第5話
やっとかけるようになりました!
失踪はしないと思いますが多分間隔がかなり空くと思いますが応援お願いします!
どことなく嫌な予感がしたので、村のみんなが集まっている中をかき分けながら、僕とアリエはリーネの家に向かった。
僕たちが家の前に着いた頃には白い服装の集団はもう村から出て行っていた。
家の前にはリーネの父であるデニスさんが暗い顔をして立っていた。
「デニスさん、いったい何があったんですか、あの白い服を着た人たちはいったい。」
僕はデニスさんに何があったのかを質問した。デニスさんは一瞬迷った素振りをしたが、僕とアリエの顔を見て事情を話してくれた。
「実はな、リーネのやつ『剣姫』って天職をもらったろ、それを王都のお偉いさんたちが聞きつけたみたいで、リーネを勇者さまの仲間候補として王都の騎士団で預かりたいって言っててよ、俺の一存では決められないからリーネと話し合う時間が欲しいって伝えたんだ。」
僕はデニスさんの話を到底信じることができなかった。リーネが勇者と一緒に旅をする仲間になるかもしれないという言葉に、彼女がとても遠くにいるような感覚になった。
もしリーネが王都に行きたいと言ったら僕はどうすればいいのだろうか、きっと職無しの僕が一緒に行くことはできないだろう。
リーネを説得するのも考えたが、僕にリーネの未来を決める権利はない。
「リーネお姉ちゃんがどうしたの?」
僕が考え事をしているとアリエが質問した。おそらく話の内容はほとんど理解していないと思うが、彼女もリーネが僕たちが想像しているよりも大きな存在になっていることを感じたのかもしれない。
「リーネは偉い人に王都に一緒に行かないか誘われたんだよ。」
僕はなるべく分かりやすく簡潔に事の顛末をアリエに伝えた。
「じゃあもう会えないの?」
アリエの疑問に僕は答えることができなかった。
もちろん僕も行ってほしくはないし一緒に冒険がしたい。
「さあ、リーネ次第だね。でもアリエの気持ちリーネに届いているさ。」
そう言って僕はアリエと一緒に家に帰った。
家に帰ると親父が料理を作っていた。親父は料理が得意なわけではないが、素材の味を生かした男らしい料理を作る。もちろん僕たちは親父の作る男飯が好きだ。
「いただきます!」
今日の晩御飯は、今朝とれた野菜に少量の香辛料を使った炒め物に、トマトスープと黒パンだ。
黒パンはそのまま食べると固いのでトマトスープに少し浸してから食べる。
口の中にトマトの香りが広がり、そこから野菜炒めを頬張ると、野菜の旨味が溢れてくる。
「そういえば今日、リーネの家に寄ったんだけどさ、なんか王都に行くかもしれないんだって。」
今日あったことを親父に伝える。親父に話せば何かのきっかけになるかもしれないと思ったからだ。
「確か『剣姫』だっけか、詳しいわけじゃあないがすげぇ天職なんだろ、王都のお偉いさんに誘われたってなんの不思議もないな。」
「俺はどうしたいんだろう、リーネに遠くに行ってほしくないって気持ちと、リーネの背中を押すべきだって気持ちがあってなにをするのが正解かわかんないよ。」
リーネと一緒に冒険をしたいという気持ちも、僕なんかよりも勇者様と一緒に旅をした方がいいのではないかという気持ちも本心だった。
「どっちかに絞る必要はないんじゃないか、両方話せばいいじゃないか、決めるのはあくまでデニスんとこの嬢ちゃんだろ、お前は素直に自分の気持ちを言えばいいんだよ。」
やはりこういうときの親父は頼りになる。普段の能天気さとは打って変わって大人の貫禄的なものを感じる。
「わかった…明日リーネに話に行くよ。」
「私も行く!」
アリエも行く気満々だった。僕はアリエの頭を撫でて一緒に行くことを約束した。
それから残りの黒パンを頬張り、僕は食卓を後にした。
ベットに横たわり、明日のことを考える。どんな答えでも笑顔で返せるようにしようと心に決めて、僕は眠りについた。
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