11話 ヘアゴムと六芒星
UFOのクレーンゲームでリトルグレイ先輩をゲットし、たこ焼きを満喫した宇ノ中さんと伊勢川さん。
リトルグレイ先輩を亜空間収納に入れながら宇ノ中さんが伊勢川さんに話かける。
「宇ノ中さんは寄りたい所とかある?」
「ぅ〜ん」
伊勢川さんは口元に指を当てて考え込む。
「じゃあアクセサリー、とか」
伊勢川さんは宇ノ中さんをチラ見しながら答える。
「よし、じゃあ早速行こぉ〜」
宇ノ中さんが元気に跳ねながら歩く。
チオンは大きなショッピングモール、様々なお店が並ぶ。
暫く歩くと可愛らしいアクセサリーが並ぶ雑貨屋が目につく。
「お、ここなんかよさそうだよ〜」
宇ノ中さんが早速店内に入り物色し始める。
それに続いて伊勢川さんも入る。
店内はレトロモダンなお店で、金属製のアクセサリーやヘアピン、小物等の雑貨が並んでいた。
伊勢川さんはその中で、宝石のレプリカの装飾がされた小物が並んでいる棚に目を止める。
「……魔石みたい」
それを見た宇ノ中さんが近づいて来て
「ぇ、これ魔法が使えるアイテムなの?」
「魔力は感じられないけれどね」
伊勢川さんは小物を手に取り、宇ノ中さんに説明する。
その中で六芒星の装飾がついたヘアゴムを見つける宇ノ中さん。
「これ」
「伊勢川さんに似合いそう」
「このマーク異世界で魔法っぽいし」
「ニヒっ」
そう言って伊勢川さんに見せる。
それを受け取った伊勢川さんはちょこんと後結びしている髪に当てて、
「……どう?」
そう言って宇ノ中さんに見せる。
「うん、すっごく似合ってる」
「可愛いよ伊勢川さん」
恥ずかしげもなく伊勢川さんに向かって言い放つ。
「……ありがと」
自分で振っておいて照れている伊勢川さん。
「伊勢川さんってこういう雑貨とか好きなの?」
宇ノ中さんが遠慮無く聞いてくる。
「……魔導具とか作ることがあるから、その雰囲気に似ているかな、って」
伊勢川さんが静かに答える。
「なるほど〜」
宇ノ中さんがそれを聞いて納得する。
「じゃあ、買ってくる」
伊勢川さんは手に持った六芒星のヘアゴムを購入した。
ショッピングモール内のベンチに座り、先程買ったヘアゴムを付ける伊勢川さん。
それを隣で嬉しそうに見ている宇ノ中さん。
「ニヒっ」
「ふふっ」
二人共微笑む。
「なんだかここって宇宙船の中みたい」
宇ノ中さんがモール内を見渡しながらそう言う。
「宇宙船の中ってこんな感じなんだ」
伊勢川さんもモール内を見渡しながら返事する。
「宇宙母船の中にある町みたいな?」
「まぁ、宇宙だと重力無いから上も下も無い感じになるんだけれどね〜」
宇ノ中さんが上を見ながら話す。
「異世界にはこんな感じの場所は無いの?」
そう言って伊勢川さんを見る宇ノ中さん。
「ぅ〜ん」
顎に手を当てて少し考える伊勢川さん。
「城塞都市の中にあるバザーが一番近いイメージかな」
「大きな壁に囲まれた感じが凄く似てる」
そう言って伊勢川さんも上を見ながら話す。
「ぁ〜、巨大な宇宙怪獣とかに壊されちゃうやつね」
宇ノ中さんがイタズラっぽく話す。
「いや宇宙怪獣とか居ないし」
「どちらかと言うとドラゴンとか巨人族かな」
伊勢川さんがツッコんだ後に訂正する。
「……似たようなもの、か」
伊勢川さんは突っ込んでおいて自分で納得しちゃう。
「ニヒっ」
「ふふっ」
二人共笑い、優しい空気が流れる。
「これからどうする?」
間をおいて伊勢川さんが宇ノ中さんに問いかける。
「そうそう、もういっこ寄っていい?」
宇ノ中さんがそう言って立ち上がる。
「どこにいくの?」
伊勢川さんも立ち上がり、宇ノ中さんに質問する。
「えとね」
「ゾンビと戦うの」
宇ノ中さんは真面目な顔で真っ直ぐ前を見つめる。




