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精霊界の長

猫の裁判長は、山の中を歩いていた。


精霊界の長に、お願いするためである。


リュックの中には、猫の事務官に用意してもらったお供え物を入れて


山の頂上を目指して歩いている。


以前は、道に迷うほど深い緑が豊かな山だったが、人間たちが、立ち入りを禁止されている山に出入りをして、


勝手に山を崩して道を作り、進歩だ進化だと騒ぎ立て、多くの動物たちが犠牲になってしまった。


山の精霊界は大いに問題が起こり、様々な裁判が行われ精霊界から人間たちに報復がなされてきた。


それは、欲深い人間や、道を作った責任者の家族などに突然起こった。


ある時は、落雷に直撃するもの。


またある時には、豪雨被害等。


全て意味のあることであったが、精霊界の気付きのメッセージに気がつくものは誰一人いなかった。


人間たちは、突然の不幸に嘆き悲しみ、その現実を不公平だと恨み、動物に優しい気持ちをもつものは少なかった。


ふぅ、、ふぅ、、


山道は険しく、猫の裁判長はひと休みしようと思っていたところ、


うわああああ!



突然大きな声と何かが落ちる恐ろしいもの音がしたのだ。


猫の裁判長は、あわててもの音がするほうにかけよった。


崖っぷちから、人間が足を滑らせて落下したようだ。


上から恐る恐る落下した人間を見下ろすと、明らかに息絶えている様子がわかった。


即死だろう。


猫の裁判長は何ともいえない気持ちになっていたが、


ああ、猫の裁判長か、、


空間から声が聞こえた。


振り向くとしばらく離れたところに立派な大木があった。


こえはその大木から聞こえてきた。


猫の裁判長は、一礼をして、


これは、御神木の主様お声をかけて頂き大変光栄でございます。


木の精霊は、


ああ、その人間は今しがた私の木の根もとで立ち小便をしたのだ。


わけのわからぬ、言葉で神聖な木を汚したのだ。


私は普段は人間にはなにもしない。


しかし、あまりにも無礼であったため、即死させたのだ。


近くに腐敗した死体があっても気分がわるいから、申し訳ないが、その死体を何処か遠くへ処分してくれないか、、全く人間はあとからきたのに礼儀知らずなものばかりだ。


今まで、この山には人間など来なかった。しかし、最近では、このような酒を飲んだりして大騒ぎする変な人間が来て困っている。


死にたいようだか自分では死ねないと大騒ぎをする。きっと自殺をしにこの山に来たのだろうが、大変迷惑しているのだ。


猫の裁判長は、急いで電話をかけて猫の事務官に死体を処分するように事情を話し命令した。


さぞご不快だったことでしょう。


今お水で根もとを洗い流します。


本当になんて失礼なことをするのか、、


何度も何度もきれいな水で根もとを洗い流した。


木の精霊は、


ああ、猫の裁判長、感謝する。


昔は、このように人間のなかにも話がわかるやつがいたのだ。


よく私に供物を捧げてくれたものだ。


しかし、時が経つにつれ人間は、我々を敬わなくなっていったのだ。


そうして我々の言葉が聞こえるものも少なくなり、巷の噂では自分の満足のために、精霊の声が聞こえる等と思い上がる輩がいると聞いた。


何度も許しがたく慇懃無礼である。


しかし、そのような我々からみて害獣のような輩に、何を言っても通じぬ。


通じぬなら、その無礼な言動を強制的に止めるしかない。


やってはいけないことがあるのだよ、猫の裁判長、、


私はもう疲れた。しばらく眠りたいのだ。


ありがとう。


何処へ行くのだろう。鳥の精霊に運ばせよう。


お礼をさせてほしい。


感謝する。










しばらくすると、声は静かになった。


猫の裁判長は、深々と頭を下げていると、空から鳥たちがやってきた。




猫の裁判長、どちらへ行くのです。


私たちがそこまでお連れしましょう。


鳥の群れは猫の裁判長を背中にのせて空へ羽ばたいた。


猫の裁判長は、険しい山道を登るのに困っていたため、助けられた。



鳥の背中は、ふかふかの羽毛で極上の座布団のようで最高の座り心地であった。


しばらくすると、山の頂上に、猫の裁判長は到着して、鳥たちにお礼の木の実が入った袋を手渡した。


ありがとう。助かりました。


鳥たちは口に木の実が入った袋をくわえて広い空へ飛び立っていった。




山の頂上には、何にもなかったが、


空を見上げて猫の裁判長は、叫んだ。




偉大なる精霊の長よ


ここにいらしてください。






しばらくの沈黙のあとに


ものすごい強風がふき始めた。




龍神が現れる。


神々しく光輝く龍神に猫の裁判長はまともに目を向けられずにいた。




これは、精霊の長様、お越しいただき感謝申し上げます。


実は、野良猫裁判で我々では手に負えない議題がありまして、精霊の長様にお願いに参ったのです。


だんだんと目が慣れてきて、猫の裁判長は光輝く龍神が見れるようになってきた。



またか、、人間どもは野良猫を虫けらのように扱っているのだな!


何とも愚かなものたちだ。


何処の誰だ!そのような害獣どもは許さぬぞ!


息の音を止めてやろう。


動物以下の虫けらどもめ!


猫をなんだと思っているのだ!!


精霊の長は、ものすごい怒りだすと、先ほどまで晴れていた空が黒雲に囲まれ、ゴロゴロと雷の音まで聞こえてきた。















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