20話 肉とあんこ
ガヤガヤ
授業が終わりみんなが思い思いに帰宅してゆくそんな中、静かな中庭のベンチで談笑する宇ノ中さんと伊勢川さん。
UFOを捕獲したと告げられ驚く宇ノ中さんだったが、それは……どら焼きだった。
モグモグ
モグモグ
「どら焼き美味しいね」
伊勢川さんから貰ったどら焼きを食べる宇ノ中さん。
「うむ」
謎にドヤ顔する伊勢川さん。
「なら……お返し、しないとね」
宇ノ中さんはそう言って何かを取り出す。
「UFOを貰ったので……」
「私はこれをお返しするよ」
そう言って宇ノ中さんが伊勢川さんに渡した物、それは
「スライム?」
どら焼きと同じ様なサイズのスライムが伊勢川さんに手渡される。
「うん」
「実は私もスライムを捕獲したんだよね」
ニヤニヤして伊勢川さんを見る宇ノ中さん。
「……スライム捕獲って」
「色は水色」
「表面は柔らかく……ふわふわした生地?」
「グミ……とかでは無いね」
手渡されたスライムを分析する伊勢川さん。
「焼き目はないけれど」
「どら焼きっぽい感触」
「どら焼きの様にサンドしているのでは無く」
「生地で何かを包み込んでいる?」
そう言いながら宇ノ中さんを見つめる伊勢川さん。
「スライムっぽいでしょ〜」
自分の分のスライムも取り出し手に乗せる宇ノ中さん。
「……確かに」
手に乗ったスライムを見つめて呟く伊勢川さん。
「……これも」
「美味しいやつ?」
宇ノ中さんに問いかける伊勢川さん。
「うん!」
伊勢川さんに向かって嬉しそうに返事する宇ノ中さん。
「……それじゃあ」
「「いただきます」」
二人は手に乗ったスライムを一緒に食べる。
パクり
「うま!」
伊勢川さんが声を上げる。
「……正解は」
「肉まんでした!」
「青色のスライム肉まんだよ」
満面の笑みで笑う宇ノ中さん。
「私のやつの中身は……」
「あんこ?」
伊勢川さんは自分の食べたスライムを見つめてそう言った。
「うん」
「本当は肉まんなんだけれど」
「伊勢川さん用にあんまんにアレンジしておいた!」
そう言って伊勢川さんに微笑む宇ノ中さん。
「あ、ありがとう」
「美味しい!」
スライム色したあんまんを美味しく頬張る伊勢川さん。
「よかった」
「ニヒっ」
美味しそうに食べる伊勢川さんを見て、宇ノ中さんも嬉しそうだ。
モグモグ
モグモグ
「「ごちそうさま」」
宇ノ中さんと伊勢川さんの二人は美味しく食べた。
「UFOも」
「スライムも」
「美味しいんだね〜」
嬉しそうに話す宇ノ中さん。
「だねぇ」
そんな宇ノ中さんに相槌を打つ伊勢川さん。
「よしじゃあ」
「デザート」
再び何かを取り出す宇ノ中さん。
「……それは?」
宇ノ中さんに問いかける伊勢川さん。
「……これは」
「お星さま」
そう言って伊勢川さんに何粒ものお星さまを手渡す。
「ほぅ」
手渡された星を見つめる伊勢川さん。
「って」
「こんぺいとう!」
すかさずツッコむ伊勢川さん。
「ニヒっ」
「伊勢川さんもノリツッコミ上手になったね」
そう言って微笑む宇ノ中さん。
「それじゃあ」
「いただきます」
二人はこんぺいとうを美味しく頂く。
「甘くて美味しい」
宇ノ中さんを横目で見ながら話す伊勢川さん。
「お星さまも美味しいんだね〜」
そんな伊勢川さんを見ながら笑顔で話す宇ノ中さん。
「ふふっ」
宇ノ中さんにつられて笑う伊勢川さん。
「ニヒっ」
嬉しそうな伊勢川さんに微笑む宇ノ中さん。
暮れ始めた夕日が、笑い合う二人をほんのり赤く染めていた。




