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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第2章 ティアジピター編 ~ナレカとカレナの世界への侵略者~
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第47話 ナレカの世界の疑惑


「さて、と。お久しぶりですカレナさん。何やらお怒りのようですが、まずはお話を聞かせてください。何があったのですか?」


カレナは大きく深呼吸をした後、懐から万能鏡を取り出してきた。

万能鏡には虫の魔物との戦闘の映像が流れていた。


「デモンマンティス? いえ、似てますが、所々違いますね」


「見たことのない種だね。これが何なの?」


カレナはナルカの顔で睨みを利かせてから深呼吸した後、説明を始めた。


「リバティアスダイヴにコイツ等が湧いてるんです。リバティが生成したものではなかった。最初はバグかもって……要はウチの世界の問題かと思ってました。

でも、その後の調査でデータではなく、生身の魔物の可能性が高いことが分かったんです。

ゲームの世界にいるから意識体、ですかね。これがどういうことか分かりますよね?」


カレナが落ち着いて淡々と説明する。

皆の表情が段々と険しくなっていった。


「要はこっちから来てんじゃねーの?って話か。

想像より面倒なことになってるみたいだな」


「大変なのは分かったけど、アタシは何もしてないよ」


全く言いがかりもいいところだ。何のためにそんな嫌がらせするのよ。


「ナレカ君はここ最近我々と行動を共にしています。

貴方の世界に何かをする理由も余裕もないと思いますよ。しかし――」


「いや、そんなことは分かってますよ」


クラウドがフォローしてくれたが、クラウドの話を遮ってカレナが話し始めた。


「誰もナレカがけしかけたとか本気で思ってる訳じゃないですよ。

ただ、虫どもの侵入経路は転移魔法陣しかないでしょ。そこの管理はどうなってんだよ!」


アタシがけしかけたと多少は思ってたのコイツ。しかし、そう言うことね。


「王都の転移魔法陣なら賢者会に任せたけど、まさか、王都に虫が湧いてる?」


アタシは万能鏡を取り出して、キーユに連絡を取ろうとした。


「いや、何でそんな人事なんですか。すぐに向かって

……あれ?王都じゃない? 何処にいるのコレ?」


今ごろになって自分が見たこともないところにいることに気づいた様だ。


「今、我々は王都を離れてティアジピターに向かってるところなんですよ」


「ああ、旅に出たんですね。その道中だったと。えらい中途半端なタイミングでしたね。ティアジピターまで遠いんですか?」


「はい。少々問題が発生してまして、ここで足止めされている状況です」


「問題? あー、たしかに海の手前ですね」


アタシは万能鏡でキーユにコンタクトを取った。


「やぁ、ナレカ。どうしたんだい?」


「ちょっと聞きたいことがあるんだけど――あ、ちょっと!」


万能鏡をカレナに引ったくられてしまった。


「おいコラ! 虫ども何とかしろ! 人の世界に何してくれてんだ!」


「うわっ! もしかしてカレナ君か? 虫だって?」


カレナは万能鏡に向かって「うわっ、じゃねーよ!」と怒鳴っている。


「もう! ちょっと返してよ! まともに会話できないじゃない!」


アタシはカレナから万能鏡を取り返して、キーユに事情を説明した。

キーユは少し考え込んでから返事した。


「なるほど、そんな事が。庭園の警備は引き続き賢者会と騎士団がやってるよ。

たしかに、騎士団が虫の魔物と何度か遭遇はしてはいるらしいけど、さすがに転移魔法陣を素通りさせるようなことはしてないよ」


賢者会はともかくとして、騎士団がそんな失態をするとは思えない。

とは言え、王都周辺に虫が湧いているのは事実のようだ。


「カレナさんの世界に侵入しているのはかなりの数の様です。

流石にあのサイズが何匹も気づかれずに転移魔法陣を通るのは無理があるのでは?」


解せない。カレナは考え込んでしまった。


「王都周辺に虫は発生しているけど、数はそんなに多くないんだ。

我々で十分対処できる。神術師団もいるしね」


王都では神術師団という女神技を主に扱う騎士団を編成したらしい。

戦力は十分ということだ。


「我々はどうしましょうか。カレナさんが来てくれたおかげで、王都に戻る必要はなくなりましたが、別の問題が出てきてしまいましたね」


クラウドはやや困った表情をしていた。


「え? やっぱり私に助けを求めてたんですか? いや、なら、反応しろよ」


カレナがよく分からないことを言っている。やっぱりって何?


「優先順位としてはカレナさんのところの方が深刻そうですが、すぐにできる対処案が浮かびませんね」


「あー、まぁそうでしょうね。分かりましたよ。どうせゲームの中の話ですし。

とはいえ、私はあれでご飯食べてるんですけどね」


カレナは不貞腐れていた。今日のコイツ面倒くさいな。


「誰も何もしないとは言ってないでしょ。ただ、こっちにも協力してもらうよ」


「はいはい。で、何に困ってるんですか?」


 アタシは万能鏡の録画映像をカレナに見せた。

船上で水の中にいる巨大な魔物と戦闘している映像が流れている。

白いウツボにトビウオのヒレが付いたような巨大魚がいた。


「これって、今、目の前に広がってる海での出来事なんですね?

なるほど、コイツを倒せず、船を破壊されて、足止めを食ってるというところですか。

なんだか神秘的な見た目ですけど、倒していい奴なんです? これ?」


船長も聖獣だったら戦うべきではないとはいってたけど、倒さないと進めない。


「概ね当たっています。海……ではなく川ですが、そこのヌシではないかと思ってます。

どういう存在かは分かりませんが、敵対する以上はやむを得ないでしょう」


クラウドはカレナの予想に補足した。


「ヌシね。分かりました。取り合えずシミュレーションしてみましょう。

じゃ、ナレカさん借りていくんで」


半ば強引にアタシを連れ出そうとしてくる。


「引っ張らないでよ! ちゃんと付いていくから! 意識体分離ソウルスプリット


アタシは高魔法の意識体分離を使って幽体離脱した。

幽体離脱と言っても本体の意識は残っているので、文字通り意識を分離している。


カレナもナルカの体から出て、アタシの手を掴んで転移魔法陣に向かった。

何だかやたら強く握ってきて痛いんだけど。


「ジンギ、ナルカをお願い。透視投影!」


本体のアタシはその場にリバティアスダイヴの状況を映し出した。


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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