<問題篇>
犯人は一体誰だ―?
真犯人を見つけよう!!
読者が推理する”推理小説”!
<希望の章>
渋又蓮は、目を覚ました。悪夢からだ。蓮が元彼女から殺される―そんな感じの夢だった気がする。ベッドから出ると、寒かった。椅子に掛かっていたパーカーを着て、歯磨きをし出した。歯磨き粉はミントだ。歯を体感で3分ほど磨いた。うがいを3回し、吐き出す。リビングを出て、玄関に移動した。靴は昨日買った青と赤のスニーカー。ワニ柄のカバンに文庫本を入れ、家を出た。勿論、鍵は閉めた。
家を出て、少し歩くと、タクシー乗り場がある。そこに空車のタクシーがあったので、乗った。運転手に「駅まで」と言った。すると、運転手は弄んでいたスマホをポケットに直し、舌打ちした後、車のエンジンをつけた。その3秒後、急アクセルで、車は動き出した。
運転手の名前は柿谷修治といった。彼は、見たところ、性格がとても悪そうで、実際、目つきが悪かった。だが、運転開始3分でタバコを吸い始めた。そこから、彼は舌がとても回る。「兄ちゃん、どこ行くんや?」「まあ、楽しんでき!大阪の代表として言わせてもらうわ!」そんなことを言い、唾を飛ばしながらゲハハハ、と笑う。柿谷という男には、一つ特徴がある。タバコを吸わせたら、どんな会話にもツッコみ、どんな会話も笑う。一瞬、クスリを吸っているのではないか、と思ったが、多分、それは無いようだ。
寝たふりをしながら、運転手の役に少しだけ立つような雑学を聞いた。多分、皆さんは聞きたくないと思うので、省略。そこから、眠気が襲い、そのまま気を失った。
いきなり、車が止まり、目を覚ました。もう着いたか、と欠伸した。
財布を取り出す。「柿谷さん、何円ですか?」ぶっきらぼうに言った。が、返答はない。
柿谷の肩を掴み、もう一度訊こうと思った。で、怒ろうと思った。
でも、そんな姿で現れるとは思わなかった。顎に銃弾が入り込んでいた。そこから迸る血。
あまりにも衝撃で、思わず、悲鳴をあげた。股間が濡れていることが気づいた。
そんなことどうでもよかった。ただ一つ、考えたこと。
それは…ここから逃げることだ。
何分走っただろうか。息も切れてきた。そう思った時、金剛駅が見えてきた。一層、ペースを速めた。目の前に書店がある。そこに急いで入り、《新刊コーナー》にある文庫本を3冊レジに持って行った。店員は、40代のイケメンだった。「えー、3冊で2500円です。」その人は、声もイケメンだった。財布の1万円札を素早く彼は抜き取った。そして、笑顔でこう言った。「おつりはいりませんよね」と。反論できなかった。彼が、全ていう言葉は全て正論に聞えた。彼の名前は、カキヤミタと言った。
*
覚田順二は、目を覚ました。彼女・ミツ子の肉感的な身体が俺に乗っかっている。肉感的な身体を撫でた。だいぶ、脂肪が付いていた。昨晩のことを思い出した。
深夜1時だ。彼女が来たのは、当時来ていたのは、白のポロシャツだ。雨が濡れ、透けて見えた。ミツ子は、俺の横で寝た。俺も、彼女も、寝付けなかった。ので、何度もやった。何度も何度も挿入した。今、俺の周りにはティッシュが散乱している。彼女も目を覚ました。すると、白目を剥き、口を大きく開いた。俺は、彼女に「お前の名前は?」と訊いた。ふざけて言ったつもりだった。彼女は悪戯な笑みを浮かべながらこう言った。
―――カキヤミタ
ある学者は、こう言った。
<恋心は、いつか芽生えても、欲は衰えない。何故なら、ずっと求めているからである。刺激を。>
希望の章 完
<解説の章>
東京大学教授・貞将司はこう言葉を遺した。
「人の原動力は人にほかならない。人は自分自身を殺しながら生きている。」
*
免許証を見た。
<氏名:柿谷修治>
見覚えのある名前だな―と刑事・田部は感じた。
それにしてもだ。銃痕は、顎に入り込んでいた。そこから出る血。
俺は、やはり、銃殺は向いていない。
……
それにしても、同僚たちが先ほど乗っていた、渋又という男に目を付けている。
そいつが犯人ではないと解っている。が、この方程式の解は俺だけが知っている。
……
《前略
父を殺したのは私です。
父は尊敬する人物でした。仕事にはとても熱心で、教育も最高レベルのものを用意してくれました。そして、私自身、東京大学に行き、今や教授として働いています。
なぜ父を殺そうと思ったのか。理由は簡単です。
あの人は僕をバカにしてきました。
「アホ」と。何度も、何度も。それに耐えられなかった。
だから殺した。
以上です。できるだけ、罪は重くしないでほしいです
渋又蓮》
……
なかなか上手く書いたものだ、と田部は感心した。
それでも、あいつには罰がもうすぐ下る。
待ち遠しいところだ。
解説の章・完
<補足の章>
田部は、渋又の頸を閉めた。
彼は呻きながら成仏されていく。
可哀想な男だ。
淫従教に入れば痛まず死んでいくと言うのに…
補足の章・完
企画 近藤貴史
野村仁成
佐々木知美
製作 株式会社アリアケ
深山吾郎
九重孝
滝川瀧
原作 九重孝
監修 栗原哲男
宮中時生
<解決篇>2026公開予定...
※この篇は、<問題篇>の解決篇です。犯人はこちらで明らかになります




