貴方は車に轢かれて死にました
目覚めたら俺は、真っ白い所にいた。
本当に真っ白い、遠近感が解らなくなる位だ。
と言うか何処だここはなんだここは。
いやいや落ち着け慌てたって何もいいことはない。
深呼吸だ、深呼吸。
「スーハースーハー。」
うん、落ち着いた。
さて、ここは何処だ、何で俺は今ここにいる?
え~と、記憶を探せ、記憶を探せ。
「確かゲームを買いに、道なき道を進んで…」
そこで俺は思い出す。
「あっ!俺車に轢かれたんだ!」
今思い出すと腹正しい!俺はゲームを買いに行っただけの善良な一般市民だぞ!
「あれっ?じゃあ俺は死んだのか?ひょっとして此所は死後の世界か?」
そう思った時。
「そうですよ。」
女の声が聞こえた、声が聞こえたほうに向くと
「……………」
そこには、髪の長い優しそうな目をした、THE・天使!な女がいた。あ、これなんかの小説で読んだ事あるぞ。
「貴方は車に轢かれて死にました。」
「そうか。」
「えっ!!反応薄っす!!!」
「そうか?」
「はい、そしてさっきと同じ返事です、微妙に違うけど同じ返事です。
なんかもっとこう…なんかないんですか!?」
「なんかってなんだ?」
「なんかって…えと…………あぁもう!!!!」
「どうした?」
「もういいです!説明します!」
なんか唐突にキレた、もともと俺はゲームのこと以外では口数が少ないのだ。死んだ事も…まぁ悔やんではいるが別段未練はない、あるとすればゲームが買えなかった事だけだ。
「貴方は車に轢かれて死にました。
ですので、異世界にいってもらいます。」「は?」
「はい?」
「何で俺が車に轢かれて死んだら異世界に行くんだ。」
「私は知りません、上の判断なので、でも貴方はゲームが好き何でしょう?」
「あぁ、大好きだ。」
て言うか、神に上とか下とかあるんだ。
「貴方が行く世界は、貴方が大好きなゲームのような世界です。」
「あぁ、解ったが、丸腰でそんな危険な所に行かせるのか?」
異世界か…ぜひ行きたいがそんな危険な所に丸腰で行くほど俺は死に急いではない。もう死んでるけどね。
「…貴方適応力凄いですね。」
「そうか?」
「普通いきなり異世界に行くとか言われても誰も信じないですよ。」
「天使が目の前にいるのにか?」
「あ、そりゃそうですよね。」
「で?どうなんだ?」
「あぁはい、今説明しますね。」
「宜しく頼む。」
しかし異世界か…ゲームより面白そうだな。
「じゃあ先ずは貴方のパラメーターを見てみましょうか。」
「パラメーター?」
「はい、パラメーターは自分の能力はどれくらいかを見る事ができる物です。」
「いや、それは知ってるんだがどうやって見るんだ?」
「ちょっと待ってください。え~と。」
言いながら天使は青白く、薄いパネルのような物を操作し始めた。
「え~と、これですね。」
青白いパネルにはこう書いてあった。
名前:春風 明星 種族:人間(仮)
HP:1060
ATK:508
DFC:394
SP:433
MP:2600
発動可能魔法:無し
スキル:体術LV52 気功術LV30 防御LV37 受け身LV40 集中力LV92 ゲームLV77全魔法適性
加護:無し
これは強いのか弱いのか、なんか集中力が異様に高いな、あとゲームって何だ。
天使に聞いてみよう。「おい…」
「は?……え………ちょ、はああああぁぁぁああああ!?!?!?!?」
この反応はどっちなんだ?
「あらたつ、強すぎるれしょ!?」
おぉ強いほうだった、やったー!
「噛みまくってるぞ。」
「いや、そんな事より貴方強すぎでしょう!!!」
「そうか?」
「そうです!」
「普通はどれくらいなんだ?」
「え、あ、はい、普通の人間の成人男性はこのくらいです。」
といって、天使は見せてくれた。
名前 種族人間
ATK:100
DFC:90
SP:50
MP:0、5
発動可能魔法:無し
スキル:無し
加護:無し
「…弱すぎない?」
「貴方が強すぎ何です!一体どうやったら此所まで強くなれるんですか。」
「親父の道場で鍛えさせられていた。」
「貴方のお父さんは怪物ですか!」
「あぁ怪物だった。」
「…そうですか。」
「で?」
「はい?」
「説明を続けてくれよ。」
「あぁはいそうでした。」
「ステータスは…まぁゲーム好きな貴方なら何となく解るでしょう?」
「あぁ、バッチリだ。」
「あ、一つ質問。」
「はい?何でしょう。」
「何で人間の成人男性はこんなにMPがすくないんだ?」
本当に何故だ、俺のMPは2600もあるのに成人男性は0、5、何で小数点が付いているんだ、成人男性が可哀想じゃないか。
「それはですね、人間は魔法を使えないからです。」
「魔法か…。」
「はい、魔法です。
何で貴方がこんなにMPを持っているか解りませんが、人間は基本魔法を使えません、必要がないのです、なのでMPほぼなくなります。」
「成る程。」
必要が無くなれば無くなるのか…、リストラみたいなもんか。
「では話を戻します、さっきいった魔法ですが、貴方は魔法を使いたいです「使いたい!」
「そうですか…。」
「魔法には炎魔法、水魔法、氷魔法、風魔法、雷魔法、土魔法、治療魔法、技術魔法の8種類があります。」「貴方は全ての魔法を使えるようですが、大体5、6種類しか使えません。」
「ほう。」
「貴方は全種類の魔法がいかんなく発動できます。」
「待て、俺のステータスを見る限り、魔法は使えない用だが?」
「大丈夫です、使える魔法がないのは、練習をしていないからです。」
「練習がいるのか。」
「はい、練習がいります。」
「成る程…俺は氷魔法が使いたいな。」
実は俺は魔法が使えたら絶対に使いたいと思っていた魔法があった、それが、氷魔法だ。だって格好いいじゃん!地面ごと敵を凍らせて「凍ってろ。」とかやりたいじゃん。
よし、やっと魔法の説明が終わった。
異世界、楽しみだぜ!