6話 下校と帰宅
下校時間とは言え、日が高く明るい季節。
金髪ハーフツインの女の子と銀髪セミロングで後ろ髪をちょっと結んだ女の子が並んで歩いている。
金髪ハーフツインの女の子、宇ノ中さんが話し始める。
「こうやって一緒に帰っていると、女子高生って感じがするよね〜」
銀髪セミロングの女の子、伊勢川さんが口を開く。
「宇ノ中さんは私と違って元気で明るいし」
「一緒に帰ってくれる友達とかすぐに作れるんじゃないの」
「いや〜」
「私、クラス内だとなんかこう」
「よそよそしくなっちゃうんだよね〜」
宇ノ中さんが腕組みして唸りながら喋る。
「へぇ、以外かも」
伊勢川さんが答える。
「だって」
「宇宙人ってバレない様に気を使って喋らないとって」
「そう思いながら話したらなんだか堅苦しい感じになるらしくて」
宇ノ中さんが眉間にシワを寄せながら話す。
「こう見えても私、人見知りだから!」
胸を張って元気に喋る宇ノ中さん。
「いや、それ人見知りがする言動では無いと思う」
「私と普通に話せているし」
伊勢川さんが軽くツッコむ。
「伊勢川さんも言っていたけれど、なんだか」
「伊勢川さんは私と同じ感じがするから話しやすいんだよね〜」
そう言って伊勢川さんに笑いかける宇ノ中さん。
「そう、なんだ」
ちょっぴり照れくさそうに話す伊勢川さん
「でも私は宇宙人じゃ無いし」
伊勢川さんは前を見ながら話す。
「エイリアンって知ってる?」
宇ノ中さんが伊勢川さんに問いかける。
「映画とかで出てくる宇宙人の事だよね」
「作品自体は観たこと無いけれど文献とかで読んだ事はある」
伊勢川さんは横目で宇ノ中さんを見ながら話す。
「エイリアンって元々、異邦人って意味らしくて」
「別の場所とかから来た人って事なんだって」
宇ノ中さんはそう言って、伊勢川さんを見つめる。
「だから」
「伊勢川さんもエイリアン(異邦人)なのだ!」
「だから、私と同じっ!」
伊勢川さんに向かって満面の笑みで話す宇ノ中さん。
「……なんだか暴論だけれども」
「……そういうの、嫌いじゃない」
ちょっと照れくさそうに前を見て話す伊勢川さん。
そんな話をしながら高校近くにある古墳のある公園を過ぎた辺りで商店街が見えてくる。
「新しく引っ越した家はこの辺りなんだけれど」
「伊勢川さんの家もこの近く?」
歩きながら宇ノ中さんが問いかける。
「うん、そこを曲がった所」
そう言って曲がり角を指差す伊勢川さん。
「お、私もそこ曲がるよ」
「結構近いかもね、お家」
嬉しそうに話す宇ノ中さん。
曲がり角を曲がり、しばらく歩くと宇ノ中さんが駆け出す。
「じゃ~ん」
「ここが私の家です」
そう言って指差したのは
「空き地?」
それを見た伊勢川さんが驚く。
「あれ、伊勢川さんには認識出来る?」
宇ノ中さんが不思議な事を言う。
「そこは確か空き地だったはず……」
伊勢川さんがそう言いながら近づくと
「宇宙船!」
空き地に宇宙船が着陸している。
それは宇ノ中さんの送り迎えをしていた軽自動車程の大きさのUFOでは無く、直径50メートルはある大型のUFOが着陸している。
「……こんな町中に思いっきり着陸していて」
「大丈夫なの?」
伊勢川さんが心配そうに問いかける。
「一応認識阻害機能ってのを使っていて」
「普通の一軒家に見えているはずなんだけれど」
「見えているなんて流石、伊勢川さんだね〜」
ちょっと嬉しそうに話す宇ノ中さん。
「……まぁ、そう言う事なら」
「きっと大丈夫なんだろうけど」
説明されても少し心配そうな伊勢川さん。
「伊勢川さんのお家もこの近く?」
宇ノ中さんがそう問いかける。
「ぁ、うん」
「ここから3軒ぐらい先かな」
伊勢川さんは通りの先を指差す。
「ぉー、ご近所さんじゃないですか〜」
満面の笑みで話す宇ノ中さん。
「せっかくだから、見てみたい」
「伊勢川さんのお家」
そう言って自分の家に帰らず伊勢川さんに近づく宇ノ中さん。
「……まぁ、いいけど」
やっぱり照れくさそうな宇ノ中さん。
数軒程歩くと伊勢川さんが歩みを止め指差す。
「ここ」
その場所を宇ノ中さんが見てみると。
「扉」
「……扉しかないよ」
宇ノ中さんが伊勢川さんを見て問いかける。
その場所には宇ノ中さんの家と同様に、空き地があり手前には家の玄関らしき扉だけが建っていた。
「……」
「まぁ、同じってことなのかな」
伊勢川さんが前を見ながらつぶやく。
カチャ
伊勢川さんが空き地にある扉を開ける。
すると何もない空き地の筈なのに、扉の奥には家の内装が見える。
「どういう事!?」
宇ノ中さんが驚いて質問する。
「えと、この扉が異空間と繋がっていて」
「ここの先が私の家」
「普通の人には一軒家がある様に見えている筈たけど」
「まぁ宇ノ中さんにはバレるか」
伊勢川さんが宇ノ中さんを見てそう話す。
「なるほど〜」
「なんだか良くわからないが」
「うちと一緒か!」
宇ノ中さんが謎に納得する。
「じゃあ」
「また明日」
そう言って伊勢川さんは手を振る。
「うん」
「また明日〜」
元気に手を振り、自宅の宇宙船に宇ノ中さんは帰っていった。




