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リバティアスダイヴ ~カレナとナレカの仮想世界 カレナはナレカの世界を救うためゲームを作る~  作者: リバティ
第1章 ティアマーズ編 ~カレナの魔物討伐シミュレーション~
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第15話 カレナと防衛訓練


◇リバティアスダイヴ◇


 ナレカの意識体を通して討伐状況は映し出されていた。

どうも嫌な予感は当たっているようだ。


「やはり、こちらの戦況に合わせて補充される気がしますね」


私はそのままの感想を伝える。


「誰が?! 誰がこんなことをしてるの?」


ナレカはこちらを睨みつけて、聞いてきた。


「落ち着いてください。残念ながら情報が少なくて分かりません」


「早く調べてよ!」


ナレカは怒鳴りつけてきた。バックのエンジニア達はビビっている。

余裕がないのは分かるんだけど、こちらに怒りをぶつけられても。


「もう一度言います。落ち着いてください。

調査はちゃんとしますから、まずは現状を乗り切る方法を考えましょう」


ナレカはハッとした後、深呼吸を数回した。


「ごめんなさい。熱くなってしまった。アナタ達には感謝しないといけないのにね」


バックのエンジニア達からチャットが来る。


「チーフ、まだ手伝うんですか?」


「うーん」


悩ましい。見捨てることもできるんだけど。

バックのエンジニア達はさっき怒鳴られてモチベーションが落ちているようだ。


「彼女のやり場のない怒りは私にぶつけられてるんだから、しばらく回線切ってていいよ。

その代わりもう少し付き合わせて」


「分かりましたが、ネタのためですか?」


「うん。あれから対してアクセス数伸びてないでしょ?」


リアルなデモンオーガ討伐は確かに魅力的なイベントだったが、さすがに飽きられてしまっていた。

ちょっとテコ入れをしないといけない時期である。


「何してるの?」


「すみません。ちょっとバックの者達と相談してました」


「何か案がありそうなの?」


「案はこれから考えるんですが、ちょっと状況を整理しましょう。

デモンオーガが補充されること。そしてデモンリザード1000体が王都に向かっているということ。問題はこの2点ですね?」


「そうね。デモンオーガはなんとかなるかもしれない。このまま継続して補充されると厄介だけど。デモンリザードはもう無理ゲーね」


あぁ、無理ゲーなんて言葉を覚えてしまったんですね。


「これから、新しいデモンオーガとデモンリザードを顕現させて、そいつらの討伐のクエストを組む、といういつもの方法を取るのですが、課題がいくつかあります」


「一つは分かる。時間がないことね」


「そうです。デモンリザード到着まで数日とのことですが、具体的には何日ぐらいなんでしょうか?」


「賢者会の試算では5日ね」


 一つ目の課題は時間の問題だ。プレイ動画が揃うのに1~2日はかかる。

動画が揃ったらこちらで吟味するのに1日、王室で賢者会が吟味して作戦を練るのにさらに1日かかる。

作戦が決まったら、兵を集めてプレイ動画の通り動けるように2~3日かけて訓練をする。

そうしてようやく討伐に赴くわけだ。とても5日では足りない。


ナレカに提案をする。


「こちら側の討伐とそちら側の兵の訓練を同時並行でやるしかないですね」


「どうやって?」


「実現性はともかく、案は2つあると思っています。

1つはそちら側の兵達を意識体分離でこちら側に連れてきて、ゲームをプレイしてもらうか、

もう一つは、そんな高魔術あるか分かりませんが、リアルリバティアスでリバティアスダイヴ相当の仮想空間を作るか、です」


どちらも実現性の低い案だけど、一応聞いてみた。


「どちらも無理ね。

他人を意識体分離させることはできないし、その人たちをこちら側に運ぶ術もない。

あと、仮想空間を作る高魔術ってのもアタシの知ってる限りではないね。

やっぱりどうにもならないの?」


まぁそうだよね。ならば――


「そうですか。では、せめてプレイヤーの討伐状況をリアルタイムで中継しましょう。動画は基本的に編集してから上げられるものですが、その編集の時間も惜しい。

ナレカさん、透視投影は今見た特定の場所の状況を立体映像で映し出してるんですよね?立体映像をそのまんまのスケールで映すことは可能ですか?」


よりリアルに体験してもらうため1/1スケールで投影するのがよい。

そうすれば敵の大きさも距離感も攻撃の規模も分かるはずである。


「アタシだけでは無理だけど賢者会に手伝ってもらえば可能だと思う。

アイツに頼み事かぁ。まぁ役に立ってもらわないとね。

プレイヤーが初めから挑戦するところから兵達に見てもらうってことね。

ノーダメクリアが見れるかどうかは賭けね」


そこはプレイヤーの頑張り次第である。

可能性を高くするためにより多くのプレイヤーに挑戦してもらう必要がある。


「それで?他の課題とやらは?」


「はい。デモンオーガは旅人や狩人、漁師など住処に近づくものを攻撃するスタイルでした。

しかしデモンリザードはまっすぐ人里、つまり王都を目指しています。

取り逃がしたら被害に直結します」


「そういうことね。失敗はできないということね」


「今回のクエストは討伐という体ではなく、防衛戦の形を取ります。パーティは30~50人ぐらいでしょうか。

戦闘区域の後方にラインを引いてここより先にデモンリザードが行ったらクエスト失敗とします。

これでプレイヤー達は守るための戦い方をしてくれるはずです。リアルタイムで見てもらうので、

最初の内は失敗するはずですが、どうやって克服するかも含めてよく見てもらってください」


「分かった。ゲームにも緊張感を持たせるのね」


「もう一つ課題があるのですが、いったんクエストをスタートさせましょう。それから考えます」


「もったいぶるね。まぁいいけど」


ナレカは目を細めて答えた。


 リバティに指示をしてデモンリザード1000体を川辺に配置した。王都に向かって進行させる。

防衛戦のクエストを発行する。


ギンジにチャットを送る。


「防衛戦? 面白そうじゃねぇか! みんな集めてきてやるぜ」


「ちょっと大々的に動画中継させてもらっていいかな?

できるだけ多くの人に挑戦してもらいたいから」


「よし分かった。派手に立ち回ろうじゃねぇか」


 ギンジは仲間を集めた。

正式リリースしてから新しい友達も結構できたみたいで、パーティメンバーも増えていた。


「よし、始めるか」


ギンジたちパーティは配置に付く。


防衛戦クエストがスタートした。


「来た来た!」


続々とデモンリザートがなだれ込んできた。リザード達と人間達の戦いが始まった。

お互いの武器がぶつかり合う音が響いており、合戦の様相だ。


「おらぁ三連斬!」


ガキィン!


ギンジはデモンリザードに向かって三連続斬りを使うが、デモンリザードの盾に阻まれる。


「ちっ! おっと!」


後ろから槍を持ったデモンリザードが攻撃してきたので、ギリギリのところで避ける。

その直後、左側から剣を持ったデモンリザードが切りかかってくる。


「やべっ」


「土石ぃ!それは女神の強打ぁ! ローロック!」


後衛の魔術師マリが岩の塊をぶつけてデモンリザードを吹き飛ばす。


ズバッ!


「うきゃっ!」


後衛のマリは背後からデモンリザードに切られた。


デモンリザードを攻撃したら、別のデモンリザードに攻撃されて、そいつを攻撃したら、

また別のデモンリザードに攻撃されて、を繰り返していた。

初めの内は上手く立ち回っていたが、だんだんと数に押され始めていた。


「このままじゃマズイね!」


「みんな固まれ!」


しばらく持ちこたえたが、251体のデモンリザードを倒した辺りで防衛ラインに到達されてしまった。


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

面白いと思った方は、いいね、評価、ブクマ、感想、誤字ご指摘、何でも結構ですので、いただけますと幸いです。

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