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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第1章 ティアマーズ編 ~カレナの魔物討伐シミュレーション~
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第31話 ナレカと闇牢獄


 賢者会のアタシ、傭兵のジンギ、冒険者のキズミ、そして騎士団長ガウロが集められた。

何の用なんだろうか?


「どういう集まりなんです? これ?」


「少数精鋭で捜査したいと思っていましてね。勝手ながら人員を選定しました。

捜査の内容は王都ではお話ししましたが、この近辺で起きている魔獣の異常発生の調査です」


「アナタも魔獣が補充されていると考えているのですか?」


カレナと同じ考えを持っていることをクラウドに確認した。


「僕も? ナレカ君もそう感じているのですね?」


「アタシと言うか、まぁ、そうですね」


クラウドは目を細めてアタシを見ていた。


「捜査するっつっても、どうするんだ? 手掛かりなんかねーぞ?」


ジンギは両手を広げて答えた。


「関係があるか分からないけど、リマには聞いておかないといけないことがある」


「なんだい? それは?」


他のメンバーはハテナマークだったようだが、クラウドは頷いていた。


「分かりました。すぐに手配しましょう」


 アタシ達は監獄エリアに向かった。

ちょうどリマが釈放されて出てくるところに鉢合わせた。


「なぁに?帝国軍のアタシに何の用?」


「てめぇ」


アタシはギンジを制止した。


「それについては特に文句はないけど、一つだけ聞いておきたいことがあるの」


「何目線で質問してんの? 属国の人間が」


コイツ、完全に調子に乗ってる。


「リマ君、重要な質問だ。君には答える義務がある」


クラウドは厳しい表情でリマに言った。


「はぁ、分かりましたよ。デモンオーガが誰からの“借りもの”か?でしょ?」


アタシは頷いた。他のメンバーもそういえば、という表情をしている。


「フードを深く被ってから正体までは知らない。アンタ達の注意をこちらに向けてほしかったみたいよ。アタシは魔石を受け取っただけ。これが奴等を召喚するのに必要なんだって」


そう言ってリマは魔石のかけらを見せた。


「これは、魔域の素材だ。間違いない。何者かが持ち込んだということか」


クラウドは魔石のかけらを見て答えた。


「これをリマに渡した奴が黒幕ってことか?」


「その様ですね。だだ、注意をこちらに向けろですか。

ということは、一足遅かったということかもしれませんね」


「は? どういう意味だい?」


キズミはクラウドの意味深な言い方に苛立っている。時間稼ぎということだろう。

そして何をする気か分からないけど、向こうの準備は終わったのかもしれない。


パァァァン


突然、地面が紫色に光りだした。範囲は広い。王都全体を覆っているようだ。


「これは!? すごい魔力です」


「なんだ?」


「何が起きてるんだい?」


住民も皆驚いてパニックになっている。

アタシは状況を確かめるために透視投影を使ったが、王都の先が見えない。

この光のせいだろうか?どうやら物理的な壁にもなっているようで、出られないらしい。


地面をよく見ると魔法陣の様な模様が大量に描かれてる。これは――


「まさか! 召喚魔法陣! 住民を早く非難させて!」


クラウドの声と同時に召還魔法陣からデモンリザードとデモンオーガが次々と現れた。

これが黒幕のやっていた準備か。


 ガウロは騎士団を呼び出し、住民の避難誘導を始めた。

キズミは仲間を集めに冒険者ギルドに戻っていった。

ジンギとクラウドはその場で敵の排除を始めた。


しかし、これでは対処しきれない。

アタシはリバティアスダイヴへの転移魔法陣に向かった。しかし――


転移魔法陣の前にフードの奴が立っていた。


「ヒヒヒ……どこに繋がっておるのか知らぬが、邪魔だ!」


ビシッ!ヒュン


「ああ……」


転移魔法陣を消された。先回りされていた。

アタシは膝から崩れ落ちた。


「ちょっとナレカ邪魔! アンタ!アタシのおかげで準備できたんでしょ?

何なのコレ?聞いてないんだけど! 見捨てる気なの!?」


リマはアタシを押し倒して、フードの男に詰め寄った。


「ヒヒヒ……無駄じゃ無駄じゃ。絶望せい!」


「テメェ!爆炎! それは女神の憤怒!」


ボゥ!


「キェェェェェェェ」


フードの男は燃えて悶えていたが、しばらくして動かなくなった。

フードの男を倒しても地面の巨大な召喚魔法陣は消えなかった。


「何で魔法陣消えないのよ! クソッ!」


ヌッ


苛立つリマの背後に大きな影が現れた。


「リマ!」


バキッ!


「ぐふっ」


敵の気配に気づくのが遅れたリマを庇ってアタシはデモンオーガの剛腕をもろに食らってしまった。

アタシはそのまま建物の扉を突き破って部屋の中に吹っ飛ばされた。


「おい!ナレカ! しっかりしろ」


意識が遠のく。カレナをもう頼ることはできない。

アタシは今更ながらカレナに八つ当たりしたことを後悔した。これは罰なんだろうか?


……


(コラ! 返事しろナレカ!)


「カレナ!?」


どれくらい時間が経ったか分からないが、カレナの声が聞こえた気がして目を覚ました。

気のせいだろうか?


だが、体は何とか動くようになっていた。

カレナが開いてくれた道をこんなところで終わらせる訳にはいかない。


この時アタシ達は気づいていなかったが、消された転移魔法陣が再び現れていた。



◇東京◇


 再生した映像には帝国軍観察部隊と王都にいる冒険者や傭兵達との演習が記録されていた。


「ヒュ~、銃ありなんだね! さっすが帝国!」


帝国軍の男が銃剣を使って冒険者の男を一方的に攻撃している。

どうやら魔力の弾丸を発射する機構の様だ。


「これだけ見ても技術力には相当な差があるようですね」


エンジニアのユウキは率直な感想を漏らした


「そりゃそうでしょ。帝国名乗ってんだから、これくらいやってくれなきゃ」


「チーフ、嬉しそうですね……こんなのと戦争するシミュレーションしたいんですか?」


「いや、したいと言うか、実際にどのくらいの戦力差なのかは客観的に分かるし、

自国の立ち位置とか知っておくネタとしてシミュレーションしておいて損はないと思うけどね」


ユウキ達エンジニアは若干引いていたけど、私は本音で話をしている。


その後、傭兵のジンギが戦闘を始める様子が映し出された。

ジンギは通常の魔弾を巧みに捌き、帝国の男はカートリッジを使った戦術に切り替えていた。


「なるほど、女神術をストックできるんだね。こりゃすごいね」


帝国側が優勢に見えたが、ジンギの女神技がローフレアの魔弾を弾いて戦闘は終了した。


「さすがの帝国兵も面食らってますね。女神技は予想できなかったんでしょうね」


ユウキは冷静に戦闘の様子を分析していた。


「ふむふむ。個人の戦力差は多少は縮まったようだね」


私達がやって来たことは無駄じゃないようで、よかったよ。


早速、リバティに指示して帝国軍と女神銃の実装を始めた。


「チーフ、帝国を再現するつもりですか?」


「いや、帝国そのものは無理でしょこの情報量じゃ。帝国軍観察部隊を再現するの。

この記録映像みたいに模擬線のイベントを実装しようと思ってね。

女神銃はプレイヤーにはまだ実装しない」


「なるほど、それでしたら納得です。調整します」


帝国は遠い国らしいからね。それを再現するとしたら、まだ遠い先の話だろう。


「まぁでもさ、これはいいネタじゃん?ナレカをそろそろ許してあげても……」


ビーッ、ビーッ


突如アラーム音がオフィス内に鳴り響いた。


「え? 何何?」


「チーフ! リバティが何か映像を投影しています」


映像には庭園の転移魔法陣が映し出されていた。


「転移魔法陣? これがどうしたn……!」


しばらくして転移魔法陣にヒビが入り、パリンと割れて消えてしまった。


「え? ウソ?」


「まさか!?……カタカタ……ありません。消えてます!」


ユウキはすぐに状況を確認したが、転移魔法陣はやはり消えている様だ。

私はすぐにリバティアスダイヴにログインして庭園に向かった。



最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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