第二話 『初めての運命』
俺は親がいない・・・昔亡くなった親・・・。
俺はちょっと、自分の部屋を掃除しようかという気になった。
「俺の部屋ってこんなに汚かったっけな?」
適当に捨てる物、残す物を分けていると、一通の封筒を見つけた。恐らく、袴黄泉家のものだろうと思いながらも封筒を開いた・・・・。
「えっ・・・・?」
そこにあったのはみちるが遊園地にいったであろうときの写真、そしてその両隣には多分、みちるの親であろう人が写っていた。みちるは親への記憶がない・・・全て親戚であった妃菜の親の方達から教えてもらったことしかわからない・・・・。
写真と一緒に手紙が入っていた。
〔みちるへ、多分、みちるがこの手紙を読んでいるときにはもう私達はいないと思う。袴黄泉さんのとこでいい子にしてる?みちるなら出来るわよね?だって私の子だもん。ごめんね・・・勝手に死んじゃって・・・でもね、この真実をいつか知るときがあると思うの。そのときまでお願いね・・・〕
なんだよこの手紙?記憶もないのになに言ってんだよ・・・で、なんで涙が出るんだよ・・・。
涙で、手紙がにじむ・・・・濡れたことによって二枚重なっていることに気づいた。長い時間をかけてくっついたんだろう・・・・・。
「ん?なんだこれ・・・?」
そこには、謎の住所が書かれていた。なんのメッセージも無しに・・・ただ住所だけが・・・・。
「なんなんだ・・・この住所?見覚えないなぁ・・・・・?もしかして、行けってことか?」
どうすればいいか、自問自答していたときに、勢いよく部屋の扉が開いた。
「みちるちゃん!お掃除してんだって?妃菜も手伝うよ~!もしかして、隠し場所かえるの?たしかに、ベットの下なんてベタだもんね~その証拠に私が見つけたもんね~♪」
俺は、なぜか本能的に住所の書かれた紙を背中に隠した。なんか、ばれたらめんどくさいことになりそうだしな・・・・・。
「お前は前からそれしか頭にないのか?ってかなんで探したんだよ!ってかノックぐらいしろよな!」
「グスッ・・・みちるちゃんが・・・怒った・・・」
「ああ!ごめん!泣くな泣くな!女の泣き顔が弱点なんだ!」
「ホント!?やったぁ!弱点み~っけ!」
こ、こいつ・・・可愛い顔して演技派か・・・・・!なんか、勝手に一人ではしゃいでいる妃菜を無視してみちるは掃除を続けた・・・・・・。
次の日、土曜日だ・・・学校はない・・・。
暇だなぁ・・・妃菜は友達と遊んでるし、袴黄泉家の方達は仕事だ・・・・・。
どうしようか・・・と悩んでいるとき・・・ポケットから雑に折りたたまれた一枚の紙が出てきた。
「あ、謎の住所か・・・・・・そうだな・・暇だし・・・行ってみるか・・・・」
シャワーを浴びて、適当に身支度を整えた。こんなもんでいいか・・・・それよりも、以外にこの住所近いんだな・・・・・。
今日は天気が良い、だから自転車で行くことにした・・・風が心地いいなぁ・・・そんなどっかのCMかと思わせるほど普通のことを思いながら、その住所に着いた・・・。
「えっ・・・?なにこの普通さ・・・・・」
俺はもっとオバケ屋敷みたいなところとか、超豪邸とか!そんな超アニメみたいなことを望んでいた・・・のに、この有り様・・・普通のビルが立っていた・・・その最上階のところが住所に書いてあったものだ・・・・・・。
「なにここ・・・世界秩序整形クラブ かのみ・・?」
半信半疑で扉をノックした・・・あっ!俺は妃菜とは違ってノックするよ?
なにも言わずにゆっくりと時を刻むように扉が開く・・・開く・・・開く・・・って、遅過ぎだろ!!!なんてツッコミを入れてる間にようやく扉が開いた。
「はぁ~い・・・なんですかぁ?お客様ぁ?どおもぉ~・・・・」
「え~っと、そんな所ですかね・・・(俺と同じだ、眠いのか・・・)」
「どぞぉ~入ってくださぁい」
部屋に入ると、ここは、ホントに事務所?的なことを思うほど書類やらが散らかっていた・・・・。
「はぁ~い、こちら世界秩序整形クラブ かのみ、通称秩序のかみの会の会長である、心斬かのみでぇ~す♪よろしくねぇ~」
「はぁ・・・え~僕の名前は彩乃みちる・・・です・・」
「うん!入会おめでとみちる君!かのみ姉さんでいいよぉ?」
「えっ?えっ?入会ってどういう意味ですか?このみさん!」
「自己紹介したってことは入会って意味だよぉ~あとかのみだよぉ~!怒っちゃうぞぉ!」
「ごめんなさい・・・って!そんな勝手な・・・」
「でも入会は入会だもん~ごめんねぇ~」
一人で喜ぶかのみさんをほっといて、ハァ・・なんでこんなことに・・・・・。
これも・・・運命なのだろうか・・・・・。
「あっ!あとぉ~この会はぁ~世界の秩序を乱す者を見つけてぇ~痛めつけて楽しむ会だよぉ~」
うん!こんな会三秒で抜けてやる!!
ついに秩序のかみの会について触れてきました!!
これからの展開楽しみにしてください~♪