24話 からあげとレモン
ガヤガヤ
授業が終わりみんなが思い思いに帰宅してゆくそんな中、静かな中庭のベンチで談笑する宇ノ中さんと伊勢川さん。
危うく今川焼きで戦争が起きそうな所を、UFO焼きとベイクドモチョチョで回避した宇ノ中さんと伊勢川さん。
「いやぁ〜、地球って色々大変なんだねぇ」
宇ノ中さんは冷や汗をかきながら伊勢川さんに話す。
「うん」
「ちょっとしたことで」
「争いは起きてしまう」
前を向きながら真面目な顔で話す伊勢川さん。
「争いと言えば……」
再び真剣な顔になり、宇ノ中さんが話し始める。
「からあげ!」
そう言って伊勢川さんを見つめる宇ノ中さん。
「……それも、戦争案件だね」
前を見たまま横目で宇ノ中さんをチラ見する伊勢川さん。
「……うん」
深刻な顔で答える宇ノ中さん。
「宇ノ中さんはもちろん……アレ?」
伊勢川さんは宇ノ中さんを見ながら話す。
「そうだね」
「マヨネーズ!」
そう言って光線銃を取り出し構える宇ノ中さん。
「マヨネーズは……っと」
出した光線銃をしまいながら携帯で調べる宇ノ中さん。
「エネルギッシュで行動力がある、だって」
宇ノ中さんは伊勢川さんを見ながら話す。
「そんな診断もあるんだ」
伊勢川さんは感心しながら宇ノ中さんに返事する。
「うん」
「あとね」
「レモンとか、塩コショウは定番かな」
調べながら宇ノ中さんは伊勢川さんに説明する。
「そうだね」
そんな宇ノ中さんに相槌を打つ伊勢川さん。
「他にはタルタルソースや、ポン酢、ウスターソース」
「渋い所だと柚子胡椒やマスタードなんてのもある」
「チキンナゲット扱いだとケチャップもあるかな」
宇ノ中さんは伊勢川さんを見ながら話す。
「へぇ~」
「結構色々あるんだね」
宇ノ中さんの説明に感心する伊勢川さん。
「ちなみに」
「伊勢川さんはからあげに何かける?」
興味津々に伊勢川さんに問いかける宇ノ中さん。
「……私は」
「……私は?」
溜めて話す伊勢川さんに食いつく宇ノ中さん。
「あんこ」
宇ノ中さんにドヤ顔で答える伊勢川さん。
「あんこ!」
ちょっぴり予想はしていたものの、出た答えに少々驚く宇ノ中さん。
「……あんこ?」
味のイメージがおぼつかない宇ノ中さん。
「からあげにあんこ、さらに生クリームというグルメが存在するから」
何か勝ち誇った顔をしながら宇ノ中さんに話す伊勢川さん。
「まじか〜!」
早速調べる宇ノ中さん。
「……本当にある!」
その検索結果に驚く宇ノ中さん。
「フッフッフッ」
再びドヤ顔で宇ノ中さんに話す伊勢川さん。
「これは、美味しい……よね」
宇ノ中さんがそっと伊勢川さんに問いかける。
「揚げ物とあんこは合う!」
宇ノ中さんに向かって自信満々に話す伊勢川さん。
「確かに……」
伊勢川さんの説得力に納得する宇ノ中さん。
「まぁ、からあげスイーツというジャンルになるらしいけれどね」
前を向きながら補足説明をする伊勢川さん。
「なるほどね、スイーツなのか」
伊勢川さんの説明を聞いて腑に落ちる宇ノ中さん。
「それで、からあげにあんこの性格診断は……」
「そんなん無いわ〜!」
つい関西弁でツッコんでしまう宇ノ中さん。
「まぁ、性格診断というか」
「あんこは伊勢川さんっぽい!ニヒヒ」
お得意の謎理論により笑って話をまとめようとする宇ノ中さん。
「ふふっ」
宇ノ中さんにつられて笑う伊勢川さん。
「ニヒっ」
嬉しそうな伊勢川さんに微笑む宇ノ中さん。
暮れ始めた夕日が、笑い合う二人をほんのり赤く染めていた。




