第46話 カレナとナレカの再会
私達は廃村に到着した。誰もいないのでここは静かだ。
「――で、どうやってナレカとコンタクトを取る気なんだ?」
ギンジが私に疑問をぶつけてきた。異界交信は相手側も反応しないと成立しない。
「多分なんにとかなるんじゃない? 向こうにも何かあったかもしれないんでしょ?
こういう時って大体“カレナ助けて〜”ってなってる時だって」
私がナレカに会いたいのと、ナレカが私に会いたいのがシンクロすればいけるって。
「お前、ホントいい性格してるよな。まぁやって見ろよ。
変なの出てきたら俺達が倒してやる」
私は異界交信の詠唱を始めた。すぐに開けるといいけど。
「交信!それは女神の対話。異界交信
ナレカちゃ〜ん。〜助けてあげるね☆」
キラキラした複数の光が次々と現れては虚空へと消えていく。
シーン……何も起きない。
「えっと、チーフ? 何ですか今のは?」
「いや、真面目にやれよ」
ユウキとギンジは呆れ顔でこちらを見ていた。
「いや、だって、向こうが助けを求めてるんだったら、
精一杯救いの手を差し伸べるアピール必要かなって思ったんだよ」
「どー見てもバカにしてるだろ!」
何だよもう! 私の助けいらないのかよ! 反応しろよ! こっちが困って――
ザザッ!
物陰からデモンマンティスもどきが3体現れた。
「おしゃべりは後だ。こんなところにも入り込んでやがったか」
私達は臨戦体制をとった。私とユウキ別々に距離をとって詠唱を始めた。
「閃光! それは女神の昇天! ローライト!」
私の放ったビームがデモンマンティスもどきの顔面を貫通する。
敵は怯んでいる。その隙に次の詠唱を始める。
ギンジはそのまま剣で切り掛かっている。
「轟雷! それは女神の制裁、ギンジ! 神術付与」
私はギンジの剣に雷の魔術を付与した。そのままギンジは女神技に移行する。
「オラァ! 迅雷瞬突」
バシューン!
ギンジは3体に順番に一発ずつ迅雷瞬突を喰らわせた。敵が全員怯んでいる。
「行きます!爆炎! それは女神の憤怒。ミドルフレア!」
ユウキの放つ炎の中級女神術が3体のデモンマンティスもどきを巻き込んだ。
周囲にいた敵は全滅した。
「おぉ! 即席のパーティにしちゃあ中々いい連携だな」
「たまにはプレイヤーとしてゲームをプレイするのも悪くないですね」
ギンジとユウキは流れる様な連携で上機嫌になっていた。
ユウキ遊び癖ついてないかな。
「あーもう、面倒くさい! 何だよアイツ、虫ばっか連れてきて。反応しろよバカ!」
私は機嫌が良くない。なんでこんな苦労をしなきゃならんのよ!
最近こればっかり言ってる気がする。
「落ち着けって。しかしまぁ、この調子で敵が来られると厄介だな。何とか異界交信成功させないとな」
(チーフ、ナレカからの預かりものである万能鏡を使いましょう)
リバティが提案してきた。そういえばそんなもの貰ってたね。
「なるほど。リアルリバティアスのアイテムで、しかもナレカさんの所有物です。
何か交信の糸口になりそうですね」
「OK、もう向こう行ければ何でもいいよ。始めよう」
「最初は嫌がってたのに実は行きたいんじゃねぇか、ツンデレめ」
ギンジが煽ってきた。ユウキも笑いを堪えてる。ぶっ飛ばすぞお前等。
「交信! それは女神の対話。異界交信
どうか、この万能鏡の持ち主に会わせて……いや、クソナレカァァァッ」
ピピーン
私が異界交信を詠唱した後、万能鏡が何かに反応した。
私は万能鏡を操作した。
ブゥゥゥゥン
その後すぐに転移魔法陣が目の前に現れた。万能鏡から声が聞こえてくる。
「これは? 何事ですか?」
帝国軍のクラウドかな? それらしき声が聞こえてきた。
「ちょっとカレナ! また面倒事持ち込んできたんじゃないの!」
続けて魔術師のリマらしき声も聞こえてきた。
「知らないってば! 何でもかんでもアタシのせいにしないでよ!」
そして、ナレカの声である。別に助け呼んでなさそうで、さらにムカついた。
アタシは迷わず転移魔法陣へ飛び込んだ。
「あ、おい! 何だよアイツ。そんなにナレカに会いたかったのかよ」
ギンジは呆然と転移魔法陣を見つめていた。
「それより大丈夫でしょうか? あれは本当に殴りに行った感じですが……」
「まぁ殴るだろうな。後は成り行きに任せるしかないだろうよ。
取り敢えずアイツ帰ってくるまでここにいた方が良さそうだな」
ギンジとユウキはしばらく廃村に留まることにしたらしい。
◇リアルリバティアス◇
アタシは意味も分からずナルカに、いや、カレナに殴られた。
「っつ~。カレナなの? どうやってここに来たの!?」
「異界交信使ったに決まってるでしょ! それよりあれは何の嫌がらせ?」
よく分からないけどカレナは怒ってるらしい。
「はぁ? 何の話よ。何でいきなり来て殴られなきゃならないのよ!
あ、そうだ、ちょうど呼ぼうと思ってたのよ」
「うるせーっ、お前がそれを言うな!」
ガン! ズザザッ
掴みかかってるカレナを交わしてアタシは足払いをかけて転ばせた。
カレナは盛大にすっ転んだ。ナルカの体にあまり傷つけたくないけど。
「ちゃんと説明しなさいよ! 意味も分からず突っかかってくるんじゃないわよ!
水流! それは女神の号泣。頭冷やしなさい!」
バシャーン
アタシは頭に血が昇ってるカレナに水の女神術を放った。
水の塊がカレナにヒットして弾ける。カレナはまた盛大に転んだ。
「うぐぐっ。まだしらばっくれるか! 水流! それは女神の号泣」
バシャーン
冷たい。今度はカレナの放ったローアクアでアタシが盛大に転んだ。
「ブハッ! もういい加減にしてよ!」
アタシは臨戦態勢をとった。が、何かに捕まって動けない。
「痛タタタ……」
「そこまでです。全く貴方との旅は飽きませんね」
クラウドはアタシを腕をとって関節技で動けなくしていた。
被害者はどう見てもアタシでしょ。
「はっ、ザマァ見ろ! よーし、そのまま押さえといてよ。もう2〜3発殴ってーー
痛ダダダダダ……」
「お前もいい加減にしとけ。取り敢えず話を聞けよ!」
ジンギがカレナの方の腕を締め上げていた。
「また活きがいいのが来たねぇ。カレナ、久しぶりじゃないか」
キズミが笑いながらカレナに話しかけている。
「あ〜、えっと、キズミさんでしたっけ? どうもです」
「アンタ等ホントいい加減にしてよ! 取り敢えず会ったら喧嘩するのやめろよ。
巻き込まれてる方はたまったもんじゃないわよ疫病神共!」
リマが私達に怒鳴り散らしていた。キレたいのはこっちだよ。
アタシとカレナがお互い落ち着いたのを確認すると、クラウドとジンギは腕を解いた。
が、カレナが走り出そうとしたため、再びジンギに抑え込まれてた。子供かコイツは。
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