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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第2章 ティアジピター編 ~ナレカとカレナの世界への侵略者~
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第68話 ナレカと帝国の行き違い


「クラウドさん!?」


「隊長、待ってよ! んげっ、お前等」


クラウドの後を追いかけてきたリマがアタシ達を見て嫌な顔をしている。


「帝国軍です。どういう状況か説明してもらえますか?」


クラウドはアタシ達を庇う様に前に出て来た。


「その者達は脱獄した罪人です。こちらに引き渡していただきたい」


兵士は帝国軍にも動じず淡々と身柄引き渡しを要求してきた。


「ごめんなさい。できれば話を聞いてほしいです」


アタシはクラウドにお願いした。


「ちゃんと説明してもらいますよ。リマ、彼女達を案内して。

申し訳ないが彼女達の話を聞いてからにさせていただきたい。

いったん身柄はこちらで預かりますので、宰相殿にもそうお伝えください」


「あの、私達の話も聞いてくれませんか?」


捕まっていた騎士団も同行したがっている。さすがに置いてはいけない。


「ナレカ君達以外にも拘束されているティアマーズの方がいるのですね。

分かりました。話を伺いましょう。リマ」


「別に罪人として裁かれればいいと思うんだけどね?ほら、さっさと付いてきなよ」


兵士達は困惑していたが、追ってはこなかった。

このまま引き下がってくれればいいんだけど。


 リマに案内されて、アタシ達は町の外れにある一軒家に向かった。

部屋に付くとアタシはここに至るまでの経緯をクラウドに説明した。


「あはははは! ざっまぁ! 罪人はそのまま牢にブチ込まれてりゃいいのよ!」


リマが笑いながら煽ってきている。

カレナといい、コイツといい、いい性格してるよ。


「いや、お前も元は罪人だろ」


ツッコミを入れるジンギをリマは鋭く睨みつけていた。


「……そうでしたか。あれはやはりエウロパ川のヌシだったのですね。

しかし、一方的に僕等が痛めつけたことになっているとは」


あの川、エウロパ川と言うらしい。今そんな豆知識いらないけど。


「まあ、”僕等が”というか、”ティアマーズの人間が”痛めつけた、ですね。

帝国軍とは事を構えたくないからクラウドさん達を先に素通りさせて、さっさと帝国に帰ってもらいたかったんでしょうけど、まだいたんですね」


カレナが補足した。間違ってはいないけど、帝国軍の扱いがなんか雑。


「げっ! アンタこそまだいんの?」


「うっさいな! 帰るタイミング逃したんですよ。どうしてくれるんですかね?ホント」


転移魔法陣は地下2階の尋問質のところだ。

この騒動をなんとかしないとカレナは戻れない。


「まずは体を休めてください。僕はこれから皆さんの装備を買ってきます。

明日、宰相に会って話を聞きましょうか。いったいどういうつもりなのか」


その後アタシ達はベッドに横になって、すぐに眠ってしまったようだ。

堅い床で寝たから疲れとれなかったんだろう。



 翌朝、人の声で目が覚めた。クラウド達が話し込んでいる様だ。


ガチャッ


扉を開けてクラウドが部屋に入ってきた。


「どうやら本格的に手配書が回っているようですね」


クラウドはアタシ達に手配書を見せてくれた。

なんだか邪悪な顔したアタシ達と思われる一行がヌシに攻撃している絵が描かれていた。

ついでに城でもひと暴れして脱走中と書いてある。


「おいおいおい、どんどん悪者に仕立て上げられてるじゃねーか」


ジンギは頭をポリポリ掻きながら手配書を眺めていた。


「このでっち上げを事実にできるぐらいの権限を宰相は持ってるんですね。

しかし酷い絵面ですね~。ナレカさんの表情とか邪の化身ですね」


カレナは薄ら笑いを浮かべて手配書を見ていた。誰が邪の化身よ!


ドンドン!


扉を叩く音がした。誰か来たようだ。


「捜索隊である! 指名手配中の一行を捜索中につき、協力願いたい! 扉を開けてもらいたい!」


城の捜索隊が一軒ずつ回っているようだ。

クラウドはアタシ達を預かると言ったけど、向こうは引き下がってはくれなかったのね。


「踏み込まれると面倒ですね。裏口から出ましょうか」


 クラウドが裏口を案内しようとする。

カレナはクラウドが買ってきた装備をさっさと着込んで支度していた。

ジンギとキズミもそれに習っている。


「どうするんだい? 逃げるにしても行く場所がないだろ?」


「逃げるのは無理でしょう。クラウドさん、城の入り口までお願いできますか?」


折角城から逃げられたのにカレナは裏口に行こうとせず、なぜか城を行き先に指定した。


「おい、マジかよ! また捕まりに行くってのか?」


カレナの意図は分からない。ジンギもキズミも困惑している。


「……分かりました。何か考えがあるようですね。

では、ナレカ君一行は連行の形で城に向かいます。

騎士団の方はこのままここで待機を。彼女等を引き渡さないように」


 ジンギ達とは対照的にクラウドは特に詮索せずに準備を進めた。

騎士団と帝国軍2名は家に残ってもらうこととなった。帝国軍の方は不服そうな態度だ。

残りの帝国軍とアタシ達は城に向かうことになった。


ガチャッ


扉を開けると、捜索隊が武器を構えて立っていた。


「これから彼女等を連れて城に向かいます。道を開けて下さい。

家にいる者には手を出さないようにお願いします」


帝国軍に連行されてる様相のアタシ達を見ると、捜索隊は黙って城まで付いてきた。

城の前まで行くとティアジピター軍が待ちかまえていた。


「罪人から事情を聞くだけであれば、城内で良かったのではないですかな?

なぜ、このような真似を?」


並んでいる軍の中に宰相の男がいた。クラウドはゆっくり彼と目を合わせて答えた。


「貴方がたのやり方が少々強引だったからですよ。

彼女達は友人ですから邪魔の入らないところで事情を聞く必要がありました」


「邪魔とは不思議なことをおっしゃる。それらの罪状はよく分かったでしょう?」


「僕もあの船に乗っていたのですから、事情は把握していますよ?

分かりませんね。なぜ、それほどまでに彼女達が邪魔なのか」


「いえ、あの船に帝国軍は乗っていませんでした。そのように船長から聞いてますし、記録映像にも残っております。それらを貴方が庇う必要はないでしょう」


どうも話が噛み合わない。事前に証拠をでっち上げられているようだ。


「んふっ、アナタ達、アタシを生かしておいたのが失敗だったようねっ。

証拠は全て押さえているわよ」


宰相の前に尋問官がずいっと出てきた。

どうやら目を覚まして拘束を解いたようだ。


「その認識で間違いありませんよ。隊長は私達の船に乗ってたんですから」


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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