第十一話 『再会 ~前編~』
「はぁぁぁぁ!!!」
「フッ・・・甘いな・・・」
殴りかかる・・・かわされる・・・殴られる・・・当たる・・・。さっきからこれの繰り返しだ・・。
まさかとは思ったが、この二人が敵だったなんて・・・いや、もしかすると・・これは策略だったのかもしれない・・・この二人の、それか、別の裏幕の・・・・。
「つ、強いですね・・・・・」
「さぁな?お前が弱いだけかもなぁ?」
っていうか、まるで俺の攻撃を見切っているかのように動いてる。俺の攻撃終了時に隙が出来るところに回り込む・・・。いや、もしかして見切っている「かのように」ではなく「見切っている」の間違いかもしれない。
「でも・・・負けられないんです!!」
「うるさい小僧だ・・・・」
まただ・・・。わかった、多分、いや絶対に、神崎雅の能力「解析透視」の能力で、俺の筋肉の動き・・・関節の角度・・・そういうところを解析し、どこにどうどのぐらいの攻撃がくるのかというのを読んでいるんだ・・・。勝ち目は・・・ないかもな・・・。
「いい・・・能力ですね・・・雅さん・・」
「ほぉ・・さすがだな、気づいたのか・・・それなら漆黒の輪の力でも使えばいいんじゃないか?」
「それは出来ませんね・・・かのみさんの友達ですしね・・・それに男としてプライドが・・・・ぐあっ!」
「だまれ・・・私たちは敵だぞ?それにお前の攻撃なぞ、くらうわけがない」
あっそういえば、美々の方はどうしてるんだ・・・さっきから見当たらない。
「美々がいない・・・みたいな顔をしているな・・・あいつならいるぞ?お前の後ろに・・」
「いるですよ?♪」
俺は衝動的に後ろにエルボーを振るってしまう・・・。やってしまった、あんな小さい子があんなのくらったら、大変なことだ・・・・。
「あっ!美々!!」
「どうしたです?当たってないですよ?」
美々の声が遠く聞こえる・・・。くっ・・そうか・・巻戻しの能力で移動したのか・・・厄介な能力だ・・・・。
美々が雅の隣に並ぶ。
「さぁ・・どうする?みちる君?」
「成す術なしだねぇ♪」
「冷静になりましょう・・・二人とも・・こんなこと・・したって意味ないですよ・・誰から命令されたんですか・・・今すぐ・・やめましょう・・・」
「むかつくやつだ!そんなに死に急ぐか!」
勝てっこない・・・ここは・・・傷を最小限に抑えて逃げる他ないな・・・・。
「戦うつもりはないんだな?フッ・・・じゃあいいさ逃げればいい・・・。でもお前には探している人がいるだろう?」
「ッッッッ!?まさか!お前ら!!」
「いまどうしてるかねぇ・・?」
俺は衝動的に呪文を唱えてしまった・・・。二つの剣が現れる・・・。やばい・・感情が前に出過ぎだな・・・・。
「やめろ・・それ以上話すな・・・俺は・・俺は・・過ちを犯してしまう・・・」
「殺すっての?出来るの?やってみてですよ♪」
「だ、だまれ!!!」
一歩目で二人に迫った・・・。心は全力で身体の動きを止めているのだが、本体は言うことを聞かないらしい。双剣を振るった・・・・。
「ぬるい攻撃だな・・・・」
「はぁぁぁぁ!!」
全てかわされる・・・それでもいい・・・少しでもこの気持ちが満足するなら・・・・。
「今頃こんなこと言ってたりしてなぁ?助けてぇ~みちるん~ってなぁ!」
俺はこの気持ちを満足させることは出来ないだろう・・「殺戮に変える」までは・・・・。
「・・・・ぐあぁぁぁぁぁ!!!」
「な、なんなんだ!急に気でも狂ったか!?」
すでにもう自分の腹部に剣を突き刺していた。ダメだ・・・もう一つの能力が発動したようだ・・・この煮えたぎるような感覚・・・神の堕落が・・・・。
「さぁ!血の海に変えてやるよ!クズどもがぁ!!」
「な、なんだ・・・」
もう・・・取り返しのつかないことになった・・・。
ついに二人の正体がわかりましたよ!!
今回は書ききれないので分けました。