第六話 『休日』
小説本文 俺は、あの一件で重症を負った・・・。
右目は人形にえぐりとられた。でも、かのみさんが「それならぁ~親友の病院にぃ~行けばいいよぉ~」的なことを言っていた・・・期待などしていなかった。するわけがない、むしろ不安でいっぱいだった。久しぶりの休日が出来た・・・その病院とやらにでも行ってみようかな?
「全く・・・どうせ、超能力で治すーとかだろ?」
俺の足取りは重い。まぁ、足に怪我はなく、歩くことが可能だったため、行くことに関しては支障はなかった。それでもまだ頭痛は続く・・・不幸中の幸いってやつ?
かのみさんに書いてもらった、解読に3時間ほどかかった謎の地図を頼りに着いた先は・・・・・。
「なんだぁ、ただの私立病院じゃんか~」
の、横の一般な民家が正解でした!最悪だ・・・・・。
「ホント・・・こんな所が病院な訳・・・・・」
「いらっしゃいですぅ♪」
そこに立っていたのは、ツインテールで、自分の二倍ほどあるようなダボダボのYシャツを着ていて、肌のところどころあらわになっている小さな小さな女の子だった・・・なんの病院だよ!!!
「って、これが病院かぁぁ!!」
「病院ですよ?そして私が院長の神崎美々なのですぅ♪」
全く・・・この付近の女の子は俺のハートを貫くのが上手いな・・・ロリコンであるからにして・・・
「どうしたですぅ?お病気ですか?美々が治すですよぉ!」
「やめろ、美々」
「はひっ!」
いつの間にか現れた謎のスタイル抜群の女性が美々の頭を優しく叩く。次から次へと・・・・。
「ごめんな?美々が・・・こんなことをして・・・」
「あっ、いえ大丈夫ですよ?」
「私が院長である、神崎雅だ。美々の姉だ」
あっ、この人は普通の人そうだな・・・最近俺の周りはおかしな人ばかりだ・・・。
「で、用件はなんだ?病気か?私が治そう」
やっぱり、妹の姉は姉か・・・。それより、右目のことだ。今は眼帯を着けてわからないようにしている。
「あの・・・ちょっとわけがあって右目を失いまして・・・・」
「右目?なんだ・・それだけか・・・せっかくの客だと思ったのに・・・すまない、帰ってくれ」
「はっ?今なんと・・・」
「帰ってくれってか帰れ、例えば・・クライスラー・ビアンカ症候群とか・・・外閉ガムシロップ病とか・・・その付近なら治したのに・・・」
なんだよ!その病気!聞いたこともないわ!ってか最後のなに?ガムシロップ?ふざけるな!
「右目失くしてそれだけって・・・どんな目してんだよ!」
「・・・すまない・・・私の左目は能力持ちで・・・」
「あっ・・・すいません・・・」
ホント失礼なことをした!!俺は、どんだけKYだよ!自分が憎い・・・。
「大丈夫だ、この目のおかげで病院をやっているんだ。この目は『解析透視』という能力でな、そしてこいつは『巻戻し』という能力だ。私が解析し、美々がそれを前の状態へ治す・・・そういうことだ」
「ですぅ♪」
ん?最初の方にした俺の予想が的中だ!景品でも出ないかな・・・。全く・・・全然普通じゃなかったよ・・・・。
「そうですか・・・じゃあ、他のとこあたります・・・・・」
「ちょっと!お前、もしかして綾乃みちるか?」
「えっ?あぁ・・・そうですが・・・」
「やっぱりか、かのみから頼まれていてな・・・さっきは申し訳ないことをした」
「あぁ、いえいえそんなことないですよ?」
そんなことありありだぜ!申し訳なさ過ぎるだろ!!!
「あなたがみちるくんですぅ?かのみ姉のお友達ですか?治すですよぉ♪」
さっきとは態度が豹変だ・・・ってかかのみさんってホント凄いんだな・・・ミオだってなんか頭が上がらないみたいだし・・・この二人も・・・。
「そうだな・・・とりあえず治療しようか」
「ですですぅ♪」
時間かかるのかなぁ・・・ずっと入院していたから、早く終わらせて家に帰りたいのに・・・・。
まっ、手術だし仕方ないか。
「じゃあやるか、美々用意はいいか?」
「いいですよ!」
「みちる、そこから動かないでくれ」
「えっ?まさかここで治療するんですか?」
「当たり前だ、お前なんかを部屋に入れると思うか?」
ひどい扱いだな・・・・・。まぁ、治してくれるんならいいか・・・・。
すると、雅の左目が金色に輝いた・・・・。
「組織までやられてるな・・・出来るか?美々?」
「当たり前ですよぉ♪前の状態に戻すですよ!」
美々の小さな柔らかい手が俺の右目に触れる・・・・。最高だ・・・・。
そんな幸福に浸っていると、雅さんが睨んできたので正気に戻った。
「ん~・・・・はい!治ったですよ!最速タイムですぅ♪」
「いや・・・この前より0.2秒遅かった」
「それは、雅の数えミスですぅ!美々は速かったですよ?」
そんなんのために患者を使ってるのか・・・って、あれ?右目が見えるようになっている・・・。
これが、美々の能力か・・・・・・。
「あっ・・・治ってる・・・・」
「ああ、もうお前が怪我をする前の状態にまで戻っているぞ」
「ありがとうございます・・・あの・・・治療費は・・・」
「そうだな、大体130万円ほどかな?ホントのところはもうちょっと上がるが・・・」
「ちょちょちょちょ!ちょっと待ったぁぁぁ!!!高校生がそんな大金払えるか!!」
「もう・・・最後まで話を聞け、それぐらいだがかのみに頼まれてな、お前は払わなくていいぞ」
「ホ、ホントですか・・・・・・」
「感謝するですよ?美々のおかげなのですから!」
そうか・・・この人達はホントに凄い人達なんだな・・・でも世の中にはまだ世間に知られていない能力者がたくさんいるんだもんな・・・これと同じぐらい凄い能力者がいるのか・・・・・。
かのみさんの親友だし、たまに顔を出すのもいいかもな・・・・・。
「あっ、あと一つ、怪我をしたとき以外はこなくていいぞ」
絶対もういってやらんからな!!!
こうして・・・俺の大事な休日がいとも簡単に過ぎてしまった・・・・・。
新キャラ登場しました♪
このキャラ・・・重要ヵモ・・・・