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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第1章 ティアマーズ編 ~カレナの魔物討伐シミュレーション~
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第24話 ナレカと襲撃事件


ある日の夜……


「ふーっ」


追加出現したデモンオーガの内の一体を討伐したギンジは宿で回復のため仮眠をとっていた。

ゲーム内の睡眠モードである。


バチバチ……


「ん? なんだ?」


ギンジが目を覚ますと部屋の中に火が回っていた。


「おい! 何だよクソ!」


急いで剣を持って窓から飛び降りる。鎧も身に着けておらず軽装だ。


「おいおい! 何だよこりゃ?」


燃えてる宿を見上げていたその時――


グサッ!


「ぐっ!」


ギンジは腹部に冷たい感触を感じた。

下を向くと剣の刃が腹部から突き出ていた。後ろから刺されたようだ。

完全に不意を突かれてしまった。


「へっ! 悪いな。討伐ご苦労さん。報酬は俺たちがありがたくいただいていくぜ」


「て、てめぇら……」


ギンジはそのまま倒れこんだ。



「また、やられましたね」


ゲーム画面には、町中に転がっているリアルな死体が映し出されている。

ゲームプレイヤーの死体であるが、町中で死んでいるため、魔物に殺されたものではない。


「プレイヤーキラーか。特に制限設けてないもんね」


 今、リバティアスダイヴでは人間同士の殺し合いが横行していた。

魔獣討伐などのクエストを攻略した者はちょっとした小金持ちになっている。

それを狙って何人かのプレイヤーが町中で夜襲などをかけて報酬を奪い取る事件が発生していた。

魔獣倒すより簡単に報酬が手に入るからだろう。


また、ゲームのリアルさを面白がって殺しをするものも現れているようだった。

魔物には動物の生態を取り入れているが、プレイヤーのアバターにも人間の生態を取り入れている。骨は折れるし、血も出る仕様だ。


「やばいですかね?規制入りそうですね。どうしましょうか?」


R-15規制は入れてるんだけどな。そういう問題じゃあないか。


「実際に同じような事件が現実世界で起きたらアウチだけど、今はまだグレーじゃない?

リバティにも対策考えてもらおう。私はちょっと様子を見てくる」


リバティには刺激が強いかもしれないけど、どうするかは見てみたい。

私はリバティアスダイヴにログインした。


庭園に行くとギンジが座り込んでいた。


「やぁ、ギンジ、調子はどう?」


「なんだカレナか」


何だか元気がないな。


「どうしたの? 元気ないじゃん」


ギンジは俯いたまま口を開いた。


「俺も殺られちまったよ」


「え!?プレイヤーキラー? 死んじゃったの?」


どうやらギンジのパーティもやられてしまったらしい。

それで元気がなかったのか。


「えっと、犯人は?」


「そこら辺にいるギルドの冒険者だろうな。こっちがヘロヘロになって討伐から帰ってきて宿で

睡眠モード使ってる隙に火を放ちやがって、訳も分からず急いで窓から脱出したら後ろからグサリよ。報酬は全部持っていかれちまった」


結構酷い状況なんだね。プレイヤーのモチベーション下がっちゃうし、さすがに少しルールを作った方がいいか。


私はバックのエンジニア達と音声チャットを始めた。


「中々にカオスな状態だから何かルールを作った方がいいかもね。リバティはなんて言ってる?」


「それが、中々答えを出せないようで」


「あら、まだ?」


このドロドロした状態を続けろと?ちょっと難しいお題だったかな。


「とりあえず運営情報で警告出すか」


「はい」


 運営情報で以下の様な告知を出した。

最近プレイヤーキラーが横行しており、ゲーム内の秩序が著しく乱れてるようですので、

このような行為はやらないようにお願いします。

状況が改善しないようであればアカウントの凍結を視野に入れますのでご認識おきください。


警告を出してから2週間が経過したが状況はあまり改善されていなかった。


困った顔をしていると、転移魔法陣からナレカがやって来た。


「珍しく深刻な顔をしてるね。何か心配事?」


珍しくって何だよ。


「まぁプレイヤー同士のいざこざなので、気にしないでください」


ゲーム内での話だし、リアルリバティアスにはあまり関係のないことだろう。


「ナレカさん、今日はどうしたんですか?」


「この前言ってた手に入った報酬がどんなものか調べたからそれの情報を渡しに来たんだよ。

結構いい武器や素材が手に入ったみたい。武器は冒険者が持ってったけど、素材は騎士団が買い取ったようね」


「騎士団が素材を?」


「何でも神術師団という特別な部隊を作るんだってさ。そのための装備強化の材料にするって」


「なんか格好良いですね。ともかくこれでゲームでもアイテムを充実させられそうです。ありがとうございます。

さて……となると、はぁ」


これらのアイテムを生成するとプレイヤーキラーが狙って来そうだなぁ。


「何? 溜息なんかついて。――ん?ちょっと待って」


ナレカの意識体は右耳に右手を当てて集中している。

おそらく本体に集中しているんだろう。


「ごめん、ちょっと戻る」


ナレカは足早に転移魔法陣に入ってリアルリバティアスに戻っていった


 それから数日ナレカはこちらに来なくなってしまった。

何事だろうか? 嫌な予感がする。



◇リアルリバティアス◇


 アタシは、町中に転がっている死体を見つけた。

冒険者の死体であるが、町中で死んでいるため、魔物に殺されたものではない。

殺した犯人が近くにいるかもしれない。意識体を戻したはこのためだ。


アタシはすぐに騎士団に通報したが、付近には誰もいなかったようだ。


騎士団から色々聞かれたが、たまたま通りかかったら見つけただけなので、

事情を話したらすぐに解放された。


何事だろうか? 嫌な予感がする。



 ある日の夜……


「ふーっ」


追加出現したデモンオーガの内の一体を討伐したジンギは宿で回復のため仮眠をとっていた。


バチバチ……


「ん? なんだ?」


ジンギが目を覚ますと部屋の中に火が回っていた。


「おい! 何だよクソ!」


急いで剣を持って窓から飛び降りる。鎧も身に着けておらず軽装だ。


「おいおい! 何だよこりゃ?」


燃えてる宿を見上げていたその時――


グサッ!


「ぐっ!」


ジンギは腹部に冷たい感触を感じた。

下を向くと剣の刃が腹部から突き出ていた。後ろから刺されたようだ。

完全に不意を突かれてしまった。


「へっ!悪いな。討伐ご苦労さん。報酬は俺たちがありがたくいただいていくぜ」


「て、てめぇら……」


ジンギはそのまま倒れこんだ。



 アタシの意識体がリバティアスダイヴに出かけているところで、ジンギが何者かの襲撃を受けたという報告が入った。

そのままジンギが担ぎ込まれた診療所に様子を見に行った。


診療所の医者に軽く会釈をする。


「ジンギは大丈夫なの?」


「命に別状はありません。私も何人も冒険者や傭兵を診てきた者ですので、ご安心を」


「ここは安全なの?」


「私も元傭兵です。簡単にはやられませんし、そもそもここには金目のものはありませんよ」


「おぉ、ナレカか」


ジンギは力のない返事をした。状況を呑み込めてなさそうだ。


「大変だったよ。宿が火事だって様子を見に行った人たちが、倒れてるアンタを見つけたんだって。一歩遅かったら他の奴等みたいになってたかもね」


「他の奴等?」


「冒険者や傭兵の何人かがアンタみたいに襲われてるらしくて、死人も出てるみたい。

アタシも数日前に王都内で死体を見つけちゃったから」


「おい! 俺の仲間は大丈夫なのか! いてて」


ジンギは腹部を抑えて蹲った。


「今は動かない方がいい。アタシも誰が死んだかはまだ確認できてない」


「畜生!何が起きてやがる!」


ジンギは拳でベッドを殴っている。


「宿の火事の時、何があったか覚えてる?」


「デモンオーガ討伐から帰ってきて宿で休んでたんだ。そんで起きたら部屋燃えちまってたんだよ。訳も分からず急いで窓から脱出したら後ろからグサリよ。

こっちが気を失う前になんか言ってやがったが、どうやら報酬が目当てだったようだな」


盗賊だろうか? でも王都内でしかも傭兵相手に略奪行為をするのはあまりにリスキーだ。


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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