表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第1章 ティアマーズ編 ~カレナの魔物討伐シミュレーション~
33/100

第33話 ナレカと再会


 外で戦闘は続いている。

改めて見ると、かなり大がかりな術式の様だ。

うん、一大イベントだね。


「ナレカ君も戦闘中のはずだ。君はその、戦えるのか?」


キーユは怪訝そうな顔で聞いてきた。


「ナルカさんの体が馴染んでますからね。やってみましょう!」


 私とキーユは庭園に向かっていた。改めて見るとゲームの方も本当によく再現できてる。

しばらく進むとナレカと、見覚えのある数人が戦ってる姿が見えた。


ナレカはデモンリザードを数匹を何とか倒しているが、何か動きが鈍い。


「おい!ナレカ! 無理すんな!」


ジンギが叫んでいる。


「あのままではいずれ力尽きる」


キーユもそう呟いて駆け寄ろうとしていたので、引き留めた。


「ちょっ、ちょっ、ちょっと待ってください。あなたも賢者なんですよね?

敵はまだこちらに気づいてない様ですし、女神術で奇襲しましょうよ」


「くっ! ……分かった」


「キーユさん、城の上層階、あの辺ですが、人いたら退避させてもらえます?」


私は城の上部の5本の円筒部分を指さして聞いた。

空を飛んでいるデモンワイバーンが時折攻撃している。


「いや、空にデモンワイバーンがたくさん飛んでるのが見えるだろう?

上層階は危険だから皆地下に避難している。一体何をする気だ?」


「分かりました。誰もいないんですね?ね? では、私は空の奴やりますので、

キーユさんは地上の連中をお願いします」


私は念入りに誰もいないのことを確認した後、キーユに分担を話した。

キーユは同意して詠唱を始めた。


「轟雷、それは女神の制裁……」


「閃光、それは女神の昇天……」


私はナレカ達に近づきながら女神術の詠唱を始めた。

この体すごい。魔力が溢れ出てくる。


詠唱の声に気づいたのか、ナレカ達がこちらを見て驚いていた。

この姿で動き出してたらまぁ驚くよね。


やがて詠唱が終わった私とキーユは女神術を放った。


「消滅せよ! ハイサンダ!」


バシィィン! ドドドドド!


キーユの放ったハイサンダは地上の敵を一掃した。


「ハイライト! ナルカビィィィィィィィィィィィィム!」


ビュゥゥゥゥゥゥゥン!


私は極太のビームを斜め上に打ちながらゆっくりと360度回転して空の敵を一掃した。

ビームは城から伸びてる5本の円筒の内、4本の外壁を削り取っていった。

周辺に敵がいなくなったので話が出来るようになった。


「なっ!ちょっと君! ふざけているのか? 上層に人がいたらどうするんだ!?」


「いや、ですから人がいないか予め確認したじゃないですか? いないんですよね??」


キーユは相当お怒りだ。いいじゃん、敵倒せたんだから。


「おい、本当にナルカなのか? こんな性格だったか?」


駆け寄って来たジンギは怪しい者を見る目つきで私を見ていた。


ナレカは立ち上がって私に抱き着いてきた。


「あのー」


コイツまさか本当に妹が目を覚ましたとか思ってるんじゃ?

まずいな、どうやって話を切り出そう。


「カレナ、遅い」


正体はバレていた。


「どーも。妹さんの体を勝手に借りたことについては謝ります。

これでも命がけでやってきたんですよ?」


「ナルカを語ってクソダサい技名叫んだことも謝って」


「え~最大限敬意を払った技名だったと思うんですけど。

しかし、この体凄いですね。妹さんも相当女神術を使えるみたいですね」


「当り前じゃない、アタシなんかより実力は上、自慢の妹なんだから」


ナレカの鼻息が荒い。なるほど、ただのシスコンではなさそうだ。

ふと、後ろの方に帝国軍の格好をした社長が見えたので、思わず噴き出した。


「うぇっ! 道楽社長!」


クラウドは首をかしげていた。


「ドウラク? 申し遅れましたが、僕は帝国軍観察部隊長のクラウドですよ。

まさか“向こう側”の方に会えるとは思いませんでしたよ」


「アナタ、カレナに会う目的もあったの?」


ナレカが目を細めてクラウドに問う。


「ええ。異世界と交信に成功したのかどうか、どうしてもこの目で確かめたくて。

さすがにご本人に会えるという望みは薄かったのですがね」


こちら側から見れば私達の世界が異世界か。


「それにしても知り合いに似てる人多いなぁ。で、どんな状況か説明してもらえますか?

ひとまず周辺に敵はいないですが、すぐ現れると思いますし」


クラウドが私の前に出て説明を始めた。


「見ての通りですが、何らかの術式がこの王都全体を覆う形で発動しています。

“リマ君の時”とは規模が違います。何者かが時間をかけて綿密に準備をしていたらしいのですが、残念ながら僕達がそれに気づいたころには遅かったというところです」


「術式はどういう効果をもたらしてるんです? 見た感じ敵が湧き出てくるというのは分かりますが」


「中にいる人間を外に出られないようにする牢獄の役目も持っているようです。

僕達を嬲り殺すつもりなんでしょうかね」


みんな逃げられてないのはそういうことか。


「“リマ君の時”と言うのは?」


「例のプレイヤーキラーの時の話。アンタの予想通りリマが犯人だったんだけど、魔石の力で魔獣を召喚したの。魔石を渡した奴が多分術者だと思う。フードを被った老人」


「なるほど、では、そのリマさんの時の大規模版ってことですか。

今回も魔石を使ってる可能性が高いですね。術者が誰で、どこにいるのか、目星は付いてますか?」


ナレカには諦めの表情が見える。ジンギも黙っている。

クラウドは静かに答えた。


「僕も概ね同様の認識です。

ただ、残念ながら警戒心が強いようで、術者は見つけられていません。

ずっと隠れて準備をしていたようですし、今も隠れて人々が慌てふためく姿を笑って見ているんでしょう」


「くそっ! ふざけた野郎だぜ!」


皆頭を抱えているようだけど、私は犯人に目星がついていた。


「そうですか。クラウドさんはこちらに来たばかりでしょうから分からないかもしれませんが、

今までナレカさんから色々情報を仕入れてる中で、一人怪しい奴がいます」


「何!?」


一同はざわついた。


「魔獣討伐の話するとすぐヒスってお待ちください~!って止めてきて、常にビクビクしてる老人いたでしょ?その人、最近まで引き籠ってたんじゃないですか?」


「まさか、サールテ大臣!? 確かにどこかに引き籠ってたらしいけど」


ナレカの回答に私は頷いた。アイツはどう考えても怪しい。


「サールテ大臣、あの方ですか。話を聞く必要がありそうですね。

しかし、どうやって探し出しましょうか?部屋にはいないでしょうし。

当然、透視投影の対策を取ってるでしょう。王都内をしらみつぶしに探す暇も人手もありません」


皆頭を抱えているようだけど、私は場所にも目星がついていた。


「いや、場所なら多分分かりましたよ?」


「何!?」


一同はまたざわついた。


「詰めが甘いんですよ。そのお爺さん。

先ほどナルカビームが城に当たった際に5本の円筒にヒットしましたが、その内1本が無傷でした。

防御障壁の類で守られてるようですね。さらにクラウドさんの言う通り透視投影の対策なのか中を覗けません。

これは、ここに隠れてますよと言ってるようなものでは?」


一同は黙ってしまった。


「す、すぐに城に向かいましょう! 騎士団長ガウロを呼んでサールテを拘束します」


ユーキは城の方へ走って行った。

その様子を見ながらクラウドが話しかけて来た。


「参りましたね。怪しいと分かってて城を攻撃したのですか?」


「たまたまですよ。ただ、こういう大がかりな術って大体中心地で、

かつ周囲を見渡せるところで発動させるのがセオリーじゃないですか?

中心には城があるので、周囲を見渡すなら高いところかな、ぐらいは考えてました」


「なるほど、君の世界ではかなり魔術が発達していそうですね」


「私の世界で魔術と言ったら、所詮はおとぎ話の設定ですよ。

概念はありますけど、使える人なんていません」


クラウドは絶句していた。


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ