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名も無き英雄の冒険譚  作者: オレオル
修行
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第11.5話

今回は裏話回です

 あたしがアレクの弟子入りを認めた後、アレクは緊張の糸が切れたのか爆睡していたため、あたしは家の外に出ていた。そこは辺り一面が木々で埋め尽くされていて、近くに人里の気配もなかった。あたしは何もないはずの空を見上げ、独り言のように呟いた。


 「そこに居るな、姿を見せろ。出てこないなら今ここでお前をぶっころ……」


 「おいおいおいおい、そんな物騒なこと言うなよなホント。」


 あたしの発言に冗談交じり笑いながら現れたのはアレクと契約した悪魔であるフレイだった。


 「あたしの弟子にいったい何をした。」


 あたしはアレクがフレイとの契約により一時的に膨大な魔力を得ていたことを見抜いていた。


 「そんな固いこと言うなよ、順番的にはこっちが先なんだぜ。」


 フレイがあたしの眼前をふわふわ飛びまわりながら話した。


 「あの時のアレクの魔力は子供が宿していい量じゃなかった、あたしが処置しなかったら魔力器官が壊れていたところだ。いったい契約の代償はなんだ。」


 あのときのアレクは常人のそれを軽く上回るほどの魔力を有していた。契約による魔力の付与は本人にとっての代償の重さに比例する。つまり、少なくとも遊びだったとはいえヴァンテム相手に時間を稼ぐだけの魔力の代償を払ったということ。最悪の場合、アレクの命に直結する可能性がある。私はアレクが一体どのような代償を払ったのかフレイに問い詰めた。


 「そんなに睨むなよ、いい顔が台無しだぜ。まぁ少なくとも命に関わるようなモノじゃないぜ。あいつがオレに払った代償は…………あいつの——————————だ。」


 それは人である以上とても過酷なものだった、人によっては自分が世界から否定されていると感じるだろう。あたしはフレイに怒りをあらわにした。


 「それは子供にはあまりにも酷な代償だ、なぜそれを……」


 ()()を代償とする人間はあたしが知っている限りでも数人しかいない、そして全員ろくな最期を迎えなかった。

 

 「お前も知ってるだろ、オレは相手が一番大切にしているものを代償とすることを。今まで契約してきたやつはほとんどが金や寿命だったが……アイツは面白れぇ、あれを代償にする奴を見るのなんて久しぶりだぜ。しばらくはアイツについて行くぜ、面白いものが見られそうだからな。」


 フレイはアレクについて行くことをあたしに伝える。


 「お前がそんなに興味を持つなんてな、だがアレクにこれ以上手を出すことはあたしが許さない。お前は元居た場所に帰んな。」


 こんな奴がアレクについて行くのはアレクの為にもなりゃしねぇ、今のうちに釘を刺しておかないといけない。あたしはフレイにこれ以上はアレクに近づかないように忠告した。


 「嫌だね、それに契約した以上オレはアイツと共にいる権利があるはずだ。こればっかりは譲れねぇ、せっかく退屈しのぎが見つかったんだ、誰にも邪魔はさせねえ。」


 「あたしがアレクを鍛える以上お前の力を借りることはない、お前は指でもくわえて見てな。」


 あのバカ弟子はとんでもなく厄介なヤツに目を付けられたみたいだな。


 「まぁオレから進んで力を貸すことはしねぇがな、だが最近は物騒な連中が動き出してる、オレの力なしで生き残れるのか見ものだな。」


 そう言い残してフレイは消えた。

 あたしはアレクに自分が持つ全ての技術を叩きこむことに決めた。アレクがフレイの力を借りずに済むよう、そして()()()()のような最期を迎えないように。

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