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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第1章 ティアマーズ編 ~カレナの魔物討伐シミュレーション~
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第23話 ナレカの戦利品


「やったよ! ざまぁ見ろ!」


 蘇る気配はない。だが、いつ蘇るかも分からないからグズグズしてもいられない。

ふと、広間にも武器や防具が散らばっているのが目についた。

ガーディアンに挑んで志半ばで散っていった冒険者達の者の様だ。

これだけでも値打ちがありそうなものが混じっている。リマは目ざとく財布を見つけて拾った。


「おいおい、ちったぁ遠慮しろよ」


そんなリマを見てジンギは呆れていた。


「嫌よ。ここまでやったんだから何が何でも成果を持ち帰らないと。

装備品は冒険者達と山分けかしら?」


「山分け? 取り分は要相談だね。こっちだって命賭けたんだ」


リマはツカツカと奥に進んでいった。


奥の廊下で再びガードソルジャーとガードウィザードに遭遇するが、対処法を分かっているため、

大した障害にはならなかった。


一行は大部屋の前にたどり着いた。大きな扉に阻まれており、厳重に鍵がかけられている。


「いいねぇ、お宝の匂いがプンプンするよ」


「女神術じゃ扉壊せそうにないわね。早く開けてよ」


キズミもリマも目がギラついていた。全く強欲ね。

冒険者たちがトレジャーハンターで培った技術を使って巧みに鍵を開ける。


ガチャッ!ギィィィッ


扉が鈍い音を立てて開く。中は応接室の様だが。棚には高価なものが並んでいた。


「ひゃっほう! ここは貴族が住んでいた区画だね。だから金目の物は残ってると思ってたんだ」


「いいじゃない。なら半々で分けようよ!」


「半々って訳にはいかないね。譲歩して七三だね。アンタ等はあくまでお手伝いなんだからね」


「何でよ! 誰のおかげでここまでこれたと思ってんの?」


醜い争いが始まった。賢者会のというかアタシの分はなさそうだね。

もう勝手にしてとも思ったが、今は争うべきではない。


「はいはい、取り分の話は後にして! 帰り道もガーディアンと戦うんだからそこまでは協力して!

帰りに足引っ張り合って全滅しちゃいましたとか勘弁してよ」


アタシは手をパンパンと2回叩き、メンバーを窘めた。


「チッ!それもそうだね。一時休戦だ」


「ナレカ、アンタの分も奴等からふんだくってやるから安心しなさい」


取り合えずは2人とも引き下がってくれたが、外に出た瞬間またすぐに喧嘩が始まりそうだった。

余計な争いごとに巻き込まないでもらいたい。


一行は黙々と宝を運び出している。

なんだか空気が重いので、アタシは適当に話題を振ってみる。


「ところで先があるみたいだけど、行くの?」


20階層あるという話だし、ようやく半分を超えたというところだろうけど。

アタシは気が進まなかった。この状況で行くのは自殺行為だろう。

それはキズミも感じているようだった。


「いや、先は確かに気になるけどさ。今回はここまでだ。収穫は十分だしね。

欲張りさんがいなけりゃ問題ないさ」


「あのさぁ――」


リマが臨戦態勢になる。


「おい、リマ! いい加減にしろ!」


「――っ!そもそもアンタが……」


ターゲットはジンギに切り替ったようだ。


「ふーっ、取り分の話は別にしてアンタにはそれなりの礼をしないといけないねぇ」


キズミは溜息交じりにアタシに話しかけてきた。


「報復するような言い方はやめてくれる?。別に程々でいいんだけど」


「ふっ、欲がないね。じゃあ、ギルド会館でアンタからの依頼は積極的に受けるように手配してあげるよ。

冒険者は賢者会を嫌っちゃあいるけど、アンタからの依頼なら受けてやるさ」


今今冒険者に何かを依頼するってことはないんだけど、後々役に立つかもしれない。


その後、帰り道に例によって数体のガーディアンと遭遇したが、問題なく対処した。

どうやら広間のガーディアン3体は復活してはいないようで、ホッとした。


 パーティーは外に出ることができた。


「はぁ、やっと外に出られた。かび臭い城の中はもううんざりね。

ねぇ、キズミ、次誘うときは……」


ガキン! バキン!


「半々だよ!」


「七三だよ!」


アタシが振り向くと取り分を巡って冒険者と傭兵団で戦闘が始まっていた。

ジンギは必死に止めようとしてあたふたしていた。


「アホらし。ねぇ、アタシ帰るから!」


お前も止めるの手伝ってくれーっ、というジンギの声が後ろから聞こえたが無視して帰宅した。


その後、聞いた話では町人から通報があり騎士団が来て止めに入ったそうだ。

王都にこの判断は委ねられ、六四で分配された。双方とも納得はしてないらしい。

知らないよもう……



◇リバティアスダイヴ◇


 中継した映像からガーディアン3体を倒す様子が映し出されていた。


「行き当たりばったりな感じになってしまいましたが、うまくいきましたね」


私は戦闘の様子を見てそう答えた。

危なくなったらテリトリー外に逃げて回復して、またバフをかけて挑む。これを繰り返す。


かなり泥臭い戦術かもしれない。ゲームではシステムを戦闘モードへ移行することが多いため、

戦闘モードが解除されると自動的にHP全開の状態からやり直しになることが多い。

しかし現実ではそんな都合よく敵も回復したりはしないんだ。


「復活はしなさそうですね。できればどれくらいで復活するかは見ておきたかったのですが」


「勘弁してよ。注文のガードソルジャーとガードウィザードのガワは持ち出したんだから、それで我慢して」


ナレカはうんざりした表情だった。これが私の取り分か。

でも、数時間は復活しないだろうし、それまでずっと見張ってろと言う訳にもいかないか。


「しかし、その、大丈夫なんですか?」


「何が?」


「いや、なんか争ってたみたいですけど?」


帰り際に冒険者と傭兵団が争っているのが気になっていた。


「あぁ、好きにやらせておけばいいじゃない。知ったことじゃないよ」


一抜けしてるらしい。関わりたくないようだ。


「報酬はナレカさんのお好きにという感じで構わないのですが、何が手に入ったのかは知っておきたいので、後で透視投影なりで見せてください」


「は~メンドクサ。はいはい」


「ちなみにこの先を探索する予定はしばらくないですかね?」


今回の探索で10階層目より先、12階層目まで進むことができた様だ。

その先もあるようだが、険しい道のりだろう。


「取り合えず当面の目的だった素材や先人たちの遺産や武器ってのは手に入ったから、しばらくはないんじゃない?

それに行くとしても、その時は冒険者だけで行くんじゃないかな? アタシはもう行きたくない」


「そうですか。そうですよね」


残念だけど仕方がない。


「疲れたから、戻るね」


ナレカの意識体は回復のため、転移魔法陣を取ってリアルリバティアスへ帰っていった。


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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