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宇ノ中さんと伊勢川さん  作者: チームつちのこ


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10話 UFOとグレイ

キーン コーン、カーン コーン


終業の鐘が鳴り響き、ホームルームも終わり生徒が下校を始める。


金髪のハーフツインをなびかせながら、いつものように中庭へと向かう宇ノ中さん。


中庭にあるベンチには遠目から見てもわかる銀髪の女の子、伊勢川さんが座っている。


宇ノ中さんは伊勢川さんと同じベンチに座り、話し始める。


「……伊勢川さん」

いつになく真面目なトーンで話す宇ノ中さん。


「どうしたの、真剣な顔で」

何時も真面目な顔の伊勢川さんが答える。


「凄い話を聞いたんだ」

静かに話す宇ノ中さん。


「ほぅ」

相槌を打つ伊勢川さん。



「……実は」


「UFOが居るらしいんだ」

真面目な顔で話す宇ノ中さん。



「……ぁ、うん。居るねえ」

「宇ノ中さんの家のUFOとか、送り迎えUFOとか」

そう言って宇ノ中さんを見る伊勢川さん。



「あ〜、確かに」

「って私では無く」

宇ノ中さんが軽いノリツッコミをする。


「宇ノ中さん家以外のUFO……?」

伊勢川さんが手を口元に当てて考える。


「そう、気になるでしょ」

宇ノ中は嬉しそうに話す。


「宇ノ中さん以外に宇宙人が居るって事?」

そう言って宇ノ中さんを見る伊勢川さん。


「明日の土曜日に、それを捕獲しに行くんだけれど」

「伊勢川さんも一緒に行かない?」

笑顔で問いかける宇ノ中さん。



「……明日は空いているけれど」

「私が一緒に行って大丈夫なの?異世界人だし」

少し心配した様子で話す伊勢川さん。


「大丈夫、ってか」

「伊勢川さんと一緒に行きたいから」

満面の笑みで話す宇ノ中さん。


「……わかった」

ちょっぴり照れた感じで答える伊勢川さん。


「やった〜、じゃあ明日の朝に駅前で」

そう言って宇ノ中さんが喜ぶ。


「駅前?電車にでも乗るの?」

伊勢川さんが問いかける。


「うん、そのUFOは一つ先の駅に居るらしいんだ」

宇ノ中さんが答える。


「なるほど」

伊勢川さんが頷く。


「ニヒっ」

宇ノ中さんが不敵に微笑む。






 近所の商店街を抜けた先に駅がある。

平日は通学する学生や、通勤する会社員などで混んでいる印象のある駅だが、土曜日の朝の駅前は通学や通勤客も少なく、人はまばらだ。


その駅前にあるロータリーで待つ銀髪でセミロングの女の子。


その子に向かって駆けてくるもう一人の女の子。

金髪でハーフツインの髪をなびかせながら叫ぶ。


「おまたせ〜伊勢川さん」

そう言って宇ノ中さんが駆けてくる。


「大丈夫?待った〜?」

宇ノ中さんは息を整えながら伊勢川さんに聞く。


「大丈夫、私もさっき来た所」

伊勢川さんは冷静に答える。


「ぉ、私服の伊勢川さんだ」

そう言って伊勢川さんを見つめる宇ノ中さん。


「まぁ、何時も制服だしね」

冷静に返す伊勢川さん。


「似合っていてカワイイ」

伊勢川さんに笑顔で話す宇ノ中さん。


「……ぁ、ありがとう」

「宇ノ中さんも似合っていて可愛らしいよ」

伊勢川さんが照れくさそうに返す。


「ニヒっ」

「ありがとう〜」

満面の笑みで伊勢川さんを見つめる宇ノ中さん。




「それじゃあ行きましょう」

照れ隠しの様に話を進める伊勢川さん。


「そだね〜」

微笑みながら伊勢川さんと一緒に駅へ向かう宇ノ中さん。




「で、どこに向かうの?」

伊勢川さんが宇ノ中さんに問いかける。


「えとね〜、まずは」

「9番ホームと10番ホームの間に向かって」

「台車を激突させるんだっけ」

宇ノ中さんがニヤけて答える。


「ぃや、それホ◯ッター的なやつだから!」

伊勢川さんが慌ててツッコむ。


「しかもこの駅、2番ホームまでしか無いし!」

伊勢川さんが宇ノ中さんにそう言った辺りで



「あ〜、そうだった」

「危うく違う異世界に行く所だった〜」

「ニヒっ」

宇ノ中さんがイタズラっぽく笑う。



「も〜、ヒヤヒヤさせて」

「で、どこに向かうの?」

改めて伊勢川さんが宇ノ中さんに問いかける。


「えとね〜」

「チオンに行くよ」

宇ノ中さんはそう答えた。




チオン


郊外にある大型ショッピングモールで、食品から日用品、雑貨やらなんやら世界の全てをここに置いてある、かもしれないぐらいの、誰もが知るあのチオンである。





ガタン ゴトン


「さすがのチオンでもUFOは売っていないと思うよ」

電車に揺られながら伊勢川さんが話かける。


「あれ、伊勢川さんチオン知ってるの?」

宇ノ中さんが問いかける。



「うん、最近異世界にも出店していたりネットで通販もしているって話は聞いた事がある」

「私が住んでいた所にはまだ無かったけれど」

そう伊勢川さんは答える。


「ぉ〜、さすがチオン」

宇ノ中さんが関心している。


「と言うか、宇宙人も知っているのチオンって?」

伊勢川さんがさらに質問する。


「地球にONする、チオン!」

「ってCMは見たよ」

宇ノ中さんが答える。


「ん〜、聞いたことは無いかな」

「宇宙ローカルCMなのかな?」

「宇宙でローカルってどういうこと?」

伊勢川さんが一人でグルグル考え始めたところで、降りる駅に到着する。



駅から出て暫く歩くと大きな建物が見えてくる。


「おー、大きいね」

母船UFO(マザーシップ)位はあるよ」

宇ノ中さんがはしゃぎながら歩く。



「大きいね」

「城塞都市の城壁みたい」

伊勢川さんも別の例えで驚く。



「それでUFOは何処に居るの?」

店内に入った伊勢川さんは、宇ノ中さんに問いかける。



「ここの4階にあるらしいよ」

そう言ってエレベーターのボタンを連打しながら話す宇ノ中さん。




程なくしてエレベーターが到着し、二人は4階に向かった。


「ぁ、ここだよ」

宇ノ中さんがそう言って駆け出す。


「……ここは」

「遊技場?」

伊勢川さんが辺りを見回しながら話す。



「コレコレ、あった〜」

喜びながら宇ノ中さんが指差したものは



「……これは」

「UFOのクレーンゲーム?」

伊勢川さんがそう言うと宇ノ中さんは、


「そう、コレがUFO!」

笑顔で伊勢川さんに答える。


「まぁ、UFOと言えばUFOだねぇ」

ちょっぴり腑に落ちない顔で話す伊勢川さん。



「そしてコレが今回の獲物です」

宇ノ中さんが元気よく指差したモノそれは、




「リトルグレイ先輩のぬいぐるみ!」


リトルグレイ、それは宇宙人の代表といっても過言ではない知名度を誇る伝説的な存在だ。


背が低く灰色の肌をしていてアーモンド型の大きな黒い目が可愛らしい宇宙人である。



「……先輩」

ちょっぴり冷ややかな目で見る伊勢川さん。


「いやー、このつぶらな瞳」

「まさにリトルグレイ先輩」

嬉しそうに喋る宇ノ中さん。


「その、リトルグレイ先輩とは知り合いなの?」

伊勢川さんが宇ノ中さんに問いかける。



「いや〜、知り合いなんておこがましい」

「ぅ〜ん、地球でたとえるなら……」



「織田信長?とかナポレオンとか?の偉人?」

宇ノ中さんが脳内知識を目一杯回して答える。



「ぁあ、異世界でいう世界を救った伝説の勇者的な?」

伊勢川さんが異世界で例える。



「そう、そんな感じ」

「宇宙人界隈では伝説過ぎて、もはやマスコット的な存在なのだ」

宇ノ中さんが喜んで話す。


「なるほどね」

そう言われて伊勢川さんが納得する。



「それではいきますよ〜」

宇ノ中さんが気合を入れてクレーンゲームを始める。


「〜〜〜〜ん〜〜〜ん〜ん」


「ぅ〜〜〜〜ぅ〜ぅゔぁあ」


「ぅい〜〜〜〜〜ゔぉあっ!」


なかなか取れずに涙目になって来た宇ノ中さん。



「こう、魔法とかでアームパワー上げて上げようか?」

宇ノ中さんを心配して伊勢川さんが提案する。




「いや!ここは自力で取る!」

「だから見ていて!伊勢川さん」

真っ直ぐの瞳で伊勢川さんを見つめる宇ノ中さん。


「ぁ、うん」

優しげな顔で見守る伊勢川さん。



「う〜〜〜〜〜〜〜〜ゔぅあ!」



「くぅ〜〜〜〜〜〜〜〜ずぶぉあ!」



「ふふ」

宇ノ中さんが唸る声を聞いて伊勢川さんが微笑む。




「ちょえ〜〜〜〜〜〜〜!、!!?」


ドサッ


「ぉ?」

伊勢川さんが近寄る。



「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜やった!!!」

「取れた〜!!」


宇ノ中さんが戦利品のリトルグレイぬいぐるみを掲げ、大喜びする。


「よかったね、おめでとう」

伊勢川さんが微笑む。


「ありがとう〜〜〜!伊勢川さん」

満面の笑みで返事する宇ノ中さん。





「〜〜〜〜♪」

満足気にリトルグレイぬいぐるみを抱きしめながら歩く宇ノ中さん。

嬉しそうな宇ノ中さんを見て微笑む伊勢川さん。



すると宇ノ中さんは伊勢川さんに向かって話す。

「伊勢川さんのおかげで取れたよ〜ありがとう〜」



「いや、私は何もしていないし」

冷静に返す伊勢川さん。


「いや、伊勢川さんが居てくれたからがんばれたんだよ」

「だからお礼させて〜」

喜びながら伊勢川さんに話す宇ノ中さん。



「いや、本当に……」

伊勢川さんがそう言いかけた所で

「いいのいいの〜」

食い気味に被せてくる宇ノ中さん。






「ということで、どうぞ召し上がれ〜」

なんやかんや伊勢川さんにお礼の押し売りを始める宇ノ中さん。


「これは……」

「たこ焼き?」

フードコートに連れて来られた伊勢川さんに出されたのは、たこ焼き。


「あ、ごめん」

「これで仕上げ!」

宇ノ中さんはそう言って光線銃を取り出し、


ビビビビ〜〜ム

と、恒例のマヨビームをする。


「なぜにたこ焼き?」

伊勢川さんが問いかけると、


「宇宙人祝いと言えば、タコ!」

「だからたこ焼きなのだ」

嬉しそうに話す宇ノ中さんについ納得してしまう伊勢川さん。


「まぁ、良くわからないけれど」

「ありがとう宇ノ中さん」

伊勢川さんも笑顔で返す。


「ほら、宇ノ中さんも一緒に食べよ」

伊勢川さんが宇ノ中さんにそう言って微笑む。


「うん」

宇ノ中さんも微笑み返す。



宇ノ中さんの持ったリトルグレイ先輩がそんな二人を見て笑った様な気がした。


こうして平和な土曜日は過ぎてゆく。

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チオン(✽ ゜д゜ ✽)❣❣ そしてナルホロンUFOとは、 クレーンゲームのことかwww
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