ巨大な魔力を感じる。

アタシは蜘蛛の糸を払いながら警戒を続けた。


「カレナ……」


「そろそろ出てきなよ。かくれんぼに付き合う気はないですよ?」


 カレナが近くに潜んでいる何者かに話しかけた直後、

城内の彼方此方から羽虫が飛んできて一箇所に集まって人型を形成した。


「おや、どちら様でしょうか? どこかでお会いしましたかね?」


蠅の顔を持つ男は静かに口を開いた。


「カレナさん、アレがベラカス伯爵ですか?」


「カレナ……?。あーなるほど、意識体ですか。またお会いしましたね、凛堂カレナ。

そして、ご挨拶が遅れましたがベラカス伯爵と申します、以後お見知りおきを。

サールテを倒したもう一人の立役者、ナレカ・ドーリン」


クラウドの一言で、カレナがナルカに憑依していることに気づいた様だ。

あれが、カレナが遭遇した魔族のベラカス伯爵か。律儀にアタシにも挨拶してきた。


「立役者という程でもないんだけど、アタシのことも知ってるんだ」


目の前の男の不気味さに圧倒されそうだったけど、アタシは虚勢を張った。


「やっぱり死んでませんでしたか。リバティアスでも随分遊んでるみたいじゃないですか」


「はい。魔法陣に少々細工をさせていただき、蟲共の巣と繋ぎました。

ティアジピターを蟲共の餌場にと思ったのですが、貴方がいるのは完全に予想外でした。

おかげで手持ちの蟲がほとんどやられてしまいましたよ」


ベラカス伯爵は両手の平を上に向けて、やれやれとジェスチャーをした。


「ベラカス伯爵殿、お初にお目に掛かる。私はこの国で宰相をしている者だ。

こちらには手を出さないという約束だったはず。サールテ氏から聞いておらぬか?」


「おや? サールテとはそのような約束をされたのですか? 私は存じ上げないですがね」


「なっ――」


宰相は交渉を試みたが、全く相手にされていなかった。


「いやいや、約束守ってくれるってマジで信じてたんですか? 対等じゃないんですよ?

約束破っても向こうにはデメリットないんですよ?契約も何もないんでしょ?」


カレナは馬鹿なの?と言わんばかりにまくし立てた。

まあ、こればかりはアタシも愚かと言わざるを得ない。


「黙れ、国を守るために仕方がなかったのだ……」


宰相は力のない反論をしたが、その後項垂れていた。


「宰相の処遇は王妃にお任せするとして、奴を仕留めましょう。

二度も魔族討伐のチャンスが訪れるとは、好都合ですよ」


帝国軍は女神銃に女神術のカートリッジをセットして、銃口をベラカスに向けた。


「さすがは帝国軍人。何とも交戦的ですね」


「放て!」


帝国軍全員のローフレアが一斉に放たれた。

ボワボワボワボワン!


激しい爆発の連鎖と土煙が辺りを覆った。


「馬鹿め! ノコノコと出てくるからだ! 思い知ったか!」


やったの?

ふと、カレナを見るとベラカスがいた位置とは、ほぼ反対方向を向いていた。


「カレナ?」


「いや、あんなの当たるわけないでしょ。細かく分裂して飛んでいけるんですから」


カレナは透視投影で奴の動きを追っていた。手には杖と万能鏡を持っている。

カレナが向いている方向にベラカスが現れた。


「なるほど、小生の動きを逐一記録しているのですか。

では、時間が経つほど厄介になるということですね」


バシュッ! バシュッ!


「逃げるなぁっ!」


リマが苛ついて打ちまくっているが、すぐ分裂するベラカスには当たらない。

だが、ベラカスもあまり攻撃して来ない。手持ちがないのは本当の様だ。


「どうやらジリ貧の様です。皆さまの奮闘に敬意を表し今日は失礼しますよ。

それでは、ティアジピターの皆さん、束の間の平和をお楽しみください」


分裂した蟲は彼方に飛んでいった。帝国軍は蟲を執拗に撃っている。


「魔力の無駄だからやめときなよ」


カレナが呆れた顔で帝国軍に意見したが、「黙れ!」と一蹴されていた。


「逃がしてしまいましたか……」


クラウドの一言で、帝国軍も武器を納めた。


「んで?どうすんだよ? まだ俺等捕まえるのかよ?」


ジンギは武器を構えたままティアジピター軍の方を向いた。


「くっ……」


先ほどの戦闘を見ていたため、兵士達は後ずさりしている。


「やめよ。終いだ。負傷者を手当てせよ。動ける者は持ち場に戻れ。

全く情けない兵士共だ。闘技場で鍛え直した方がよさそうだな」


王妃の一言で兵達は解散してそれぞれの持ち場に戻った。


「おっ!闘技場あるんですね。それは丁度良かった」


なぜかカレナが反応した。何が丁度いいんだろう?


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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