3話 お昼とランチ
キーン コーン、カーン コーン
何時ものように鐘が鳴る。
今はお昼時、生徒が思い思いにお昼ご飯を食べるランチタイム。
教室でお弁当を食べる生徒もいれば、購買でお昼ご飯を買いに行く生徒もいる。
金髪ハーフツインの宇ノ中さんは中庭に向かう。
中庭のベンチには銀髪でセミロングの伊勢川さんが居る。
宇ノ中さんは伊勢川さんと同じベンチに座り話し始める。
「伊勢川さんと一緒にお昼ご飯だ〜」
「嬉しそうだね」
伊勢川さんが前を見ながら話す。
「うん、嬉しい」
そう言って伊勢川さんに笑いかける。
「そなんだ」
ちょっぴり照れくさそうに話す伊勢川さん。
「やっぱり女子高生と言えば、友達とお昼ご飯にランチだよ〜」
宇ノ中さんが楽しそうに話す。
「お昼ご飯とランチは同じ意味だけどね」
宇ノ中さんを横目で見ながらツッコミを入れる。
「そっか〜」
そう言いながらも宇ノ中さんは嬉しそうだ。
「でも伊勢川さんと食べるお昼ご飯は、ランチって感じだなぁ〜」
口元に指を当てて話す宇ノ中さん。
「だって」
「なんだか特別な感じがしちゃう」
そう言って伊勢川さんを見る。
「そう、なんだ」
やっぱり照れくさそうに話す伊勢川さん。
「にひっ」
宇ノ中さんが満面の笑みで話す。
「そう言えば伊勢川さん、授業時間以外はすぐどこか行っちゃうじゃん」
そう言って伊勢川さんを見る宇ノ中さん。
「えと」
「私達の会話」
「教室内じゃとても話せないし」
伊勢川さんは前を見ながら横目で宇ノ中さんを見る。
「確かに〜」
宇ノ中さんが激しく同意する。
「「だって私達」」
宇ノ中さん「宇宙人だし」
伊勢川さん「異世界人だし」
二人が声を合わせる。
「宇宙人でもお弁当は普通なんだね」
伊勢川さんは宇ノ中さんのお弁当を見ながらそう言った。
「フッフッフ、そうでもないんだな」
「じゃ〜ん」
お弁当を見せつける様に宇ノ中さんは叫ぶ。
一見普通に見えるお弁当を見て、伊勢川さんは宇ノ中さんを見る。
「見てみて、これ」
「タコさん宇宙人ウインナー!!」
宇ノ中さんが嬉しそうに話す。
「ぁ〜、なるほど」
伊勢川さんが腑に落ちる。
「宇宙人のお弁当と言えば、やっぱりこれでしょ」
宇ノ中さんが嬉しそうにタコさんウインナーの入ったお弁当箱を見つめる。
「……さらに」
そう言って宇ノ中さんは亜空間収納から光線銃らしき物を取り出す。
「光線銃なんて取り出して」
「ウインナーを丸焼きにでもするつもり?」
伊勢川さんが少し驚いて問いかける。
「フッフッフ、これはね」
「こうするのだ!」
宇ノ中さんは手に持った光線銃らしき物を、自分のお弁当に向けて引き金を引く。
ビビビビ〜ム
光線銃らしき物から出たものが宇ノ中さんのお弁当にかかる。
「よし」
宇ノ中さんは満足気に伊勢川さんに自分のお弁当を見せつける。
「……こ、これは」
「マヨネーズ?」
伊勢川さんが宇ノ中さんのお弁当にかけられた物を見て答える。
「そう、この光線銃」
「マヨビームにもなるのだ!」
自信満々に話す宇ノ中さん。
宇ノ中さんのお弁当にはタコさんウインナーの他に焼きそばも入っており、その焼きそばにマヨネーズをかけたのだ。
「色々と便利?な光線銃だね」
伊勢川さんが少々腑に落ちない顔で話す。
「ニヒっ」
それに答える様に宇ノ中さんが微笑む。
「じゃあ私も」
そう言って伊勢川さんもお弁当箱を開ける。
「……」
「……ダークマター?」
伊勢川さんのお弁当を見た宇ノ中さんがつぶやく。
伊勢川さんのお弁当箱には確かに黒っぽい物がみっちり詰まっていた。
「これは……」
「あんこ」
珍しく伊勢川さんが嬉しそうに話す。
「あんこ?」
宇ノ中さんが聞き返す。
「うん♡」
伊勢川さんが笑顔で返事する。
「一面あんこなんだね」
一見真っ黒に見えるお弁当箱を見て宇ノ中さんがつぶやく。
「これはね〜」
伊勢川さんが聞いてもいないのに説明を始める。
「赤福と」
「御福餅と」
「おはぎと」
「ぼたもちと」
「あんころ餅」
満面の笑みで宇ノ中さんに話す伊勢川さん。
「同じ様にしか見えないけれど何か違うの?」
宇ノ中さんが質問すると
「全部違うよ」
「これは甘みが鮮明で」
「これは優しい甘みでさっぱりしていて」
「これは中が半殺しで食感を楽しめて」
「これは全殺しでモッチリ感を味わえて」
「これは粒あんの良さが前面に出ていて」
伊勢川さんは普段見ない早口で説明する。
「ほぇ〜、詳しいね伊勢川さん」
宇ノ中さんが素直に感心する。
「あんこの事なら任せて」
珍しく伊勢川さんがドヤ顔する。
「そっか、あんこ大好きなんだね」
宇ノ中さんは伊勢川さんに微笑む。
「ぁ、ごめん私ばっかり喋って」
ちょっぴり暴走気味な自分に気づいた伊勢川さんが照れて謝る。
「いやー、説明している伊勢川さんは生き生きしていたから問題ナッシングだよ〜」
「あはは〜」
親指を立てて微笑む宇ノ中さん。
「ふふっ」
それを見て微笑み返す伊勢川さん
「よし、それじゃあ」
「「いただきます」」
二人のランチが始まった。




