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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第1章 ティアマーズ編 ~カレナの魔物討伐シミュレーション~
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第29話 ナレカとギンジとユウキ


◇リバティアスダイヴ◇


数日後、転移魔法陣を通ってナレカがやって来たらしい。


「よぉ、ナレカ、もうログインして来ないかと心配してたから安心したぜ」


ギンジがナレカを見つけて声をかけてきた。


「ギンジ君、あの時はごめんなさい」


「いや、まぁ、ゲームの中だしな、気にするな」


「カレナは?」


ナレカはキョロキョロと辺りを見渡した。


「しばらくは来ないな。なんか休暇を取ってるらしい」


「そう、謝らせてはくれなそうね」


「いや、アイツには謝んなくていいぞ?煽ったアイツが悪いんだから。まずアイツは俺に謝れ」


ギンジはそう言ってナレカを慰めていた。

ギンジ、私の見方はしないのか。


ブゥン


ナレカの目の前で虚空に画面が映し出された。


「何だ? 運営か?」


「えっ!キーユ?……のはずはないか」


バックのエンジニアの代表が話し始めた


「ナレカさんですね。はじめまして、シンドウ・ユウキと申します。キーユさんではありません。

ナレカさんもギンジさんもこの度はチーフが大変ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません」


ユウキは画面越しに深々と頭を下げた。


「アイツ、部下に頭下げさせるなよ」


「チーフってカレナのこと?。あれは元々はアタシが悪いんだけど」


ユウキは首を横に振って続けた。


「カレナチーフは自分がやらかすと決まって数日休暇を取るんです。なので反省はしてると思います。ですが、チーフは絶対に謝らないと思いますので、どうかナレカさんも謝らないでください」


「何それ? それでいいんだったらアタシも謝りたくはないけど」


ナレカは訳が分からなくなっていた。

何それ?って言いたいのは私だよ。


「はい、それで結構です。心配せずともチーフ含めて我々はナレカさんを引き続きバックアップいたします」


「そう、ありがとう」


ナレカは少し安心した様だった。


「それで、あれから襲撃事件はどうなりましたか?」


ユウキが気になっていたことを聞くと、ナレカは取り合えず解決したと答えた。


「結果として真犯人はジンギさんの傭兵団にいらっしゃった魔術師リマさんだったと」


「そう、ここでの事件とほぼ同じだった訳ね。実際はもうちょっと複雑だったけど」


「偶然で片づけてよいか悩ましいところですが、とにかく解決してよかったです。

それで、リマさんはどうなるのですか?」


「火炙りの刑じゃないよ。帝国が預かることになりそう」


「帝国!……ですか。王都に来られてるんですね」


ユウキの声のトーンが少し上がった。


「やっぱり気になるみたいね。帝国について少し情報を収集したからこれを渡しておくね」


「万能鏡ですか。お預かりいたします」


「なんか初めて見るアイテムだな。これ、どうやって使うんだ?」


ギンジは鏡の表面、裏面を交互に見ながら聞いてきた。


「使い方は我々の方で研究しますので、そこに置いといてください。

リバティ、解析をお願いします」


(ハイ、ユーキ)


ギンジが鏡を置くとリバティが解析を始めた。


「運営どころかリバティも使い方知らねぇって何だよ? つーかそろそろ教えてくれよ。ナレカ、アンタ一体何者なんだ?

カレナはゲームのネタを提供してくれる友達だって言ってたが、さっきから話を聞いてる限りそんな感じじゃねぇぞ。帝国がどうとか話してるが、何の話なんだ?」


「なんだ、カレナは教えてないのね」


「はい、我々もプレイヤーには不用意に話さないようにしています。信じられない話ですから。

ですが、ギンジさんにはお話ししておいてもよいかもしれません」


「どういうことだよ?」


自分だけ仲間外れにされてる様で腑に落ちないようだ。

ナレカは掻い摘んで説明した。


「アンタは異世界から来て、カレナがその世界をゲーム内に構築して危機を救う方法を検証していると。

魔獣に襲われてるのも、プレイヤーキラーも遠くの世界で現実に起こっている出来事だってのか。

たしかにぶっ飛んだ話だな。本当だったら大事件だぞ。運営もそれを信じているのか?」


「はい、実際我々も数々のリアルな映像を見せていただきました。他言無用でお願いします。

ギンジさん、ナレカさんの世界を救うため引き続き協力をお願いできますか」


「こんな話聞いても信じる奴はそうそういないと思うが、仲間にも秘密にしておく。

新しいクエストが出たらいつも通りプレイすりゃいいんだろ? 任せろ、これからは命がけでプレイするぜ」


ギンジはさらにやる気になったようだ。


「ありがとう、助かる。さて、帝国軍の対応しないといけないからいったん帰るね」


「あの、最後に一応確認ですが、帝国軍と事を構えるつもりはないですよね?

チーフと違って我々は人間同士の争いはシミュレーションしたくありません」


ユウキは心配事をナレカに確認した。


「カレナチーフは部下に恵まれるのね。キーユなんかと間違えてごめんなさいね。

人間同士で争ってる場合じゃないし、戦う理由もないし、とてもじゃないけど勝てっこないし。

渡した万能鏡には帝国との模擬線を記録してるけど、あんなのは帝国の戦力のほんの一部だから」


「それを聞いて安心しました。中身は今後のため拝見させていただきます」


「ゲームのネタのため?」


「そう捉えていただいて差し支えありません」


「フフッ、そこはチーフと同じ意見か。分かった。じゃあ何かあったらまた来る」


ナレカは転移魔法陣を通ってリアルリバティアスに帰っていった。



 数日後、私はオフィスに復帰してすぐ事務処理をしてリバティアスダイヴにログインした。

その際にユウキからナレカがリバティアスダイヴに来て色々話をしたことを教えてくれた。


「アイツ、意外とメンタル強いね」


「チーフ、謝るつもりないんですよね? ナレカさん結構気まずそうにしてましたよ?」


「勿論。だって向こうにも謝るなって言ったんでしょ?」


ユウキは呆れていた。


「大人になってもらいたいですねホント」


やかましい。


いつもの庭園で黄昏ているとギンジがやって来た。


「よぉカレナ、休暇はもう終わったのか? しっかし色々聞いたが、ひでぇ奴だなお前」


「あぁギンジ、ナレカの正体も聞いたんだってね。ま、いつも通りプレイしてくれればいいから」


「何言ってやがる。リアルリバティアスの戦士達の模範なんだろ俺達は。ガチでやんなきゃだろ」


ギンジは左手のひらを右手でバシッと殴る。


「気合い入れるのはいいけど、ガチすぎてゲーム仲間との関係がギスギスしない程度にね」


「お前がギスギスとか言うな!

あー、あと、なんか万能鏡?だったかを運営が受け取ってたぞ、リバティが解析してるらしいが」


「現実世界のアイテムなんか使えるかっての。リバティが解析してるなら待つしかないね。

帝国がどんな戦い方するのかは気になるし」


しばらくして、虚空に画面が現れた。


「チーフ、リバティが万能鏡の録画を再生できたそうです」


「お、リバティも大分進化してるじゃん」


私達は万能鏡の映像を閲覧した。


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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