14話 あんことマヨネーズ
サワサワ
そよ風が優しい季節の学校の中庭。
お昼ご飯の時間に中庭のベンチでランチをしている宇ノ中さんと伊勢川さん。
モグモグと粒あんパンを食べる伊勢川さん。
隣の宇ノ中さんは茹でとうもろこしを主食にして、おかずはタコさんウインナー、副菜に納豆という攻めたお昼ご飯だ。
すると宇ノ中さんは亜空間収納から光線銃を取り出す。
伊勢川さんは驚く様子も無くそんな宇ノ中さんを横目でチラ見している。
宇ノ中さんは、とうもろこしに狙いを定め光線銃の引き金を引く。
ビビビ〜〜〜〜〜ム
光線銃から出てきたのはマヨネーズ。
それを茹でとうもろこしにかけてゆく。
ガブリ
モフモフ
ガブガブ
モフモフ
「うーん、美味しい」
嬉しそうな宇ノ中さん。
「……マヨネーズ銃か」
ボソリと呟く伊勢川さん。
「そう言えば伊勢川さん」
そんな伊勢川さんを見て宇ノ中さんが話かける。
「ん?」
伊勢川さんは、粒あんパンを咥えながら宇ノ中さんの方を向く。
「マヨネーズ知ってるんだね」
「異世界の人ってマヨネーズで驚くイメージがあったんだけど」
そう言って伊勢川さんを見る宇ノ中さん。
「あ〜」
「昔はそうだったみたいだね」
モグモグ
粒あんパンを食べながら答える伊勢川さん。
「昔?今は違うんだ」
宇ノ中さんが聞き返す。
「うん、マヨネーズで無双していた昔話は文献にいくつか残っていたりするけれど」
「今はもう普通に普及しているから」
「驚きはしない」
伊勢川さんは宇ノ中さんに説明する。
「へぇ~」
感心する宇ノ中さんが再び問いかける。
「なら伊勢川さんは、あんこ好きだからあんこ無双とか出来そう」
「ニヒっ」
伊勢川さんにニヤリとする宇ノ中さん。
粒あんパンを食べ終えた伊勢川さんが、こしあんパンを新たに咥えて喋り始める。
「あんほはいだいにはんへいなくおいひいから!」
「ん?」
上手く聞き取れず聞き返す宇ノ中さん。
すると伊勢川さんは、咥えていたこしあんパンを外し改めて話し始める。
「あんこは時代と関係なく美味しいから」
「むしろ時代というか世界を越えて愛される」
「そう、あんこが世界なんだよ」
宇ノ中さんお得意の謎理論を伊勢川さんも言い初めて収集がつかなくなって来る。
「あはは」
「伊勢川さん、あんこ大好きだもんね」
「ニヒっ」
伊勢川さんが嬉しそうな事に、自分も嬉しくなっちゃう宇ノ中さん。
「ま、マヨネーズも美味しいよね」
自分がヒートアップしている事に気付いた伊勢川さんが照れ隠しで話題を変える。
「うん」
宇ノ中さんはニヤニヤする。
「よし、仕上げだ」
宇ノ中さんがそう言って何かを始める。
ネリネリ
コネコネ
混ぜ混ぜ
そう、宇ノ中さんが混ぜているのは宇宙納豆、もとい普通の納豆。
「そしてここで追加」
ある程度混ぜた納豆に茹でとうもろこしから外した粒を入れる。
「さらに混ぜ混ぜ」
なんだか大豆の代わりにコーンが入っている不思議なとうもろこし納豆が出来上がる。
「……ほう、なかなかのチャレンジをするね」
「それ美味しいの?」
伊勢川さんが警戒しながら問いかける。
「わかんない!今初めてやってる!」
宇ノ中さんは元気よく返事する。
「……伝説の勇者よりよっぽど勇者、だ」
混ぜ混ぜする宇ノ中さんをみて伊勢川さんが呟く。
「よーし、いただきます」
パクり
「……どう?」
宇ノ中さんの様子を伺いながら伊勢川さんが聞く。
「うん、微妙!これは別で食べよう!」
笑顔で答える宇ノ中さん。
「ふふっ」
「ニヒっ」
二人共笑い合い、いつものお昼の時間が過ぎてゆく。




