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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第1章 ティアマーズ編 ~カレナの魔物討伐シミュレーション~
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第28話 ナレカとすれ違い


 最初にデモンオーガを討伐した廃村。

そこにレアアイテムは保管されていた。


魔術師リマと数人の仲間がそこにいた。夜の内に運び出そうとしていたのだろう。


「リマ、テメェ何でここにいる?」


ジンギは剣を抜いて構えた。


「賊共は、まんまと罠にかかったのね。ホント役に立たないんだから」


我々が来ることを予想していたのだろうか?動じてはいないようだ。


「お医者さんは責めないであげてね。財政難なのは本当なんだから」


「目的は金?」


アタシは冷静にリマに質問した。


「金だけじゃない。新しい生活がもうすぐできるの」


リマは目を瞑って淡々と説明を始めた。


「魔獣の台頭と引きこもり王室のせいで、どこにも行けない、稼げない状態が続いた。

ところが、アンタの奇策のおかげで魔獣討伐が捗り始めた。これでも感謝してるのよ?」


「感謝してるとは微塵も感じられないけどね。アンタのためにやったわけじゃないし」


アタシは冷たく返事した。

リマは無視して続ける。


「ティアジピターを蹂躙したデモンリザードも始末できたし、恐れるものは何もない。

これって突如として舞い降りて来た二度とあるかも分からないチャンスじゃない。

だったら最大限に稼いで次に行くべきでしょ? 分かったら消えなさい!」


リマは杖で地面を数回トントンと叩いた。

その後、召喚魔法陣が現れ、デモンオーガが5体召喚された。


「まさか!? デモンオーガを使役したの?」


「“借りもの”よ! なんの準備もしてない訳ないでしょ。悪いけどここでお別れよ」


デモンオーガが前に出てくる。


「こっちは任せな!」


キズミ達がデモンオーガに応戦し始めた。


「ナレカ! アイツぶん殴ってくれ」


ジンギもデモンオーガとの戦闘に集中する。


アタシがやるしかないか。リマに向かって杖を構える。


「ナレカァ!知ってるよ! 初級女神術しか使えないポンコツ賢者がアタシに勝てるとでも?」


「水流!それは……」


「水流!それは女神の号泣!でしょ? 遅い遅い!」


バシャッ!


「くっ!」


ワンテンポ遅れたため、リマの攻撃を食らった。

詠唱は向こうの方が早い。次々と先手を取られる。


アタシは距離を取ってから呼吸を整えた。……そろそろ行くか。

そして、小声で囁きながら杖をエッジで強化して、近接攻撃を始めた。


リマはアタシの攻撃を巧みに捌く。


「なぁにやってんのよ? ヤケになって杖で殴るって、ホントにポンコツね!

……ん?」


すぐに違和感を感じた様だった。


「あぁ、そういうこと。中級女神術覚えたんだぁ。必死に頑張ってたもんね!」

いいわ、力の差を見せてあげる!ポンコツらしく後悔しろバーカ!」


あぁ、アイツ思い出して何かムカついてきた。


やがて、アタシとリマが同時に詠唱が完了する。


「暗闇!それは女神の堕天」


「爆炎!それは女神の憤怒!焼け死ねバーカ!」


リマの方が詠唱が早いはずなのにアタシと同タイミングで詠唱が終わった。上級女神術だ。

アタシがカレナにやったことと同じ事をやろうとしたらしい。

全く性格が悪い奴ばかりね。


「ハイダーク!」


「ハイフレ……あ”?」


大きな炎の塊を大きな闇の塊が呑み込み対消滅した。

対消滅の衝撃で付近にものすごい突風が吹いた。


「閃光、それは女神の昇天。神術付与」


「……!硬化!それは女神の防御」


アタシは槍投げのポーズを取って光を纏った杖をリマに向かって投げた。


「女神技!光投天槍!」


リマは防御態勢を取るが硬化が崩れ腹部に杖がヒットした。


ドゴッ!


「ふぐっ! アンタ、ホント、ムカツク……」


ドサッ


「悪いね。つい最近術者同士の戦いをシミュレーションしたばかりなの。

杖に刃は付いてないから安心して」


気絶したリマは騎士団に連行されていった。


「リマは火炙りの刑かしら?」


ガウロは眉をひそめた。


「何を言っている?処遇はこれから決めることになるが、死刑までは行かんだろう。

賊に冒険者から金品を奪うよう依頼はしたが、殺せとは指示していない様だからな」


「冗談よ、ちょっと言ってみただけ。ありがとう」


「彼女の処遇でしたら僕達が預かりましょう」


……!?

背後から聞き覚えのある声が聞こえた。

先ほど王都の出口付近ですれ違った長身の眼鏡の男だった。

荷物を運び出していたリマの仲間達を捕まえていた。


「どういことだい? 誰だいアンタ?」


ガウロはキズミを静止した。


「待てお前達。ついて来られてましたか。帝国軍観察部隊長クラウド殿」


「何!?」


アタシは彼を知っているが、周りにいたものは驚いた様子だった。


「失礼、おかげでいい物を見せてもらいました。詳しくは王都に戻ってから話をしましょうか」


クラウド隊長と共にアタシ達は王都に戻った。



◇リバティアスダイヴ◇


「はっ?」


私は目を覚ました。VRゴーグルと椅子の感触があった。

どうやらゲームをログアウトしているらしい。


あのヒス女……はぁ。

やってしまった。完全に煽りすぎた。


 ナレカの上級女神術を食らって、そこからどうなったか分からない。

しかし、中級女神術を覚えた方がいいと進めたけど、まさか上級女神術を覚えて、

しかもそれを一番最初に私に食らわせるとはね。


私はオフィスに入って状況を確認することにした。


「あ、チーフ? やはりログアウトされたんですね」


私に気づいたのエンジニア達が声をかけて来た。


「何かよく分かんないんだけど、どうなったの?」


「ナレカさんの上級女神術ハイダークは周辺にいた自警団、ギンジ君、そしてチーフを巻き込みました。どうやらリバティがオーバーキルペナルティというものを実装していたらしく、それにより強制ログアウトされたようです」


 リバティに確認をしたところ、体力の10倍以上のダメージを一気に受けると、オーバーキルペナルティというのが発動して、強制ログアウトするらしい。所謂デスペナルティだね。

やれやれ、軽い臨死体験だったよ。


「ナレカは?」


「転移魔法陣を通ってリアルリバティアスに帰ったようです。見てられませんでしたよ」


ぐしゃぐしゃの泣顔でナレカは転移魔法陣に帰っていったらしい。


「あっそ」


エンジニア達に冷たく返事をする。


「全く、身勝手で図々しい人だよね。そう思わない?」


こっちは善意でやってあげてるんだから、勘違いしないでほしいものだ。

バックのエンジニア達に愚痴をこぼす。


「いやいや、チーフも大分大人げないです。なんであんなに煽ったんですか?」


「あの対応は人としてどうかと思いますよ」


「ギンジ君達には誤っておいた方がいいですよ」


エンジニア達は私を擁護してくれなかった。分かってたけど。


「我々は彼女を助けたいと思ってます。そこはゲーム感覚ではありません」


イラっとした。何だよ善人ぶってさ。


「あ~はいはい、私も悪かったんですね。何だよ、味方はいないの?

やる気なくしたから今日はもう帰る! ていうかしばらく休む!」


エンジニア達の冷たい視線を他所に私は冷たくなったコーヒーを

一気に飲み干してオフィスから出た。


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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