出撃
辺りに響き渡る、轟音に駐屯地は騒々しくなりある者は武器を取り戦いの準備を初めたり、ある者は関係書類の作成を初めたりと忙しくなった。
「総帥、出撃の準備が整いました。」
「そうか… 今回の出撃する部隊はどれくらいだ?」
「第71戦車聯隊、第4航空機動隊です。兵力としまして、10式戦車 72輛 UHー60J 12機 AHー64DJ 24機等です。」
「そうか、ひとつの町を救出するには十分すぎるな。」
ニホンと名乗るこの国は、異世界において世界を支配する帝国に対し宣戦布告して既に1年余りが経とうとしていた。圧倒的な戦力の前に帝国軍は敗退を余儀なくされていた。
占領された地域の民たちはニホンに対し怒りや反発せず比較的協力的であった。何故ならば、占領地域の民や戦災にあった難民を自国の国民として迎え入れたからである。奴隷として使うことはなく、1国民として扱われていた。その為、仕事を与えられた多くの民衆はニホンに感謝すると共に協力的になっていったのである。
一方で今回の出撃は、とある街が盗賊化した帝国軍に襲撃されようとしていたのでその街にいた帝国の皇帝の次女リコーナ・ドル・オスマインとベルファイン(街のなまえ)の領主、クロナ・リ・ドナークの救援要請によるものである。
「しかし、帝国の姫様が我々に要請するとはな…」
「まぁ、帝国との和平の仲介になってくださるのなら何ら問題はないでしょう。」
「そうだな。とにかく急ごう!樋端航空甲参謀、念のために空軍の第一航空団の一部に戦闘体勢を整えておくように言っておいてくれ!」
「かしこまりました。」
しかし、久しぶりだなあの街に行くのは。やはり、ここと一番の関わりがあるから襲われることが多いなぁー俺はそんなことを思いつつ装備を整えた。
ちなみに、俺の装備は次の通りである。
迷彩服Ⅲ型 半長靴Ⅲ型 88式鉄帽 防弾ベスト 89式小銃 弾倉30×6 9㎜拳銃(P226) 弾倉15×8 その他
俺は、10式戦車3輛と15式機動戦闘車2輛、89式装甲戦闘車改2輛、人員36人を直属の部隊として率いて向かうことになっている。
兵器や弾薬、食糧、燃料等は特殊な装置によって無尽蔵に出すことができるがこの世界においても、弾薬の製造や燃料の精製、兵器の製造も行っている。産業の発展や生活水準を上げるのが、目的である。既に、占領地域からの資源の輸送が始まっており安定した製造が出来るようにはなりつつはあった。
今回の作戦はいつもの領地拡大、解放作戦とは違い、街の救出である。戦いで敗れた帝国軍の一部が盗賊化し、我が国と関係のある領地、街などを襲撃していた。その為、このような救出、救援任務も行っているのである。もちろん、災害時も!
しかし、今回は違っていた。何故ならば、その要請を出したのは帝国の姫様だったからである。通常であれば、要請はしないはず。なのに、要請した理由はただひとつ。帝国からの亡命及び講和の仲介を行うことである。事実、帝国からの亡命者は後を絶たない。更に驚きなのは、姫様の率いている騎士団(女性およそ30人)とその家族がまるまる亡命してきたからことである。
その為今回の作戦には、輸送へリ(CH-47JA)を多数入れている。と、あれこれ考えていると
「総帥、そろそろ出撃の時間です。」
と、渡辺作戦参謀の声がした。既に、予定時刻まで十分となっていた。
「よし、いくか!!」
こうして、ベルファインの救援作戦が始まったのである。