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いってきます。

学校編突入です。

なぜこうなったし…。

「おきてー、ウィル、起きなさい。」


マーガレットの声が聞こえる、俺はそれを無視して更に眠ろうとする。


「おきてー、起きないと魔法ぶちこむわよ?」

「起きてます起きてますとも!」


マジで洒落にならない、死ぬ。

今日は学校だ、スペイドからジークまで結構時間がかかる、ので、まだ外も暗い内から起きないといけない。


歯ブラシっぽい物にバターっぽい物を塗り、それで歯を磨く。


「はぁ…歯みがき粉が恋しい…。」


正直これ(バターっぽい物)は気持ち悪い。


「ハミガキコって何?」

「ぶぉっ!?」


いつの間にか横にローズが来ていた。


「大丈夫?」

「あ、あぁ大丈夫。」

「?」


ローズも歯を磨きに来たようだ。

いつもならローズはまだおねむの時間だ、眠くないのだろうか。


「ローズ、まだ眠くないのか?」


俺はマーガレットの脅しでもうパッチリだ。


「眠いよ、でもお兄ちゃんを見送らないといけないから。」

「……ありがとう。」


ちょっと涙が出そうだった。


さぁ、出発だ、この世界では馬がバスのように使われている。

馬車に乗ろうとした時。


「お兄ちゃん、これ持っていって、ずっと着けてて。」


と、言ってローズは、決していい出来とは言えないが、作った者の気持ちがよく込められていると一目で解るペンダントを渡した。


「それ、深夜にローズが一生懸命作ったのよ。」

「ちょっ、言わないでよ!」「ありがとう、ローズ。」

「あ、頭撫でないで!///」


可愛い。


「じゃあ、いってきます。」

「「「いってらっしゃい。」」」


馬車にのる、後ろでローズが泣いている声がした。


「………。」


俺は、何か変な気持ちになっていた、このまま学校に行きたいような、今すぐ戻ってローズを抱き締めたいような。


「…………。」


気晴らしに、マーガレットが用意した朝ごはんのサンドイッチを食べる。


食べ終わっても、何も変わらない。


何か寂しくなってきた、どうしよう。


「………あっ。」


ローズから貰ったペンダントを握ると、何だかそこにローズがいる気がして、安心した。

いつの間にか、俺の気持ちは晴れていた、早く学校に行きたい。

俺は、このペンダントを肌身放さず身に付けることを決めた。


ーーーー

ーーー


「眩しいな…。」


2時間後、日が出始めた、朝日が眩しい。この馬は相当な早馬だったらしい、もうジークについた。


俺は、金貨2枚をオヤジに渡して、冒険者学校へと向かう。




冒険者学校。

将来は冒険者になりたいと言う子供たちが通う学校、剣士、魔法使い、治療士、なりたい職業は様々だが、冒険者になりたい子供は大体がこの学校に通ってから冒険者になる。

生徒数は現在2376人、新入生を含めればもっとだ。


「では、体育館にてお待ちください、体育館は右に曲がって真っ直ぐ進み、また右に曲がって進み、出入口の先に通路がございますので、そこを真っ直ぐ進んだ先です。」

「ありがとうございます。」


受付のお姉さんの指示に従い、進んでいくと、デカイ、デカイデカイ建物、体育館についた、三回もデカイを使ってしまった。

「まて!」


体育館の入口の兵士?のような格好をしたやつがいた。


「何者だ!」

「新入生のウィル・ホワイティ・リオンです。」

「学生証を見せろ!」

「はい。」


さっき貰った学生証を見せる。


「申し訳ありません、最近この学校に不審者が侵入したと言う報告があったものですから。」

「いえ、しょうがないですよ。」


態度変わりすぎだろ、あと冒険者学校に不審者って。


「では、体育館の横の待ち合い室にてお待ちください。」

「はい。」


体育館の横にうちの家位の大きさの建物があった。


「この中でお待ちください。」

「ありがとうございます。」


中に入ると、いろんな子供がいた。

エルフの少年、髪が紫色の少女、右目は赤、左目は青色の金髪で眼鏡をかけている少年、ん?今見たことある顔があった気が…、あっ、あの時に意味の解らない事を言っていた厨二病野郎!


「お久しぶりです。」


一応声をかけておく、一度会ったしな。


「…人違いじゃないかな?」

「え?」


確かに、よく似ているが眼鏡を掛けているし髪型も違う。


「人違いでした、ごめんなさい。」

「いや、いいよ、それより、同じ1年同士、よろしく。」


と、言って、少年は手を出してきた。


「はい、よろしくお願いします。」


きっちりと握手を交わす。

あ、そう言えば…


「名前はなんと言うのですか?俺はウィル・ホワイティ・リオンです。」

「あぁ、ごめんごめん、名乗り忘れてたね、僕の名前はブラット・アクア」

「格好いい名前ですね。」

「…ありがとう。」


「では、一年生は壇上に上がってください。」



壇上に上がると、2~7年生が体育館にズラッと並んでいた。


『では、一年生の自己紹介です、モブ・ナナシ・デテコナイ君、お願いします。』


ちょっとまて、自己紹介なんて聞いてないぞ、今から考えなければ。


『ブラット・アクア君。』

「はい。」


隣のブラットが呼ばれた、次は俺だ。


「僕の名前はブラット・アクアです、魔術師です、得意な魔法は水魔法で、後衛です。」


『ウィル・ホワイティ・リオン君。』

「はい。」


呼ばれた、とりあえずブラットの真似をしてみる。


「ウィル・ホワイティ・リオンです、魔術師です、得意な魔法は氷で、後衛です。」

なんとか切り抜けた、よかった。


「君、後衛だったんだね。」

「あの、前衛後衛って何ですか?」

「え?知らないの?」

「はい、いきなり放り出されたので。」

「そうなんだ…えっと、前衛は主に剣士や守護士ガードナーがなるんだよ。」

「ガードナーと言うのは?」

「ガードナーは前に出て、味方を大きい盾で守るんだよ。」

「成る程…。」

「で、後衛と言うのは、魔術師や治療士が前衛をサポートするためになるんだよ。」「ありがとうございます。」

「どういたしまして。」


自己紹介が終わった後は、一年生には学校の説明のプリントが配られた、規則や寮のルール等が書いてあった。


「では、生徒会長と副会長のお話です。」

この体育館は端と端にそれぞれステージがある、生徒会長と副生徒会長は俺達とは逆のステージに上がった。

遠くてよく見えにくかったが、生徒会長は赤髪で、ボーイッシュっぽい子、副生徒会長は、黒髪で、髪が長く、スラッとしている、2ともかなり美人だ。

気のせいか副生徒会長が俺を凝視しているように見えた。


『よう!一年坊主どもぉ!俺が生徒会長のバーン・ノヴァだ!』


声がデカイ、俺の予想は当たっていて、ボーイッシュだった。


『俺は一様5年生だぁ!お前らの先輩だ!先輩には敬意を払え!何か質問はあるかぁ!ないなぁ!』


こいつは人の話を聞かないタイプだ、こう言う奴は苦手だ。


『じゃあ、副生徒会長にかわる!』


やっと変わった。


『おはようございます、副生徒会長の、ダイヤモンド・クリスタルです、ダイヤと呼んでください。』


おぉ、こっちはおしとやかだ、良かった、だが、あい変わらず副生徒会長が俺を凝視している気がする。


『あなた方はこれからこの冒険者学校の仲間です、名誉ある冒険者学校に恥じぬような振る舞いを期待しています、何か質問はありますか?』


こっちはちゃんと質問を聞く気があるようだ。


『では、無いようですので、これで終わります。』


『では、一年生は一旦割り当てられた部屋で休んで下さい。』


俺はブラットと一緒に寮の部屋に行く、ブラットと俺は同じ部屋だ。


部屋に入ると、2人の少年がいた。


「私はガロンだ、剣士を目指している。」「俺はジョーカー、魔術師になりたくてこの学校に来たんだ。」

「俺はウィル・ホワイティ・リオンと言います、よろしくお願いします。」

「僕はブラット・アクア、よろしく。」

「アクアと、リオンだな。」

「俺はウィルでいいですよ。」

「僕もブラットでいいよ。」


皆で雑談をする。


「お主らの得意な魔法はなんだ?」

「俺は氷魔法です。」

「俺は炎魔法だな。」

「僕は水魔法だよ。」

「ガロンは魔法使えるの?」

「うむ、雷魔法と土魔法を少しな。」

「雷と土か。」

「だが私はドワーフだからMPが圧倒的に少ないのだ。」

「え?ドワーフってMPが少ないんですか?」

「知らねぇのか?」

「知りませんでした。」

「ちなみにお主らはどのくらい魔法を使えるのだ?」

「俺は治療魔法以外なら使えるぜ!」

「ほう、多いな。」

「僕は水魔法と炎魔法と風魔法だけだよ。」

「おいおい、格好いい組み合わせじゃねぇか。」

「ウィルは?」

「俺は全部です。」

「全部だと!?」

「すげぇな…。」

「え?全部?」


なんだ、ただ珍しいとだけ聞いたんだが。

「全部使えるのはすごく珍しいんだよ。」「そうなんですか。」

「うむ、羨ましい。」


『一年生の食事の時間です、一年生は食堂に集まって下さい。』


副生徒会長の声がした。


「おっ、飯だ!」

「よし、行くか。」


皆で食堂に行く。


俺とブラットはパスタ、ガロンは唐揚げ定食、ジョーカーはカレーだ。

全員量が多い。


「ブラットって意外と食べるんですね。」「お腹空いちゃってさ。」

「ウィルも結構な量だろ。」

「と言うか全員多い事に変わりない。」


なんだかんだ仲良くなっている。


「……?」

「どうしたの?」

「いや、なんか女子がこっち見てヒソヒソしてます。」

「本当だな。」

「なんだよ、人の顔見てヒソヒソと…。」

何だろう、何かしただろうか。

耳をすませて聞いてみる。


「うわー、左の白髪の子可愛いー!」

「私は金髪の眼鏡掛けた子の方が可愛いと思うな。」

「私右の赤髪の人かなー。」

「あのドワーフの人格好いいー。」



「どうやら俺達の顔を見て可愛いー、やら格好いいーやらと言っていますね。」

「ケッ、人を外観だけで判断しやがって。」

「私はそう言うのは好かんな。」

「僕もあんまり好きじゃないな。」

「まぁ、気にしてもしょうがないですね。」

「そうだな。」


『2年の入浴の時間だぁ!とっとと入って糞して寝ろ!!』


最低の放送が聞こえてきた。


「……最低の放送ですね。」

「こっちは食べてるって言うのにね。」

「あれで本当に生徒会長なのかよ。」

「信じられんな。」


「と、油断しているうちに…!」


シュバッとジョーカーがガロンの唐揚げを取る。


「あっ、おい!」

「旨い旨い。」

「勝手に取っちゃだめだよ。」

「そうですよ。」

「お前~!」

「そう怒んなよ、カレーの肉やるから。」「体積が圧倒的に違うだろうが!」

「そうです、ここはご飯とルーを1、5すくい提供するべきです。」

「そう言う問題なの…?」


そんな事をやっていると、何やら女子がキャーキャー言い出した、ウザい事この上ない。


『一年生の食事終了の時間です、一年生は食事を食べ終わったら各自寮に戻って下さい。』


「副生徒会長は静かでいいですよね。」

「クール&ビューティーって言うのかな。」

「まぁ、生徒会長よりはマシだな。」

「まったくだ、大体会長はなぜあんなに声がデカイのだ、夜ぐらい静かにしろ。」


そんな事を話しながら寮に戻る。


「後は寝るだけですかね。」

「いや、まだお風呂があったよ。」

「あぁ、そうでした。」


『一年坊主どもの風呂の時間だ!とっとと入って糞して寝ろ!』


「…またですか。」

「しかもさっきと同じだし。」

「まぁ、さっさと入っちまおうぜ。」

「そうだな。」




「風呂めっちゃ広ぇーじゃん、テンション上がるな。」

「そうですか…?」


俺はこんな裸の男だらけの所に来てもテンションは上がらない。


「露天風呂だぜ!露天風呂!」

「はぁ…。」

「珍しいね。」

「そうなんですか?」

「お主、何にもしらなんだな。」

「はい、どうにも疎くて…。」

「まぁいい、今は風呂に入ろう。」



やっぱり風呂は気持ちいい、今までタオルで拭くだけだったからな。


「ガロンって結構筋肉あるんですね。」

「まぁ剣士だからな、ウィルも結構あるぞ。」

「本当だ!結構あるなぁ」

「父さんに剣術を教えて貰いましたからね。」

「魔術師なのに剣術を習ったのか。」

「はい、体力を付けるために。」

「凄いね、ウィルは。」

「そんなことないですよ。」


『一年生の入浴終了の時間です、一年生はお風呂から上がって、各自部屋で自由時間を過ごしてください。』


「よし、上がるか。」



「いやーいい湯だったなぁ。」「そうですね。」

「そう言えば明日は試験があるらしいな。」

「試験があるんですか?」

「あぁ、この学校の教室はC級、B級、A級、S級に別れていて、一番下はC級、一番上はS級だ、試験はどの階級に入るかを決めるんだそうだ。」

「成る程。」

「ちなみにS級は給料が入るそうだ。」

「え?給料?」

「出来るだけS級に入りたいな。」

「そうですね。」


『一年は寝る時間だぁ!さっさと寝やがれ!!』


「…寝ますか。」

「そうだな。」

「ファ~。」

「おやすみなさい。」

「おやすみ。」

「おやすみ~。」

「おやすみ。」


こうしておれの学校生活一日目は幕を閉じた。

名前:ブラット・アクア 種族:人族 年齢:5歳 LV40


HP:13015

ATK:12212

DFC:9037

SP:11286

MP:5214565


発動可能魔法:炎のファイヤボールLV70 水のウォーターボールLV230 水のウォーターウォールLV205 風のウィンドボールLV70 水と風の玉(ウォーター&ウィンドボール)LV300 炎と水と風の玉(ファイヤ&ウォーター&ウィンドボール)LV370


スキル:蒼いブルーファイヤLV425 取得経験値倍加


加護:無し

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