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KAKI  作者: 九重孝
1/1

<問題篇>

犯人は一体誰だ―?

真犯人を見つけよう!!

読者が推理する”推理小説”!

<希望の章>

渋又蓮は、目を覚ました。悪夢からだ。蓮が元彼女から殺される―そんな感じの夢だった気がする。ベッドから出ると、寒かった。椅子に掛かっていたパーカーを着て、歯磨きをし出した。歯磨き粉はミントだ。歯を体感で3分ほど磨いた。うがいを3回し、吐き出す。リビングを出て、玄関に移動した。靴は昨日買った青と赤のスニーカー。ワニ柄のカバンに文庫本を入れ、家を出た。勿論、鍵は閉めた。

家を出て、少し歩くと、タクシー乗り場がある。そこに空車のタクシーがあったので、乗った。運転手に「駅まで」と言った。すると、運転手は弄んでいたスマホをポケットに直し、舌打ちした後、車のエンジンをつけた。その3秒後、急アクセルで、車は動き出した。

運転手の名前は柿谷修治といった。彼は、見たところ、性格がとても悪そうで、実際、目つきが悪かった。だが、運転開始3分でタバコを吸い始めた。そこから、彼は舌がとても回る。「兄ちゃん、どこ行くんや?」「まあ、楽しんでき!大阪の代表として言わせてもらうわ!」そんなことを言い、唾を飛ばしながらゲハハハ、と笑う。柿谷という男には、一つ特徴がある。タバコを吸わせたら、どんな会話にもツッコみ、どんな会話も笑う。一瞬、クスリを吸っているのではないか、と思ったが、多分、それは無いようだ。

寝たふりをしながら、運転手の役に少しだけ立つような雑学を聞いた。多分、皆さんは聞きたくないと思うので、省略。そこから、眠気が襲い、そのまま気を失った。

いきなり、車が止まり、目を覚ました。もう着いたか、と欠伸した。

財布を取り出す。「柿谷さん、何円ですか?」ぶっきらぼうに言った。が、返答はない。

柿谷の肩を掴み、もう一度訊こうと思った。で、怒ろうと思った。

でも、そんな姿で現れるとは思わなかった。顎に銃弾が入り込んでいた。そこから迸る血。

あまりにも衝撃で、思わず、悲鳴をあげた。股間が濡れていることが気づいた。

そんなことどうでもよかった。ただ一つ、考えたこと。

それは…ここから逃げることだ。

何分走っただろうか。息も切れてきた。そう思った時、金剛駅が見えてきた。一層、ペースを速めた。目の前に書店がある。そこに急いで入り、《新刊コーナー》にある文庫本を3冊レジに持って行った。店員は、40代のイケメンだった。「えー、3冊で2500円です。」その人は、声もイケメンだった。財布の1万円札を素早く彼は抜き取った。そして、笑顔でこう言った。「おつりはいりませんよね」と。反論できなかった。彼が、全ていう言葉は全て正論に聞えた。彼の名前は、カキヤミタと言った。

覚田順二は、目を覚ました。彼女・ミツ子の肉感的な身体が俺に乗っかっている。肉感的な身体を撫でた。だいぶ、脂肪が付いていた。昨晩のことを思い出した。

深夜1時だ。彼女が来たのは、当時来ていたのは、白のポロシャツだ。雨が濡れ、透けて見えた。ミツ子は、俺の横で寝た。俺も、彼女も、寝付けなかった。ので、何度もやった。何度も何度も挿入した。今、俺の周りにはティッシュが散乱している。彼女も目を覚ました。すると、白目を剥き、口を大きく開いた。俺は、彼女に「お前の名前は?」と訊いた。ふざけて言ったつもりだった。彼女は悪戯な笑みを浮かべながらこう言った。

―――カキヤミタ


ある学者は、こう言った。

<恋心は、いつか芽生えても、欲は衰えない。何故なら、ずっと求めているからである。刺激を。>


希望の章 完


<解説の章>

東京大学教授・貞将司はこう言葉を遺した。

「人の原動力は人にほかならない。人は自分自身を殺しながら生きている。」

免許証を見た。

<氏名:柿谷修治>

見覚えのある名前だな―と刑事・田部は感じた。

それにしてもだ。銃痕は、顎に入り込んでいた。そこから出る血。

俺は、やはり、銃殺は向いていない。

……

それにしても、同僚たちが先ほど乗っていた、渋又という男に目を付けている。

そいつが犯人ではないと解っている。が、この方程式の解は俺だけが知っている。

……

《前略

父を殺したのは私です。

父は尊敬する人物でした。仕事にはとても熱心で、教育も最高レベルのものを用意してくれました。そして、私自身、東京大学に行き、今や教授として働いています。

なぜ父を殺そうと思ったのか。理由は簡単です。

あの人は僕をバカにしてきました。

「アホ」と。何度も、何度も。それに耐えられなかった。

だから殺した。

以上です。できるだけ、罪は重くしないでほしいです

                                         渋又蓮》

……

なかなか上手く書いたものだ、と田部は感心した。

それでも、あいつには罰がもうすぐ下る。

待ち遠しいところだ。


解説の章・完


<補足の章>

田部は、渋又の頸を閉めた。

彼は呻きながら成仏されていく。

可哀想な男だ。

淫従教に入れば痛まず死んでいくと言うのに…


補足の章・完


     

企画 近藤貴史

    野村仁成

    佐々木知美

製作 株式会社アリアケ

    深山吾郎

    九重孝

    滝川瀧

原作 九重孝

監修 栗原哲男

    宮中時生


<解決篇>2026公開予定...

※この篇は、<問題篇>の解決篇です。犯人はこちらで明らかになります

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