26話 ドラゴンとブドウ
サワサワ
そよ風が優しい季節の学校の中庭。
お昼ご飯の時間に中庭のベンチでランチをしている宇ノ中さんと伊勢川さん。
モグモグと麺・イン・ブラックを食べる宇ノ中さん。
モグモグとあんドーナツを食べる伊勢川さん。
「ぁ〜、美味しかった」
「さてと……」
ひとしきり食べ終えた後、宇ノ中さんはもう一つ箱を取り出す。
「……それは?」
その箱を見て伊勢川さんが問いかける。
「これはね〜」
「デザート!」
伊勢川さんに微笑みながら宇ノ中さんは話す。
「ほぅ」
「実は私も」
あんドーナツを食べ終えた伊勢川さんも小さなお弁当箱を取り出す。
「デザートタイムだね」
伊勢川さんと一緒にデザート食べられる嬉しさでウキウキの宇ノ中さん。
「私のデザートはね……」
「UFOなんだ!」
ニヤニヤしながら伊勢川さんに話す宇ノ中さん。
「デザートにUFO?」
伊勢川さんが不思議そうな顔をして問い返す。
「そうなのだ!」
そう言って宇ノ中さんはお弁当箱を開けると、
「ブドウ?」
箱の中身を見て伊勢川さんが宇ノ中さんを見る。
「ただのブドウじゃないよ!」
「これはなんと……」
宇ノ中さんは溜めて話す。
「雄宝!」
自信満々に伊勢川さんに見せる宇ノ中さん。
「ゆーほー?」
そのブドウを見ながら宇ノ中さんに答える伊勢川さん。
「そう!」
「珍しい大粒ブドウなのだ!」
ブドウに驚く伊勢川さんを見て嬉しそうな宇ノ中さん。
「へぇ~」
珍しい大粒ブドウに感心する伊勢川さん。
「伊勢川さんのデザートは何?」
伊勢川さんのデザートに興味津々な宇ノ中さん。
「私のデザートはね……」
「……ドラゴン」
伊勢川さんも宇ノ中さんを真似て溜めて話す。
「ドラゴン!?」
「しかもデザート?」
嬉しそうに驚く宇ノ中さん。
「めっちゃ異世界っぽい!」
「どんなドラゴンだろう!」
宇ノ中さんがワクワクしながら伊勢川さんを見つめる。
「答えは……」
「ドラゴンフルーツでした」
そう言って箱の中のフルーツを見せる伊勢川さん。
「ほぇ〜」
「不思議なフルーツだ」
「これは異世界のフルーツ?」
宇ノ中さんは伊勢川さんを見ながら問いかける。
「いや、こっちの世界の南国に普通にあるやつ」
宇ノ中さんの問いに冷静に答える伊勢川さん。
「こんなのがあるんだ」
「なんだか異世界っぽいけど」
伊勢川さんのデザートに感心する宇ノ中さん。
「だよね」
ちょっぴり伊勢川さんも異世界フルーツっぽいなと思っていた。
「それじゃ、デザート」
「いただきますか」
そう言って宇ノ中さんと伊勢川さんはデザートタイムに入る。
「うーん、大粒ブドウ、美味しい」
嬉しそうにブドウを食べる宇ノ中さん。
「ドラゴンも美味しい」
ドラゴンフルーツを食べる伊勢川さん。
伊勢川さんのドラゴンフルーツをじっと見つめる宇ノ中さんに気付く伊勢川さん。
「……宇ノ中さんも食べる?」
「うん」
「じゃあ、伊勢川さんにも」
「ブドウどうぞ!」
嬉しそうに話し、伊勢川さんとデザートの交換をする宇ノ中さん。
「大粒ブドウの雄宝、美味しい」
宇ノ中さんから貰ったブドウを食べる伊勢川さん。
「へぇ~、ドラゴンってこんな味なんだ〜」
「美味しい〜」
伊勢川さんから貰ったドラゴンフルーツを食べる宇ノ中さん。
「ふふっ」
それを見て伊勢川さんも笑う。
「ニヒっ」
宇ノ中さんも嬉しそうに笑う。
二人共笑い合い、いつものお昼の時間が過ぎてゆく。




