1-7《これから》
宮野 駆_どの距離にも影響されず8回ほど自身の120%の力を発揮できる。
「それチートじゃーん!」
「だけど、まだ使いきれないですよ。」
龍介と光が互いに目を合わせその理由を求めようとまた駆に目を向ける。
「理由はわかりません。」
駆の声は途轍もなく小さかった。
「恐らくだが、120%って言うのが問題なんじゃないかな。」
「どう言う…」
「筋肉がその力に耐えきれてないんだよ。だけど本来能力と言うのは使えなければおかしいもの。要するに駆が力み過ぎてるんじゃないかな。能力を知っている以上最初の方は使えてたんじゃないかな?」
「確かに最初は使えていました。」
駆の顔がどんどん下に下がるのを見て今まで黙りっぱなしだった光が今度は口を開く。
「行けますよ。」
「ん?」
駆の顔が少し上がったような気がした。
「その能力が使えればあの人たちに勝てるかもしれません。」
「確かにそうだな。俺の見えた未来もそう言うことかもしれん。」
それから3人は学校に着き部室に向かい全員に昨日の事を話した。
《5月2日 放課後 部室/15:30》
ホワイトボードを囲むように椅子が円を描いて並べてある。
そこに座っているのは勿論駅伝部の面々だ。
「5月に入った。」
うんっと全員が同じタイミングで頷く。
「みんなもわかっていると思うがこの月から総体予選が始まる。」
キュッキュッと初日に書いた目標にそのまま付け加えて何かを書く。
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(目標:都大路)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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全国総体…全員出場!!
↑
中国総体…倉敷、世羅、西京のどれかの学校全員に勝つ!!
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広島、安芸総体
ドヤっと全員に顔を向けた後説明をし始める。
「今年はこう言う経過で行こうと思う。ここに書いてある通り夏の総体には全員出てもらうからな。」