4話 お弁当と飲み物
そよ風が優しい季節の学校の中庭。
お昼ご飯の時間にランチをしている宇ノ中さんと伊勢川さん。
「そういえば、宇宙人だってこと私にバレてまずかったんじゃ」
伊勢川さんが少し心配そうに話す。
「あ〜、地球人にはなるべくバレないようにとは言われていたけれど」
「大丈夫!伊勢川さんは異世界人だから、地球人じゃないからセーフ!」
宇ノ中さんは自信満々に謎理論を話す。
「ふふっ」
そんな宇ノ中さんを見て伊勢川さんは微笑む。
「伊勢川さんの方は大丈夫なの?」
「私に異世界人ってバラしちゃったけれど」
宇ノ中さんが伊勢川さんに問いかける。
「私みたいにUFOとか見られた訳じゃないから」
「言わなきゃバレなかったんじゃ」
宇ノ中さんが伊勢川さんのカミングアウトに心配する。
「宇ノ中さんが、自分が宇宙人だって言ってくれたから」
「私もちゃんと言わないとズルいと思って」
伊勢川さんは前を見て静かに話す。
「こういうのってバレたらまずいんじゃ?」
宇ノ中さんが伊勢川さんを心配そうに見て話す。
「まぁ、不味いといえばまずいけれども」
「宇ノ中さんには隠し事とかしたくなかったから」
伊勢川さんは前を向きながら、照れくさそうに宇ノ中さんの方をチラ見する。
「それに」
伊勢川さんが続けて話す。
「宇ノ中さん理論だと、異世界人って宇宙人にならバレても大丈夫」
そう言って伊勢川さんが微笑む。
「にひっ」
そう言って宇ノ中さんも微笑む。
宇ノ中さんはマヨビーム焼きそばとタコさんウインナー。
伊勢川さんは暗黒物質あんこ弁当を食べ進める。
「うーん、美味しい」
「宇宙人の乗り物と言えば焼きそばだよね~」
宇ノ中さんが笑顔で話す。
「乗り物?」
伊勢川さんが宇ノ中さんに問いかける。
「なんだかそう言う焼きそばがあるらしいよ〜モグモグ」
宇ノ中さんが食べながら喋る。
「そうなんだ」
伊勢川さんが手に持ったお汁粉缶を飲みながら答える。
「うっ、モゴモゴ」
「ぁ、ヤバい飲み物忘れた」
宇ノ中さんがちょっぴり慌てて伊勢川さんに問いかける
「なんか飲み物無い〜?」
伊勢川さんは飲んでいる途中のお汁粉缶を見るが、流石に飲みかけはまずいかという顔をする。
「これならあるけれど」
伊勢川さんがアイテムボックスから飲み物を取り出し、宇ノ中さんに手渡す。
「ありがと〜」
そう言って宇ノ中さんは受け取り、ゴクゴクと飲む。
「ぷふぁ〜」
「美味しいね、なんだろうこの飲み物」
宇ノ中さんはガラス瓶に入った青色の飲み物を見つめる。
「それはね」
「ポーション」
伊勢川さんがそう答えた。
「ポーション!」
「あのファンタジーなやつだ!」
透明なガラスの容器に入った青色の液体を見て驚く宇ノ中さん。
「ぉお~、なんだか元気になった気がする~」
いつも元気な宇ノ中さんがいつもより元気に喋る。
「ぁ、でもポーションって貴重なんでしょ」
そう言って伊勢川さんを見る。
「それはエリクサーやエクスポーションとかじゃなくて普通のポーション」
「そんなに貴重ではないから」
冷静に答える伊勢川さん。
「そなんだ」
「でも、ありがとう伊勢川さん」
宇ノ中さんは満面の笑みでそう言った。
「どういたまして」
ちょっと照れくさそうに前を見て答えた伊勢川さん。
今日も平和にお昼が過ぎてゆく。




