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第四話 ステータス披露会

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「エラーラさんや、アーク様のステータスも見てみたいです」

 自分のステータスを見たことで、私たちのステータスも気になったらしい。私たちもサオリのステータスを覗いていたから、断れないな。私たちは承諾した。アークはちょっと渋るかと思ったけど、様付けで呼ばれたことで、気分がいいらしい。『我のことをよくわかっておるようだからな。特別だからな』とすんなり受け入れていた。

「じゃあ、まず私から」

 私は手をかざした。

 自分のステータスを見るなんて、いつぶりだろう。この鑑定の魔道具をもらったときに、舞い上がって試した時以来かな。


【名前】 エラーラ

【年齢】 654

【種族】 エルフ

【体力】 6500

【魔力】 57000


「あ、あれ……。前に見たときは650だった気が……」

 しかも、だいぶ体力落ちてるし……

『宮廷魔法使いを辞めてもう四年たっておるのか。時が経つのは早いの』

「エラーラさん、すごい年上だ……。体力、魔力も高い……。それにエルフだったんですね」

「あ、うん。……ほら、耳が長いでしょ」

 サオリに言われて気が付いた。帰ってきてから帽子を取ってないんだった。帽子を取って耳を隠している髪を上げた。

 サオリは本物だ~!と目を輝かせている。

 エルフは珍しいよね。いるにはいるんだけど。

『次は我の番だな』

 一通り見ただろ、と言わんばかりにアークが言って、手(アークの場合、前足か)をかざした。


【名前】 アーク

【年齢】 426

【種族】 クレセントキャット

【体力】 14081

【魔力】 18161


 アークのステータス、つり合いが取れてていいね。一番理想形というか。

「種族クレセントキャット?胸元に三日月があるから? 」

『そうだ』

「ほんとにツキノワグマみたいだなあ」

「ツキノワグマ? 」

『なんだそれは』

「あ、えと……」

 サオリが言うには大きくて凶暴な魔物らしい。冬になる前にたくさん人間を襲うんだとか。それに、討伐が追いつかないんだとか。怖いなあ。



 一通りステータスのお披露目会が終わり、鑑定の魔道具を棚に戻した。サオリが。

 私が背伸びしても届かないところに、サオリは軽く背伸びをしたら届いていた。羨ましいっ。

「なんか、異世界にきたって確定すると、自分の世界に帰りたくなりますね」

 冷めたお茶を淹れなおしていると、サオリがぼやいた。

 そりゃそうだよね。でも、異世界人なんて、何人もの魔法使いが召喚の儀式を行って一人召喚できるかできないかくらいのものだし、召喚はできても、元の世界に返す方法なんて聞いたいたことがない。

 そのことをやんわりとサオリに伝えると、ですよね……という反応だった。

「で、でも!異世界転移を研究している知り合いの魔法使いがいるから、その人に聞いてみよう? 」

 そういうと、サオリの表情が少し晴れた。

『異世界転移を研究しているやつとなると、あいつか……』

 はあ、とアークは重苦しいため息をついた。

「なにかあるんですか? 」

「アークはその人にすごく可愛がってもらったんだよ」

『可愛がる?付きまとうの間違いだろう』

 へえ~とサオリは気になる様子だ。

「ここに呼んでみようか。忙しい人だけど、多分来ててくれるくれるとれると思う」

 サオリが頷いたので、手紙を書いて、アークに届けてもらうことにした。アークは嫌そうだったけど。

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